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吸血鬼のいる街《UNUS》

約二年ぶりな理由の詳しくは活動報告にて掲載しています。うん、すごく言い訳なんだ

 白い受け皿に赤い血を数滴垂らし、それを口へ運ぶ。その一口にも満たない血液で喉を潤し吸血鬼としての食事を終える。


「やっぱり、お前の飲む量少ないな。それだけで大丈夫なのか?」


 背後には旧知の銀髪の男がいた。気配を全く感じなかったのは己の吸血鬼としての能力の低さか、それとも彼の今まで培ってきた異常なまでの戦闘経験の賜物か。


「夜遅くに誰かと思えば……久しぶりね、ルーレスト。鍵は閉めた筈なのにどうやって入ったのかしら?」

「この教会の扉が古すぎるんだよ。普通に爪でじ開けれたぞ?」


 それは確かに不味いかもしれない。ここに盗まれて困るものは一つもないが、これからこの街は恐らく戦いになる。そうすれば己も無関係ではいられなくなるはず。気休め程度でしかないが安全性を考慮して鍵を変えておくほうが良いだろう。


久闊きゅうかつを叙したい所だが……一つ聞きたい事がある」

「何かしら?私の知っていることならクリスティに話したわよ」

「そう、()()だ。それが俺には分からない」


 誤魔化す気は無かったがやはりそこを尋ねられるか。


「この街で起きていること……何故お前がそこまで深く知っているんだ?」

「…………」

「リスティが知っているならまだ理解できる。あの店は色々と情報が流れ込んで来るらしいしな。だが、お前は違う。お前は基本的に戦いの火種になりそうな事は全て無視している」

「それなのに、どうして私が犯人であろう人物まで知っているのか……それを聞きたいの?」


 彼は目を細め見定めるように己を見つめている。殺されるのかとも思ったが、どうやらそんな気ではないらしい。

 手に持っていた受け皿が彼の掌へと吸われる様に自身の手の内から離れ、ルーレストは引き寄せた受け皿に着いている僅かな血を舐めとる。


「不味い、もう少し新鮮で良いのを飲めよ。男を誘ってそいつの血を飲み干すぐらい出来るだろ?」

「貴方みたいな吸血鬼らしさがあれば私もそうするけど、生憎そんな強さが一つも無いのよ。知っているでしょ?」

「…………まぁな」

「その反応は私の体が普通の吸血鬼と違うって事を忘れてた、と受け取っていいかしら?」

「悪かったよ……で、さっきの質問の答えは?黙秘なんて言わせねぇぞ」


 ケイリィンはともかくルーレストにこの話をして大丈夫だろうか、そんな危惧もあるが黙秘するなと言われた以上ここは正直に答えておこう。後で彼らと面倒になるのは御免だ。楽には死ねるだろうが絶対に逃げ切れない。


「これを聞けば分かるわ」


 立ち上がりCDプレーヤーを教会の教壇から取り出す。彼はそれを訝かしむような表情で受け皿と同じように引き寄せるとプレーヤーを再生した。


「……ハハハ。そうかい、そう言うことかよクソがァッ!!」


 時間にして3分ほど。プレーヤーから聞こえてくる何処か他人の心の奥まで見透かし晒し暴くような声がルーレストを苛立たせる。


「彼の使いはいきなり現れて貴方にそれを渡せと言ったわ。多分、今回の出来事にも関与している筈よ。遅かれ早かれ貴方はこの街での出来事を知る事になってたわ」

「……だったらリィンを巻き込むべきじゃなかったかもしれねぇな」

「そうでもないと思うけど?ケイリィンにしても私みたいに知らされるだろうし」

「ハッ、確かにそりゃそうかもな。ってことはリィンもあのチビデブの掌の上の役者か……あぁー、ムカつく」


 CDプレーヤーを握り潰しながら忌々しげに吐き捨てる。握り拳からは黒ずんだ血が滴り落ちている。

 ルーレストを見つめていたら思わず苦笑が漏れてしまった。


「どうしたよ?人の顔を見て笑うなんて。俺はそんな変な顔をしたか?」

「ふふ、いいえ。そうじゃないわ。貴方は昔から変わっていないと思って。

 話は変わるけど、今度はこちらから質問するわね。ルベル・カエルムと赤月の天園(例の赤い薬)は関係あるの?」

「いや、おい。それを俺らは調べにわざわざこんな僻地にまで来てるんだが」

「貴方の勘ではって話よ」


 ルーレストは少し悩むそぶりを見せると妙に自信ありげに答える。


「関係ある、きっとな」

「……そう。はぁ憂鬱だわ、貴方がそんな風に言う時は大概面倒が起きる前兆だもの」

「なら逃げろよ。空港ぐらいまでなら付き合うぜ?」

「逃げたら逃げたで狩られるだけよ。私みたいな弱い吸血鬼ヴァンパイアは」

「そもそもお前は狩人(連中)から吸血鬼として認識されているのか?俺はそっから疑問なんだがな」


 ゴギり、と首を鳴らし立ち上がり手の内で弄んでいた受け皿を十字架へとぶつける。


「そんな不敬を行えば主はきっと貴方に天罰を下すわよ」

「悪いが神様ごとき存在するのかしねぇのか分からんアホなんざ一度たりとも信じた事がない。そこはお前もだろ。吸血鬼のケリア・パーカー」

「さぁ、どうかしら」


 私の返答に苦笑を浮かべながらルーレストは教会を後にした。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


