表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

海を吐く歪なチョーク

雨と共に

作者: 海之本

風は

まとわり

雨は

打ちたたく


じっと

睨みつけた

アスファルト

ごつごつした

無機質に

溶けて

しまいたい


濁ったものが

ぽこぽこと

流れてゆく


思いだしたい

のに

覚えているはず

なのに

カレラは

いない


冷たい

冷たい

時間


ぽたぽた

幾つも

落ち

幾つも

アスファルトに

砕け散る


木々は

憂いて

ざわめいた


思い出は

ただ

そこにある

崩され

ても

塗りかえられ

ても

何も

言いは

しない

哀しむのは

私だけ


カレラは

いない

アナタは

いない

私も

もう

そこには

いない


まだ

雨は降る


温かさ

奪い

ながら


ぷくりぷくり

濡れて

ふやけた

破片

アスファルトの上

どこまでも

流れて

ゆく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 思い出の中のカレラは一体どうなったのでしょう。 思い出そうとして思い出せない思い出の中に、一体何があるんでしょうね。 それらを塗り替えてしまうほどの哀しみが、雨と合わさってよりその心を冷やす…
[良い点] 思い出はいつも儚い物ですね。言葉の断片から色々と想像が膨らみました。素敵な詩をありがとうございます。
[一言] 濁ったものが洗い流されるなら、それはきっと浄化にも似た。とはいえそう都合のよいことばかりではなくて……。 悪いことも良いことも、自分の存在も誰かの存在も、そして記憶も思いですらいつしか消えて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