九話 その後
すみません、今日はちょっと短めです
ユートの戦闘が終わって少し経った後、一人の男が倉庫に入っていった。
「さて、中古の玩具を引き取りに来たぞって、ん?」
中を見ると誰も居る気配がない。
「くそ、ガルの奴。依頼内容を忘れたか?もうとっくに持ってきていてもいい頃だろう」
男は悪態をつきながらずんずんと中へ入っていく。
男が歩いているとふと足元からベチャッという音がした。
「なんだ……これは……?」
男が踏んだもの、それは血だった。
「何故こんなところに血が流れて居る……?」
男は心底不思議と言った風に驚く。
それが自分の依頼した男の血だと気づく事は無かった。
「まぁいいか、暫くここで待っていれば奴が連れて……」
男の言葉が最後まで続く事は無かった。
何故なら次の瞬間、男の胴と下半身が真っ二つに引き裂かれたからである。
その後ろから二人の男たちがやってくる。
「キヒヒ!こんな辛気臭ェとこに人がいるなんてよ」
「おい、ギル。無闇に人を殺すな。後始末が面倒だ」
「キヒヒ!まぁそう言うなよゼル。別に一人や二人いなくなっても変わりやしねぇよ……っと、おいおい。ガルの奴死んでやがるぞ」
「何?」
「見ろよ!首チョンパだぜ!キヒヒ」
「まさかガルが殺されるとはな……この国の戦力では騎士団長か宮廷魔法師のエリート連中くらいだろうが……」
「キヒヒ!誰でもいいぜそんな事は!つえェ奴がいるならそれでよぉ!」
「戦闘狂が……まぁ、どのみちこれをやった奴は生かしては置けんな……『La sT』の名にかけて必ず天罰を下そう」
そう言い残して二人の男は闇へ消えて言った。
〜〜〜
ミロク誘拐事件があってから数日が経ち、既にユートとミロクは変わらない日常を過ごしていた。
あれからユートはミロクに秘密を少しばかり打ち明けた。
流石に自分が神話級である事は伏せたが、この王都に来る前まで傭兵紛いの事をやっていてこれまで多くの人や魔物を殺してきたとミロクに説明した。
またユートの姿が突然変化したあれはいくらミロクであっても教える事はできない。何せあれを知っているのはこの世界ではユートただ一人である。
ユートのあの力についてはまたおいおい説明していこう。
何はともあれあの事件以降、ユートとミロクの関係は以前よりも良好になった。
その一つとして、
「そういえばユート」
「ん?何、ミロク」
「対抗戦ってもうすぐじゃないですか?」
「あぁ、そんなイベントもあったねそういえば……確か五日後だったっけ」
ミロクはユートの呼び方を呼び捨てにしていた。
これはユートが言い出したものであり、いつまでも上下関係があるような言い方はやめようとミロクに自分の友達として接して貰ったのである。
始めミロクはユートの事を自分を助けてくれた恩人として敬意を抱きながら接していたのだが、あの事件以来はそう言ったものなしで気軽にユートと接していた。
ユート達のクラスは現在訓練場にいた。
この時間は魔法の実技の時間である。
「それでは皆さん。あの的に魔法を放ってください」
担当の先生が射撃の合図をする。
すると一斉にに生徒達は魔法を放つ。
しかし、ユートのみはいつまで経っても魔法を放つ気配が無い。
「ユートくん、いつまでボーッとしてるの?早く打ちなさい」
「えーっと」
ユートは困った顔で先生を見る。
「あの、先生。僕打てる魔法無いんですが……」
ユートは申し訳なさそうに謝る。
「え?打てる魔法がないってどう言うこと?」
「そのまんまの意味です……僕適正魔法無いんで」
「適正魔法がないって……えぇぇーー⁉︎」