『暁人君、私は君の事は嫌いではない。むしろ、個人的には君に友愛の情を持って接しているつもりだ。

 だが娘の友人、ましてや恋人として君のような人間を認めたくない。君は言うなればアクセルしかないスポーツカーのようなものだ。止まる事すら出来ない、走り続ける事しか出来ない。そんな選択ばかりしている。そして、その精神性に全くの理由がない』


 うたた寝から醒める直前に思い出す。主治医とも言える幼馴染みの父親の言葉を。


「きと君……暁人君」

『天は二物を与えない、とよく言うがお前の場合は逆だな。天はお前にあらゆる物を与えた。だが、徹底的に必要なものをお前に与えなかったらしい。お前は強すぎる。人として生きるための必要な弱さがことごとく欠けている。しかも、性質(たち)の悪いことにお前はまだその辺り無自覚だ』


 初めて殺した相手の言葉は今なら納得できる部分もある。

 そんな昔の事を思い出している微睡まどろみの中で自分を呼ぶ煩い声につられ目を開ける。そこには気に入らないもう一人の幼馴染みがいた。


「何だよアヤ」

「えっと……ほら昨日何処に行ってたのかなぁと思って」

「お前の知らない所だ」


 切り捨てるように話を終わらせるとそのまま町を騒がせる連続殺人事件の犯人『吸血鬼』について考える。

 ケーシャの話が本当なら件の殺人事件の犯人は『四番目』の吸血鬼がいい。あれなら倒すことは可能だ。ただ、強くて速いだけの化け物を殺す手だてならいくらでもある。一番いいのは普通の人間ではあるが。


(つまり、問題は強くて速いだけの化け物じゃなかった場合か……)


 『二番目』と『三番目』、そう呼ばれる吸血鬼が問題だった。そいつらの何かしらの能力は流石に素手でどうにかなるレベルじゃないだろう。銃やナイフがあっても厳しいかもしれない。いや、確実に殺される。


(まぁ、敗けても殺されるだけなら問題ないか)


 吸血鬼がどんな奴かにもよるが殺されるだけなら戦って敗けても問題はない。俺が死んだ後の事はマーサ達が上手く誤魔化すだろう。それに吸血鬼の出方にもよるが、殺し合いどころか戦闘にすらならない可能性もある。

 そこまで思考すると今朝届いたメールをもう一度確認して気に入らない幼馴染みに視線を向ける。


「アヤ、早退するから担任に上手いこと言っておいてくれ。面倒なら今の発言無視していい」

「えっ?暁人くん?」


 鞄を持つと学校を後にし、車を停めてガードレールに腰掛けスマホを触っている男に声をかける。


「早いな。まだ約束の時間じゃないだろ?」

「お前、待つの嫌いだって言ったろ?だから早めに来たんだよ」

「そうか。でも、待たせるのも嫌いだって言った覚えもあるんだが?」

「そういや確かにそうだったな」


 惚けるように呟く目の前の男__蝶野颯(ちょうのそう)はタブレットを差し出してくる。そこには薄い金髪を一つに纏めている女が写っていた。


「ほら、お前が調べろって頼んでた奴だ。その子が例の狩人のお弟子さんらしい。結構可愛い子じゃないか?」

「子って感じじゃないな。お前と同じか少し下くらいだろ」

「ああ。ライラ・ツキカゲ、18歳。それがそいつの名前だ。本名か偽名かは知らないけどな」

「まぁ、こいつは別にどうでもいい。それより吸血鬼側の方の情報はないのか?」

「自分で頼んどいてどうでもいいかよ……」

「顔だけ知りたかっただけだ。それで吸血鬼の情報はないのか?」

「ある。むしろ吸血鬼の方が早く分かったらしい。この二人だ、両方かなりヤバイって話。何でも二人で組んで反政府組織を潰し回ってたとかなんとか」


 蝶野のタブレットには戦場のような場所に立っている二人の男が映された。


「こっちの銀髪のフード野郎がルーレスト・サングイス。赤髪のイケメンがケイリィン・ハウルヴァーン。二人とも狩人ベラトール達の中では超がつくほど有名人だそうだ。多分その辺りはお前の方が詳しいんじゃないのか?」


