4-4:ちいさいばくとちいさいかたつむり
「かたつむり、どうしよう。ぼく こんなに ちいさくなっちゃったんじゃ、これから きみの わるい夢を ぜんぶ たべてあげられないよ」
「なんだ、そんなことですか」
「でも、ぼくが たべてあげなきゃ、きみは ずっとこわい夢を みちゃうよ」
「そうですね、ばくさん。あなたに たべてもらっても、たべてもらっても わたしは つぎつぎに あくむを みてしまいます。
こわいものも おおすぎて、だれにせつめいしても わかってもらえるとは 思いません。
でも ばくさん、わたしは いまは めざめるのが こわくなくなったんです。
おきたら、あなたが あたたかな おひさまと まっていて、いっしょに たびにでかけられると しっているから。
だから、わたしは もう 少しでも ましな おわりを さがして、夢から 夢を みつづけなくても いいんです」
「わたしが、あなたをさがしていたのは、あなたが わたしの わるい夢を たべてくれるからじゃないんです。
わたしの あくむを たべられなくても、わたしより ちいさくなってしまっても、ばくさん、あなたは わたしの だいじな おともだちです」
「ほんとうの ほんとうの ほんとうに?」
ばくは、びっくりしました。
かたつむりが うなされて しくしく なきながら ねているときに、わるい夢を たべてあげられない じぶんなんて いやでたまらなかったからです。
かたつむりは ばくに やさしい声で こたえました。
「ほんとうの ほんとうの ほんとうに」