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前座 その三

三回も消えた。

前座は終了。ようやくか。


「クソが、覚えていやがれ!」

「Nay,却下だな。」

捨て台詞を残し立ち去る……えっと名前は……山賊で良いか。が門から出て行くまで監視し、ようやく、フゥと息を吐いた。

しっかし、なんで喧嘩止めるために僕が戦わないといけなかったんだろう?余計な時間を取ったな。


……?なんか忘れてなかったか?


ああ、忘れていた。ケンカしていた、もう一人の方はどこに行ったんだ?と思ったら、1メートルくらい離れた所で地面にぺたんと座り込みぽけ~っとこちらを見ていた。彼女に近づき、

「大丈夫か?」と尋ねたのだが、

「あ……は、はい。」と答えながらも、なぜか立ち上がろうとしない。「?どうした?」

すると彼女は困ったようにそして恥ずかしそうに笑って言う。

「あはは…すみません。腰が抜けちゃったみたいです……。」

「……それは、珍しい事もあるものだな。いくら現実に近いとはいえ、これはVRMMOの中なのだが。」

まあ、腰が抜けるというのは、腰が本当に動かなくなったわけではなく脳からの命令が上手く伝達出来ない状態のことをさすので、確かにあり得ないとは、言い切れないが。

「…手を貸そうか?」「お願いします…。」彼女に手を差し伸べ立たせてやる。


「ありがとうございます。私サリエって言います。細工スキルをあげてる生産職です。」「僕はナハトマート。ナハトで良い。」すると、サリエは、

「ナハトさんですか。あれ?その名前ってどこかで聞いたことあるような気がします。」と言って手を頬にあて考えこむ。

彼女の言葉に僕は苦笑する。

「まあ、〈不可侵(アンタッチャブル)〉なんて言われたこともあるからな。悪い意味で一度は聞いたこともあるだろう。」

「あ、思い出しました。確かギルさんとかいう方が言ってた気がします。」「アイツか…」

ギル。別名〈人徳王〉ギル。趣味が人助けという一風変わった奴だ。

「彼が僕のことをなんて言ったかは置いていて、細工師って武器修理できるかい?」「ええ、少なくとも私は出来ますよ。今からしますか?」

「いや、今はまだ大丈夫だけど、これからキツイクエストいくからその時にお願いするよ。それにそろそろ馴染みの修理してくれる人が欲しかったからな、後で連絡させてもらうよ。」すると、サリエは頷き、

「じゃあ、フレンド申請しませんか?」と申し込んでくる。

「そうだな。そうしようか。……よし、これでOKか。……と、そういや作って欲しいものがあるんだけど、いいか?」

僕はアイテムボックスからとある金属素材を取り出しながら尋ねる。

「えっと、大抵のアクセサリーなら作れますけど、何を作りたいのですか?」

「ああ、…………を……作って欲しいんだがが、できるか?」

「ハイ、そういうのなら大丈夫ですよ。こう見えても私は細工スキルをマスターしていますから、楽勝です。」

「じゃあ、頼んだ。出来上がったらダイレクトメールを送ってくれ。」「ええ、出来上がったらすぐに連絡します。」

そう言って僕はサリエに別れを告げ姫様とお嬢の待っている方へ戻っていった。




「お、ようやく帰ってきたね〜。」「お疲れ様でした。ナハトさん。」「楽勝だっったわね、お疲れ。」

先ほどの集合場所に戻るとねぎらいのことばを三人は口々に言いながら迎えてくる。

「面倒だったがな。」「またそんな心にもないこと言って。そういえば決闘の後女の子と話してたけど、何があったの?」

「ん?ああ、彼女は細工スキルMAXの細工師らしくてな。武器修理程度なら大丈夫だと言うんでフレンド登録してただけさ。」

すると、ベルが目をキラキラさせながら言い出す。

「へぇ〜細工師ですか。女の子なら一度はああいう職に憧れますよね、ティアさん。」

「そうね~、でもアタシは戦い向きの性格だから、あのスキル入れてないわ。」

ホゥ、と感嘆の吐息をもらす。

「やっぱり、ああいうアクセサリーは欲しいのか?」僕の問いかけに

「はい、そうですね。」「そうね。」頷くベルとティア。

ならば、"アレ"は気に入るかもしれないな。って大事な事を忘れていた。

「そういえばティア、そろそろ僕らを集めた理由を教えてくれないか?」

その言葉を聴いた彼女はたちまち得意気な表情になり、「ふっふっふ~」と笑い出す。(いや、いいからさっさと言えよ。)と三人全員が同じことを思ったがさすがに口にはださ

「いや、いいからさっさと言っちゃってよ。」と、ロアが言う。

言い出しやがったなこのスピードバカ!!せっかく喜んでたのに水をさすな!。空気読めよ。

「でも、時間が勿体ないのも事実ですし。」「それもそうだな。」

やはりベルは賢いな。何処かの音速バカとは大違いだ。

「知りたい?知りたいわよね!?」「「(コクコク)」」「まあな。」「じゃあ、教えてあげるわ!なんとアタシは「待て」ってなんでよ!遮られた事に対して僕に起こり出すが、それには取り合わず、教える。

「パーティーチャットだ。」「あ、そっか。」「そうですね。」そして全員がパーティーチャットモードに切り替えたのを確認し、再開する。


《さて、どうぞ。》《………なんか、勢いが削がれてしまったんだけど。まあ、いいや。……ゴホン、なんとアタシ隠しイベントを昨日発見したのよ!》《おおーー!!》《パチパチパチパチ!》《それは、凄いな。》

予想はしていたとはいえ、改めて聴くとワクワクする。

《でしょでしょ!さあ、いくわよ!依頼名(クエストネーム)はFairy Tale !!絶対にクリアするわよ!》

《《《オオオッーーー!》》》

細工スキル(ホビースキル):習得率×0.05DEX上昇。

アクセサリーを作ったり、それに追加効果を付けたり出来る。


細工スキルには武器修理のようなことはできない。サリエができるのは、鍛治スキルも持っているからである。

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