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


『私は吸血鬼としては雑魚だ。まともに強い奴と戦えば一瞬で殺されるぐらいにはな』

『そんな事半殺しにした相手によく言えるな。なら、そのまともに強い吸血鬼ってのはどんな奴だ?』

『真偽は分からないが友人の知り合いに最強と噂されている男がいる。私も話だけは聞いたことがあってな、もしその噂話に嘘が無いならその男が一番強いと思っている』

『噂なんて尾ひれがつくものだろ。一々本気にするのか?』

『事実ではないことは多少はあるだろ。単騎で戦車10両落とすなんて信じられないしな。闇祝グラティアを使ったとしても不可能だろう』

『噂話の詳細なんてどうでもいい。それより、そいつの名前は何て言うんだ?』

『名前は確か……ルーレスト・サングイスだったかな?』


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


 初めて出会った吸血鬼との会話を思い出しながら助手席に乗り込む。


「……あぁ、名前だけは知ってる。サングイスだけだがな」


 こんな所でその名前を再び聞くはめになるとは思わなかった。正直なところ二度と聞くこともないと思っていた名だった。


「とりあえず今分かっているのは事件と関係の有無は分からないが少なくとも本物の吸血鬼が確実に二人はこの街にいるってことと、それと吸血鬼狩りのプロが一人しかいないってことだけだ。つってもあのツキカゲちゃんって年齢的考えてに実戦経験は多分低いだろうから戦力として価値があるかどうか」

「あのな、真朝には何度も言っているが最悪俺だけでいい。ツキカゲって奴も利用できそうならそうするだけだ。そこまで重要じゃない。第一、狩人が18も生きてんなら吸血鬼の一人や二人ぶち殺せるだろ。でなきゃ廃業しろって話だ。お前もキリのいい所で手ぇ引けよ。少なくとも紫音さん泣くぞ」

「分かってるって……紫音さん泣いてくれるんならまぁいいさ」


 エンジンを入れギアをドライブに入れながら「ラジオでいいか?」と聞いてきた。ああ、とだけ答えると伝えるべき事を簡潔に伝えた。


「真朝からもう聞いてると思うが赤月の天園(ルベル・カエルム)は俺の方で調べた。現場に行ったら一人残してもぬけの殻だ。その一人にしろ末期症状で話を聞けそうになかった。多分そろそろ死ぬか、もう死んでる」


 そいつに対しては珍しく嫌悪感すら沸かなかった。ただバカな女がもうすぐ死ぬなというくらいの事も、そのまま苦しんで死ねとも思わなかった。

 マジかよ、と隣から聞こえる。それは女を見殺しにしたことについてなのか、赤月の天園(ルベル・カエルム)が見つからなかった事なのかは分からない。

 聞き流してるラジオ番組でもやはりというか、この街を騒がせている殺人鬼こと吸血鬼についての特集だった。専門家とやらが参考にもなりそうにない犯人のプロファイルをしている。以前テレビで見た犯人像をそっくりそのまま話している所が間抜けに思えた。


「やっぱりもう一度売人(プッシャー)の方を手当たり次第でもいいから探すべきじゃないか?あれだけ大量に出回っている以上売る側もそれなりにいるだろ」

売人(プッシャー)も被害者の中に三人いる。それにビビって売らなくなった奴がほとんどだ。そりゃ、あんなどこから来たのか訳の分からない安い薬だ。人が死にすぎてる事よりも怖い変な噂の一つや二つと言わずあるみたいだし。それでも売ってる変に肝の太い馬鹿もいるみたいだが」

「……それどうやって調べた?」

「肩潰したら聞いてもないことまで喋ったよ。眉唾ものばかりだったがな」

「結局いつもの拷問(方法)か」

「だがお前の言うとおり少し()()()()()だな。売らなくなった奴が増えた筈なのに供給が減った印象がない」

「……前から思ってたけど需要がそれだけあるなら、だったらなおのこと供給は減るはずだろ?ろくでもない物売ってるが売人やつらも商売やってるんだ。普通は薬中どもの足元見て値を吊り上げていく」

「しかも赤月の天園(ルベル・カエルム)は使う奴がポンポン死ぬから一度買わせたあとはさっさと値を上げなきゃ儲け出ねぇ。金以外の目的があるか、利益メリットを度外視したただの道楽か」

『番組の途中ですがここで速報です』


 この手のラジオ番組では速報のニュースを流さないんじゃないのか?そう考えたが次の瞬間その疑問は氷解した。


『本日未明、祭苑(さいえん)市南町で女性の死体が発見された模様です。女性の死体からは血液が無くなっており、警察はこれまでの殺人事件と関連性があると見て捜査しています』


