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ストレート  作者: 業平アキラ
第二章
9/63

9:ナイスキャッチ

「えー、私も最近時代に取り残されまいと、あー携帯電話を手に入れーーー」

集会も二十分を過ぎ、残すは校長の話だけになった。

うちの学校は舞台に向かって横並びに三年、一年、二年のイマイチよくわからないへんてこな順で整列するようになっている。

二年八組の私たちは舞台から一番遠い。

ただでも退屈な内容なのに、壇上の校長なんて背の高い人たちに阻まれてほぼ見えない位置でちょっと太いつまようじにしか見えない。

だから”えー”と”あー”をいつも数えている。

これってすごい地味だけど楽しい。


校長が喋り始めて十五分。

”えー”が六十九回”あー”が五十二回を超えた時、ゆらっと視界がかすんだ。

昨日眠るのが遅かったからな。なんて目をこすったら元に戻ったから再び前を向くと、急に目の前が真っ暗になった。

「へ!?」

左右両隣のクラスメイトのびっくりした声が聞こえて

あ、これやばいかなと感じた瞬間、私の意識は途切れた。






+++sideカオ+++




花にさっき馬鹿にされたのが悔しくって、じっと我慢する努力をしていたけど校長の話がいつも通り長過ぎで、

カオ、もう限界…って時に

「へ!?」

近くで変な声が聞こえた。

誰か校長の話が長過ぎて、貧血でも起こしたかなーってその声の方向を見たら、伊奈実が真後ろに倒れていくのが見えた。


「伊奈実!」

「伊奈実ん!」


花もカオと同じようにうしろから駆け寄りながら叫んでいたけど、

カオたちじゃ今にも床にぶつかりそうな伊奈実を支えるのに間に合わない。


伊奈実!誰か伊奈実を助けて!


その時、すごい早さで白いものが目の前をシュンって通り過ぎて、スライディングして床にぶつかる前に伊奈実を救い上げた。

『ナイスキャッチ!』

花とカオは全校集会なんて忘れて大声でハモった。

けど”おーい、大丈夫かな〜?”って伊奈実に問いかける、この友達を救ってくれた人を見て

「ぅぇぇぇぇぇえええええ!?」

って思わず叫んだら後ろに来た花に、カオうるせぇって普段公の場で言わない毒舌で頭はたかれた。


だって、だって、だって!!!

おかしいぞ!?変だって!!

さっき見た時この先生、間違いなくここからちょっと遠い入り口近くの壁側に居たんだ!!

この人よりカオたちの方がずっと伊奈実に近かったんだ!

スゴすぎだろ!

ハッ!わかった。

花、これはアレだ!

カオ、ついにこのイケメン先生の正体がわかったぞ!


「珠洲先生って宇宙人だったんだ!!」


ザワっと空気が変わった気がして周りを見ると、なんか皆の視線がカオに向かっている???

おかしいなって花を見たら、頭抱えていて”ほんとバカ”って言われた。

ん?どゆことだ?

「はははっ、残念だけど僕は人間だよ〜。貧血おこしちゃった彼女の為にあとでお見舞い来てあげてね〜」

そう言いながら、まだくったりしてる伊奈実を抱えて体育館を出て行った。


「カオ、あんた珠洲先生に向かって宇宙人とか言うからファンに睨まれてる。

考えなく叫ぶとかお前はお子様か?あぁん?このスーパーバカ。

このあとが大変だよぉ?私たち保健室にお見舞いどころか教室帰れるかとぉ〜っても不安だなぁ」

っていうひそひそ声と一緒に

なに言ってくれたんだよって顔に書いた怖い笑顔を花が向けてきて、背中がゾッとした。

「昼飯おごりで勘弁」

「デザート付きね。伊奈実んのことも私らで守んなきゃ」

「頼りにしてるぜ、その口」

「任せなぁ☆」

この後ささっと集会が終わって、珠洲ファンに囲まれた。

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