三話 代表決定
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後、章設定しました
ーーーアイラ・ハウード・ミレニアムは非才だった。
彼女は王族であるにもかかわらず固有魔法を有さなかった。元来ハウード王国の王族にはとある固有魔法が発現する。それが血筋の為かどうかはわからないが。
しかしアイラにその固有魔法は発現しなかった。そんな彼女を周囲は〔出来損ないの王女〕と蔑まれてきた。それでも王女として育てられてきたのは王位継承権を持つ者は現状彼女のみであるからだ。
当然、貴族達からは反発の声があがる。
そんな王女に国は任せられないーーー
幼少期から散々彼女に浴びせられてきた台詞。
アイラは悔しかった。
何故自分がこんなにも言われなくてはならないのか?
と。
だから周囲を見返してやりたいーーー
その一心で彼女は剣を振るい、自分の持つ唯一の魔法風魔法を徹底的に鍛え上げていった。
〜〜〜
「んっ……」
まだ日が昇りはじめて浅い頃、アイラは眼が覚める。
まだ完全に意識が覚醒している訳では無いらしく半目になっている自分の目を眠たげに擦りながらあくびをする。
「ふわぁ〜……ん、素振りしなくちゃ……」
布団を跳ね除け、ふらふらとベッドから起き上がり着替えを済ませる。
動きやすい服に着替え終えたアイラは愛用の細剣を腰にぶら下げて日課の鍛錬の為に庭へ向かう。
「……誰にも負けない……絶対に認めさせてやる……‼︎」
ポツリと誰もいない部屋で一人、彼女は闘志を燃やしていた。
〜〜〜
「む〜〜」
「いい加減機嫌なおしてくれよ、ミロク」
「……別に怒ってないですっ!」
「いや、怒ってるよね?」
「ふんっ!」
「はぁ……」
そう言うミロクは明らかにむくれており、そっぽを向きながらユートと並んで歩いていた。
彼女が怒っている原因、それは昨日の放課後のことである。
ユートは昨日放課後、リラと言う少女に特訓に付き合ってほしいと迫られ快諾した。
当然、そこにはミロクもおり、ミロクもそれに付き合うことになったのだが、ユートはリラの特訓につきっきりでミロクのいつもの訓練を見てあげなかった。結局日が沈むまでミロクは一人ぼっちで魔法の練習、隣ではユートがリラに色々と熱心に教えているという事になっていた。ユートはリラとの特訓が終わった後に、ミロクが一人拗ねてる事にようやく気づき謝り続けてるのだが今の今までミロクは一向に許してはくれなかった。
「人付き合いって難しいな……」
改めてそう思うユートなのであった。
教室に入るとほとんどの生徒が既に来ておりそれぞれが今日の個人戦にその闘志を燃やしていた。
やがて担任のレイフォンが教室に入り、今日の個人戦の概要を説明する。個人戦はランダムに振り分けられた組み合わせで対戦して行き、勝ち残った者どおしで戦っていくという勝ち抜き戦だ。ただしAクラス、つまりユート達のクラスのみは初戦は免除される。
ユートはこの個人戦、特に興味もないのだが、リラに偉そうに指導していた手前、即負けは良くないと思い渋々挑む。一様それなりのプライドはあるらしい。
しかしこの個人戦、結果はあまりにもあっさりとしたものだった。
まず初戦はB、C、D、Eクラスのみで開始された。クラスの振り分けは入学試験の成績順で振り分けられているので自然とB、Cクラスの生徒の多くが勝ち上がっていった。
程なくして初戦の全ての対戦が終了し、続いて二戦目。いよいよユート達のクラスも個人戦が始まった。
だが、特に見所もなく二戦目は終了。と言うのもリラはユートに仕込まれたお陰で他の生徒とは段違いの動きをしており、圧勝。
ミロクもユートと出会ってからずっと魔法の練習を重ねていた為、危なげなく勝利。
ユートの結果は言わずもがなだ。
他にもアイラやマークと言った面々も勝利をしていた。
続く三戦、四戦目も同じような結果となった。
そしていよいよこの学院の代表を決める五戦目。
これも特に面白みもなく終了。
結局最後まで残ったのは、ユート、ミロク、リラ、アイラ、マークの五人だった。
リラはユートやミロクと当たらなかった事が幸いしここまで見事勝ちあがれた。ミロクもこの結果には喜んでおり、この頃には機嫌は元に戻っていた。この四戦を使ってストレスを発散させていたのだろう、ミロクはかなり派手な火属性魔法を使っていた。ミロクの相手にはご愁傷様としか言いようがない。
ただ一人、アイラのみは表情を強張らせ、なにやら思い詰めている様だった。
こうしてユート達は一ヶ月後の対抗戦に出場する事になった。




