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双神の御子  作者: 南瓜遥樹
第二章 禁忌の銀姫編
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二話 禁忌の眼

 ユートと……それにアイラは今目の前の少女を見て唖然としていた。


「……レイラ……挨拶しなさい……」


 ジータは銀髪の少女にそう促す。


「ん……」


 するとレイラは一つ頷き、スタスタとユートの方へ歩いていく。

 そして……


「え?」


 ユートとアイラ、二人の驚きの声がまたもや重なった。

 その理由はレイラがユートに急に抱きついたからである。


「ん……()()()()()……」


 レイラはそう言いながらユートに抱きついている。


「また会った……?」


 ユートは未だ困惑した様子でレイラに聞き返す。


「ん……四年前に私といっぱいお話ししてくれた……約束……守ってくれた」


 レイラの表情は無表情ながらもどこか嬉しそうな声音だった。


「四年前って……まさか⁉︎じゃあ君はあの時の女の子……?」


 ユートは何か思い出した様子でレイラに質問する。


 レイラはユートの言葉に頷きを返した。


「え?え?どういうこと……?」


「うむ……やはりレイラとは会っていたか……」


 アイラは未だ理解出来ないといった様子で戸惑っており、ジータは何処か納得した様子でうなずいていた。





「……で、そろそろ説明してほしいのだけど……」


 アイラはムスッとした表情でユートを見つめている。

 現在は会議室みたいなところでユートとアイラ、それにジータとレイラが座りながら対談していた。


 ちなみにこうしてる今もレイラはユートの腕にひっついていた。


「えっと……そうだね……前に一度だけここにきた話はさっきも言ったんだけどその時に……」


 あの時、ユートは不覚にもエリエルと逸れ迷子になってしまう。

 そして王宮内を点々とうろついているうちにとある一室で今隣にいる彼女……レイラと出会った。


 〜〜〜


「ん……君はだれ……?」


 ユートが入ってきたことに気づいたらしい彼女は眠りから目覚め、ユートにそう尋ねる。


「あ、えっと……僕、ユート……その一緒に来てた人と逸れて気づいたらここにいた」


「ん……そう……」


 目の前にいる少女はまだ眠いのか右手で目をこすりながら素っ気なく返事をする。


「君はここで暮らしているの?」


 ユートは疑問に思った事を口にする。

 すると、目の前の少女は特に抵抗する様子もなくすんなりと答えた。


「そう……私は、ここから出た事ない……」


「そうか……」


 ユートはそれ以上聞かずにその一言だけ返す。


「ねぇ……」


「?」


 しばらくの沈黙の後、突然少女の方から話しかけてきた。


「外は……どんな感じなの……?」


 今度は少女が質問してくる。


「どんな感じ……そうだね……色々なものがある……かな……?」


「色々な……もの……?」


「う、うん……」


 ユートはこれまであまり初対面の人とのコミュニケーションを交わしたことがないせいで少女との会話が戸惑いがちになってしまう。

 それでも少女は対して気にすることもなく、むしろユートの話を熱心に聞いていた。

 そんな少女の純粋な瞳にユートも気づいた時には少女に色々話していた。


「……じゃあ、外には……人間以外も住んでるの……?」


「うん、エルフや獣人……あとは翼の生えた人種の天翼族なんてのもいるよ」


「そうなんだ……広いのね……世界って……」


「うん、本当に……広いよ」


 ユートと少女はその後もしばらく会話をしていた。

 少女はユートへ質問し、ユートはそれに丁寧に答えていく。

 そうこうしているうちに時間が過ぎていき……


『ユート〜どこいったの〜!』


「……それで……あ、迎えがきたっぽい」


 扉の奥からエリエルの声が聞こえ、ユートが話を切り上げる。


「……そうなの……?」


 少女はユートを心底残念そうに見上げる。

 そんな少女にユートはポンッと手を置いた。


「そんな顔しないで……またいつか……次会った時も君とこうしてお話するよ」


「……ほんと……?」


「あぁ、約束だ」


「ん……わかった……それまで、待ってる」


「うん、じゃあ、またね」


 ユートは少女とそんな約束をして別れた。


 〜〜〜


「……とまぁ、こんな事があったんだよ」


「なるほど……それでレイラがこの様子か……」


