Fairy Tale その2
レベルアップ回。
〜〜前回のあらすじ〜〜
森の中で迷子になっていたナハト達は突如襲いかかってきたオーガたちと戦う。
倒せども倒せども襲いかかるオーガ。メンド臭くなったナハト、ティア、ベルは複合呪文を唱える。
無数のモンスターを倒したナハトたちの前に現れるは、栄光の道か死への旅路か。
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「ふう、倒し終えたか。」
ほっと一息つくと同時に、ピロリロリーンとレベルアップの軽快な音が鳴り響く。
<Nachtmartのレベルが上がりました 64→65
仙気 をマスターしました。 Get 〔オーラ増加〕〔覇導拳〕〔龍王滅波〕>
<Tearのレベルが上がりました 55→57
Get 〔嵐龍〕〔エメラルドシュート〕〔風神連技 流鷹〕>
<Bellのレベルが上がりました 52→54
Get 〔ゴットブレス〕〔エンジェルヒール〕〔コメットライト〕>
<Roarのレベルが上がりました66→67
Get 〔スラッシュナイン〕>
「おおー、レベルアップだ。」「かなりの数がいたからな……。」「2レベルも上がるなんて、すごいわね……」「やりました、レベルアップです!」「わーーーすごーい!」
さっき言った通りかなりの、(数にしたら500はくだらないと思う)がいたのだろう。これが魔王の仕向けた兵隊なのかは知らないが。
あのモンスター達のおかげでこちらはレベルが上がったのでラッキーだな。50を超えた瞬間からレベルは格段に上げづらくなるからな。
〜十分後〜
「フウ……それにしてもまだ着かないんでしょうか。」ベルはぺたりと座り込み息を吐く。いくら、肉体的には疲労が無いとはいえ、精神は違う。精神まではさすがにMAOでもコントロールできない。だが、
「いや、そういう訳でもなさそうだ。もう森を抜けたし、なによりほら、あそこを見てみろ。」「わ……見てるだけで嫌な空気が漂ってるのがわかりますね。」
それは、大きな洞窟のダンジョンだった。それだけなら普通のダンジョンだと言い張ることもできるが、周りにはびっしりと美しくもおぞましい装飾が描かれ、取り付けられている。
「……なんていうか水生生物がいそうな洞窟ね……」「触手モンスターに捕まっても助けないけどね!!」
イヤそうな顔をするティとは対照的に軽く嫌らしい笑みのロア。その言葉に触発され、思わずティアの捕まったシーンを想像する。………ッハ!危ない危ない、このゲームが血を流すシステムを搭載してなくて本当によかった。もしあったら鼻から赤いものがこぼれるていただろう。
「ナハトさんは私を助けてくれますよね……?」「Aye,当たり前だ。というかそんなものが君の近くにくる前に僕が潰すから、安心しろ。」「ナハトさん………!!」
「さて、休憩は終わりだ。行くぞ。」「オゥ!」「ハイ!」「もちろん!」「ガンバッテ!」
僕のかけ声に三人(+1人)は元気よく返事をする。さて、魔王退治としゃれ込むか。