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4-5:ちいさいばくとちいさいかたつむり
「わたしが こわがりなせいで あなたに さみしくて、いやなおもいを させてしまいましたね」
「でも、ばくさん、あなたは もう 目を さましても いいんですよ」
そのとき やっと、ばくは、ずっと 夢を みていたのだと 気づきました。もう 夢をみつづける ひつようがないことも。
そして、夢の外から、ばくを気づかう、やさしい声が 聞こえてくるのにも。
流れ星のせいでみた ばくが ちいさくなったり、かたつむりが おおきくなったりする へんてこな夢。
かたほうが おおきくても、かたほうが ちいさくても、ばくと かたつむりは ともだちでした。
だから、これは わるい夢では なかったのです。
ばくは、夢の 中 と 外 から呼びかける ともだちの声にこたえて 目を ゆっくりと ひらきました。
これは、そんな 夢の はなしです。
おしまい