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双神の御子  作者: 南瓜遥樹
序章 学院入学編
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十五話 入学

「では、改めて名乗らせてもらいます……僕の名前はユート・ラルシエール。魔法師階級は神話級です」


 その瞬間、デュッホは驚きで目を丸くする。


「神話級じゃと……?じゃがお主の顔は見たことないが……いや待て、お主の序列は何番目じゃ?」


「……二位」


「なるほどのぉ……となるとお主が〔黒鬼羅刹〕か……確かに彼奴はいつも黒い外套を見に包んでおったから顔は見ておらんな」


「……まぁ、そうですけど……」


 ユートはそう言って頰をかきながら顔をそらす。

 〔黒鬼羅刹〕と言うのはユートに付けられた二つ名で全身黒ずくめで鬼の如く敵を排除していく様から付けられたそうだ。尤も、ユート自身、その二つ名を気に入ってはいないらしい。


「まさか神話級にこんな少年がいようとはのぅ……そしてそのお主が入学する理由は訳あり、ということかの?」


「はぁ……まぁ、そういうことになります」


 ユートは煮え切らない曖昧な返しをする。

 まさか学院長もユートが常識を学ぶ為に入学するとは思わないだろう。


「何にせよ君とその者の入学は許可しよう。一様君らはAクラスに入学してもらう。」


「分かりました」


「うむ、では明日その者を連れてもう一度ここへ来ておくれ。概要などの説明をしよう」


「はい、今日はありがとうございました」


 こうしてユートとミロクは無事入学することができた。


 〜〜〜


 ユートが学院長室を去った後、デュッホは椅子に深く座り溜め息をついた。


「……ふぅ、それにしてもまた強力な爆弾を送り込んできてくれたのぉ…………なぁ、()()()()()


 次の瞬間、部屋の空間が歪み始める。そして歪みから二人の男女が出てきた。


「ご無沙汰ですねデュッホさん……いえ、今は学院長でしたか」


 急に部屋に現れた金髪の青年ーーーシルフはにこやかにデュッホへ挨拶をする。


「久しぶりじゃのぉ、そっちにいるのはエリエル嬢か?」


「そうだよ!久しぶりーお爺さん」


 エリエルは相変わらず気の抜けた口調でデュッホへ挨拶をする。


「ふむ……お主らがこのタイミングで来たのはやはりあの少年の事かのぉ」


「えぇ、そうですよ」


「では単刀直入に聞こう……彼が神話級なのは本当かの?」


「えぇ、紛れも無い事実です」


「本当だよ!私がユートを神話級に入れたんだから!」


「そうか……で、かの少年が神話級と知っている者は?」


「ユートくんが神話級と知る者はメンバー以外は現状デュッホさんのみです。彼が神話級と世間に知り渡ると色々問題が起こりかねないので」


「姿を隠していたのはその為か……確かに神話級に人間族、そしてその子供がいたとなれば各国が動くことは間違いないかのぉ」


「そうですね。間違いなくユートくんを利用しようとすると輩が出てきます。それに加えて彼の序列は二位、それがどれほどの影響を及ぼすか検討もつきませんね」


「もちろんユートの事は私が守るけど!もしユートを利用しようなんて連中が出てくるなら……壊しちゃうよ、世界ごと……」


「「⁉︎」」


 刹那、部屋の空気が一変する。デュッホとシルフはエリエルから発せられる絶対零度の様な殺気に背筋を凍らせる。人類の中でも最上位の強さを誇る二人でさえエリエルから放たれる殺気に怯えた。それ程までに神話級一位の次元は超越していた。


「エリエル嬢は相変わらずおっかないのぉ……敵には絶対回したく無い相手だわい」


「えへへ〜そんなに褒められると照れますなぁ〜」


((いや、褒めてない))


 シルフとデュッホ、二人の想いが一致した瞬間だった。


「ゴホンッ!話を戻しますがそういう諸々の事情でユートくんの事については一切口外しない様お願いします」


 シルフは咳払いをして話し始める。


「分かったのじゃ」


「では私たちはこれでお暇させていただきます」


「またね〜お爺さん!」


 そう言ってシルフ達は先程と同じように去っていった。

 誰も居なくなった部屋でデュッホは一人呟く。


「随分と過保護じゃのぉ……それにしてもこれからが楽しみじゃ!フォッフォッフォッ!」


 〜〜〜


 ユートの入学試験が終わってから二週間たち、今日はいよいよ入学式である。

 ユートは身支度を整え、学院から送られてきた制服を、身に包んでいた。ユートは鏡の前に立ち、自分の姿を確認する。


「うーん、違和感がすごいなぁ……やっぱり白は僕には似合わないなぁ……」


 ユートは普段から自分の髪や瞳と同じ黒系統の服をいる。戦闘服も勿論黒だったしそのせいで二つ名にも黒が入ってしまっているのだが。しかし今ユートが来ている学院の制服は白を基調としており、ユートにとってはどうしても違和感を覚えてしまうのだ。


 ユートは自分の姿を見て溜め息をつく。


「ユートさんお待たせしました」


 突然声がかかり、ユートはその方向に目を向ける。そこにいたのはユートと同じ制服を纏った少女だった。長く伸びる金髪に狐の様な耳が付いている可愛らしい少女。

 彼女の名はミロク。ユートの家に共に住む同居人であり、今日から学院に通う同級生でもある。


「⁉︎」


 ユートはミロクの姿を見て固まった。


「ユートさんどうしたんですか?」


 そんな彼を不安がる様にミロクが声を掛ける。

 ユートはその声でハッとなり、意識を戻す。


「ごめん、ミロクが可愛くて見惚れてた」


 ユートは素直な感想を口にする。

 すると今度はミロクの顔が真っ赤になる。


「え⁉︎本当ですか⁉︎あ、ありがとうございますぅ……」


 ミロクはしどろもどろになりながらユートにお礼を言う。しかし、褒められたことで口元は緩みきっており、本人はまんざらでも無いようだった。


 ユートの言う通りでミロクはお世辞抜きにも可愛かった。元々のルックスもよく出会った頃は痩せ細っていた身体だったが今では程よい肉付きになっていて女の子らしい魅力的な身体つきになっていた。彼女の長い金髪が白を基調とした制服にとてもマッチしており、大人びた雰囲気を感じさせていた。


「じゃあ、行こうか」


「はい!」


 そうしてユート達は学院に向かっていった。




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