「うん……そうなんだけど……えっと、レイラ?」


「ん……なに……?」


「あの時の僕は認識阻害の魔法や外套で顔が見えなかったはずなんだけど、なんで僕の事がわかったの?」


 ユートの疑問は尤もだった。

 ユートにかけられた認識阻害の魔法は同じ神話級のシルフがかけた魔法であり、それこそ同じ神話級のエリエルですら欺けるような高度な魔法だった。


「ん……()()()()()()()……()()……?」


「それって、どういうこと?」


「ん……」


 レイラはそう言うものの、自分でも分からないようだった。

 それ以外にもレイラには不自然な部分がある。


「ねぇ、パパ。それで結局この子は何者なの?」


 アイラは単刀直入にジータへそう尋ねる。


「それを今から説明しようと思ってな……レイラはアイラ、お前の妹なのだ」


「え?私の……妹……?そんな話聞いたことも」


「いってなかったからな……歳はアイラと同じ15……つまり双子だ」


「ん……私は、おねぇちゃんのこと……知ってた」


「……なんで教えてくれなかったの……?」


 アイラがそう尋ねる。

 その声は若干怒りを孕んでいた。


「言えなかったのだよ……レイラは秘匿しなければいけない……そういう存在だったからだ」


「どういうこと……?」


「それはな……レイラの目を見てみろ」


 そう言ってジータは目を閉じる。

 ユートとアイラはジータに言われるがままにレイラの瞳を覗いた。


「これは……オッドアイか?」


 ユートの言う通り、レイラの瞳は左右で違う色をしていた。

 その色の違いはじっくり見てようやく違うといったくらいで右目は蒼紫色で左目はそれをやや薄くしたような色をしていた。


「オッドアイがどうかしたの?」


 ユートはレイラの瞳の色が違うだけでそれ以外の特異点を見つけられなかった為、ジータにそう尋ねる。

 しかし、アイラの様子はユートの真逆の反応をしていた。


「嘘……()()()()……」


 アイラのレイラを見る目は驚きのそれでは無く、まるで怯えているようなそんな目をしていた。


「禁忌の眼?それってなんなの?」


「⁉︎ユートは知らないの⁉︎左右で色が違う目を持つ人は邪神の加護を受けている……だから人類の敵、そう見なされてるの」


「は?」


 アイラの発言にユートは一瞬なにを言っているか分からなかった。


「ユート殿はあまり世間の事が詳しく内容だから説明するが、色違いの目を持つものはアイラが言った通り、邪神の加護を受けていると言われている。そしてもし、街中でその人を見つければ……その場で公開処刑が下される」


「⁉︎」


 ジータの言葉にユートは驚きを隠せなかった。

 瞳の色が違うだけで公開処刑?そんなこと許されるものなのか?

 ユートの疑問をジータは分かっていると言ったように続きを話す。


「禁忌の眼……つまり瞳の色が左右で違う色を持つ人には決まって本来ならあるはずもない超常能力が発現している」


「まさか……魔眼か」


 ユートの言葉にジータは頷く。


「無論レイラにもその力は発現している……ユート殿の正体を見破ったのもその力、レイラには()()()()()姿()()()()()()()


「なるほど……」


 それを聞き、ユートはようやく合点がいったという様子で頷いた。

 もし、レイラにその能力があるのならばあらゆる擬態や変装、認識阻害は意味をなさない。

 故にレイラが初めてユートと対面した時からレイラにはユートの本来の姿が見えていたと言うことだ。


「それで……世間ではそういう風潮があるせいでレイラを公に出すことができなかった……それでこの十五年間幽閉していたってことですか?」


「うむ……」


 ジータの表情はどこか辛そうだった。

 なにも意図してレイラを幽閉していたわけではなかったのだろう。


「アイラも分かってくれ、レイラにはなんの責任もないのだ」


「え、えぇ……その……ごめんなさい……私、貴方の目を見ただけで怯えてしまって……」


 アイラはそう言ってレイラに謝る。


「ん……気にしてない……」


 レイラは特に表情を変えることなくそう答えた。

 しかし、抱きつく力が僅かに強くなったのをユートは見逃さなかった。

 ユートはレイラを安心させるように頭に手を置きながら話す。


「それで僕にどうしろと?」


「うむ……それはな、ユート殿のところでレイラを預かって欲しい」


 ジータのお願いとは、ユートにレイラを預けることだった。

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