雨と共に
風は
まとわり
雨は
打ちたたく
じっと
睨みつけた
アスファルト
ごつごつした
無機質に
溶けて
しまいたい
濁ったものが
ぽこぽこと
流れてゆく
思いだしたい
のに
覚えているはず
なのに
カレラは
いない
冷たい
雨
冷たい
時間
ぽたぽた
幾つも
落ち
幾つも
アスファルトに
砕け散る
木々は
憂いて
ざわめいた
思い出は
ただ
そこにある
崩され
ても
塗りかえられ
ても
何も
言いは
しない
哀しむのは
私だけ
カレラは
いない
アナタは
いない
私も
もう
そこには
いない
まだ
雨は降る
温かさ
奪い
ながら
ぷくりぷくり
濡れて
ふやけた
破片
アスファルトの上
どこまでも
流れて
ゆく