 13人目の被害者だった。


「はは、また死んだぞおい」


 そうだな、そりゃ死ぬだろう。目的は知らないが、この程度死んだぐらいじゃ止まりなどしないだろう。そんなつまらない結果の終わりなんてあり得ない。


「…………笑いながら言うことかよ。不謹慎過ぎる」


 やはりというか、隣の運転手は忌むような視線で俺を睨んでいた。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「はは、また死んだぞおい」


 隣から聞こえる笑い声は何の感情も乗っていなかった。いつものことだが。

 思えばコイツからは言葉にしろ行動にしろ感情と言うものが欠落しているように思える。ただ無機質に笑い、ただ無機質に殺す。少なくとも俺がコイツと出会って真朝につるむ事を強要されてからの二年間この男が本心から何かを発言したかのような言葉を聞いたことがない。


「…………笑いながら言うことかよ。不謹慎過ぎる」


 一応の苦言だが、どうせ聞く耳は持たない。今も俺に対して形だけ口許を吊り上げながら今にも人を殺しそうな視線を向ける。悲しいことにもう慣れてしまった。


「別に構いはしねぇさ。そもそも吸血鬼()が単独犯にしろ複数犯にしろ捕まえられない警察が無能なだけだ。俺が笑おうが笑わなかろうが関係ない。笑わなかったとして、それで件の吸血鬼さんは殺しをやめるのか?違うだろ」


 確かに言うとおりだ。不謹慎なんてものは俺の主観的な話でしかない。それに他に人がいるなら、それを理由に出来るがそうではない。


「真朝には俺が吸血鬼と()り合う予定だって伝えた。お前は俺が殺された時の後始末頼むわ。首ぐらいなら奴等にくれてやれ。胴体さえ残ればいい。もしかしたら頭の中身の方が重要なのかもしれないが」

「……どういうことだよ?」

「俺の体で人がどれだけ短期間のうちにボロくなってんのかを診るかららしい」


 真朝から聞かされた時は冗談かと思った。だけどコイツの戦いを見て理解して、納得した。アレは常人の戦い方じゃないと。そして、あんな戦い方を続ければすぐに人は壊れると。


「あと、どれくらいだ?」

「普通に生きてりゃ30前半ぐらいで死ぬだろう。でも、このままの生活続けてれば多分25も持たない」


 どうでもよさげだった。自分の体の事だというのに。


「お前……」


 本條暁人はそう遠くない将来死ぬ。病気と言えば病気だが、それでも半ば自殺に近いだろう。


「言いかけてめるなよ、颯ちゃん?」

「……ちゃん付けはマーサだけにしてくれ。少なくともお前はやめろ」


 どんな時でも即座に思考を切り替えれるようになれ_あまり好きではなかった父親に教わったことだ。こんな正常とは程遠い奴を相手にするなら、こちらもある程度正常な部分を捨てなければならない。コイツか()の感情を晒して耐えられる程度には。


「アキ」

「何だ?」


 俺は言うべきか迷いながら数瞬間を置いて口にした。


「死ぬなら人の迷惑にならない場所で迷惑にならない方法で勝手に死ね」

「…………はは、考えとくよ。ただ」


 そこで言葉を区切り片頬を歪める。そんなおぞましさが滲み出ている仕草でさえ男でも見惚れそうな絵になる。


「特に強い理由もなく人を殺した続けている奴が自殺なんてのは無しだろ。殺したのなら殺されなきゃ帳尻が合わない」


 相変わらず感情の入っていない声音だった。だが、楽しそうに俺を見る視線は殺気でギラついていた。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「ここが祭苑(サイエン)……」


 教父から聞いた話よりも街並みは綺麗だったが人が少なく活気が乏しく感じられる。それもそうだろう。この街では連続殺人が起きている。しかもそれだけではない。


「ルーレスト・サングイス……ケイリィン・ハウルヴァーン……」


 この()()は無害と言えば無害な吸血鬼ではある。だが、こんな騒ぎになっている街に来るのはどうにもキナ臭いというのが教父の考えだ。それには自分も同意している。なにより、この祭苑(サイエン)には吸血鬼がそれなりの数いるのは分かっている。ならば我々、真の狩人(ベラトール)の成すべき事は一つだ。

 瞳を閉じれば辺りを覆い尽くす炎が浮かぶ。人の焦げる臭い。見知った人達の悲鳴。そして、炎を使う吸血鬼。


「必ず殺す……絶対に」


 吸血鬼達が差し出してくる吸血鬼の中のあぶれ者を殺して充足を得る狩人もいるが()()は違う。親の、友人の仇を取る。そして、少しでも私のように奪われ続けた者を減らす。その使命を全うする。でなければ生き残った甲斐も価値もないのだから。

目標、来月で二話←目標が低すぎる

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