九話 激突
更新遅れてすみません、、、
短めですが投稿しました。
「……おいおい……な、なんなんだよぉ……その魔力はよお……」
荒れ狂うようなユートの魔力の奔流にギルはらしくもない弱音を吐きながらジリジリと無意識のうちに後ずさる。
それが……ユートとギルとの間に絶対的力の差があるということの何よりの証明であった。
「〜〜っーー、⦅癒泉の理想郷⦆……」
ユートはあらかじめ詠唱していた魔法を即時発動する。
すると、⦅癒泉の理想郷⦆の効果により、みるみるうちにミロクの傷は癒えて行き、その代わりと言うようにユートに傷が譲渡されて行く。
「……なんなんだよ……その魔法はよぉ……それにそのあり得ないような回復力…………テメェは一体……」
「教えると思うか……?」
「……」
尤もなユートの物言いにぐうの音も出ないギル。
「それよりも……自分の体の心配をすれば?」
「何を言って……ぐぁぁ!」
ユートの言葉にギルは理解できないと言った表情を作るが即時、それが間違いだと気づくことになる。
しかし、気づいた頃にはもう遅い。
ギルは視界がぶれたと感じた瞬間、とてつもない激痛に見舞われる。
上半身と下半身が真っ二つに切り裂かれたのだ。
ギルはそのまま生命活動を停止させる。
ほんの刹那、何が起きたのかこの場にいるもの全員がユートのしたことがなんなのか理解できなかった。
ユートのした事は至極単純な事だった。
それはギルに接触した時、腕を斬り裂いただけでなく同時に胴体も斬り裂いたのである。
しかし、その早さは人間が出せる限界速度を超えておりそれ故、斬り裂いた胴体が斬り裂かれた事を知覚できず、時間差が生じたのだ。
「……まさかこんな怪物が生徒に紛れていたとはな……」
ゼルはギルの死を特に気にした様子もなく、目を細めてユートを見据える。
「……残りはお前だけか……待っててミロク、レイラ……すぐに終わらせる」
ユートは抱えているミロクの頭をひと撫でしてからレイラの隣に寝かせる。
「ん……待ってる……」
レイラは震える手でミロクの手を握り、小さな声で、しかしはっきりとユートにそう伝える。
それを聞いたユートは微笑みで返し、これから倒す敵を見据えた。
「……貴様のような特異点は今後我々の障害になるだろうからな……全力を持って排除する……」
そういうとゼルは全身から禍々しい魔力を放出する。
すると、どういうわけか大気中に四本の無機質な剣が形成され、ゼルを囲むように剣が配置されていく。
「固有魔法か……」
ユートは見たこともない魔法を目にして瞬時にそう理解する。
「ではいくぞ……」
ゼルはその言葉を合図に四本の剣をユートに突き立て、攻撃を開始した。




