18:ここはどこ?
目覚めると、そこはもう全く見覚えの無い風景でした。
「なにこの部屋…あれ、しゃんでりあ?」
天井にキラキラしたシャンデリアがあるし、なんかやたら広い部屋なのに今私が居る天蓋付きのベッドしかない…
思わず見たままを口に出してしまう程、何この部屋?感満載だ。
っていうか、私学校に居たよね?!
ほら、体操着のままだし。
でもここ何処?何?!
私死んだの?天国?地獄?!…ってそんな訳無いか。
落ち着け私。
とりあえず、部屋に一つだけあるあの扉を開ければ何か分かるだろう。
よし、行くぞ。
ゴン!
ドアノブを捻ったら、外開きの扉が何かにぶち当った。
「痛たた〜。伊奈実ちゃん起きたんだね〜調子どうかな〜?」
「珠洲先生?!」
額を押さえながら姿を見せたのは先生だった。
いつもの白衣着てないしスーツじゃなくてラフな服装だ。
声と顔でギリギリ判断できたくらい。
でもそんなことより…
「ここどこですか?」
「ん〜?僕の部屋だよ〜」
「は?」
ありえない。
いま何て言った?
「だから、僕の実家だよ〜」
「なんで?」
「え〜?珠洲の家は僕の生まれたとこだから〜」
ちがう、そんなことが聞きたいんじゃないって首を振った。
「なんで私が先生のお家に居るんですか?」
「九谷さん貧血気味だったのにヘディングして軽い脳しんとうでまた倒れたの覚えてる〜?」
「うぅ…はい」
「それから保健室で休んでもらってたんだけど、放課後になってもぐっすり眠ってて目覚めなかったんだ〜。
学校も閉めなきゃいけないでしょ〜?お友達に荷物とか教室から持って来てもらって帰ろうってなったんだけど〜
僕、伊奈実ちゃんのお家知らないし〜ついでだから連れて来ちゃえ!って、君はいまここに居ます〜」
「帰ります。お世話になりました」
今のマシンガントーク色々ツッコミ所がありすぎて面倒くさいから、とりあえず帰ることにした。
「九谷さん、とりあえず具合見るからこっちに来てくれる〜?」
「大丈夫です。帰ります」
「はい、逃げないの〜こっち向いて〜?」
耳で測る体温計を当てられ、眼の下を見られ、脈を測られた。
「ん〜とりあえず…僕と一緒にご飯食べよ〜?」
「何でそうなるんですか?帰ります」
「今日は伊奈実ちゃん泊まりだよ〜」
「何で勝手に決めるんですか?」
「大丈夫〜伊奈実ちゃんのお母さんに許可貰ってるから〜」
「は?」
「伊奈実ちゃんのお友達に番号教えてもらって電話しといたんだ〜。
ミナミさん伊奈実ちゃんにメールしとくって言ってたよ〜」
「……私の携帯どこですか?」
「そこに伊奈実ちゃんの荷物全部あるよ〜」
鞄の中で点滅する光を見つけて掴んで確認した。
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From:ミナミさん
件名:愛しの娘へ
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伊奈実、貧血で二回も倒れたんだって(;o;)?
一日に二回って…ちょっと笑ったわ!
ご飯手抜きしたでしょ〜(><)
この面倒くさがり屋め!
珠洲先生がおいしいもの食べさせてくれるっていってたから
せっかくだしお世話になっときなさい!
あ、ミナミの”絶対命令”に逆らわないこと。
じゃぁ、娘よまたね〜♪
ミナミ
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「ね?泊まってこうね〜」
とてつもなく帰りたい気持ちで一杯だけど、ミナミさんの絶対命令には逆らえない。
「……お、お世話になります」
「はい。喜んでお世話しま〜す」
頭を下げたら、よしよしって撫でられた。
「じゃ〜ご飯にしよっか〜。伊奈実ちゃん食べたいものある?」
「え。急に言われても思いつかないです…」
「だったらおまかせで良いかな〜?」
おまかせ?先生が作るのか?
「はぁ…」
「決まりね〜。佐藤〜?」
「はい、楓様」
「伊奈実ちゃんとご飯にしたいんだ〜メニューはお任せするね〜。
あと、彼女に服出してあげて〜」
「かしこまりました。では、まずは黄色の間におこしくださいませ」
「わかった〜」
「失礼いたします」
黒いスーツみたいな服を着た人がスッと来て、ササッと出て行った。
先生より明らかに年上の人だったよ?むしろ先生が敬語使わなきゃじゃないのか?
あの人誰?何?
「先生、今の方は…?」
「執事の佐藤だよ〜」
「執事…本物ですか?」
「うん、本物だよ〜」
「………」
部屋バカみたいに広いとか色々思うところあったけど
執事って!執事って!!執事って!!!
落ち着け私。
現実に居るんだ。
テレビで役者がやってるのしか見たことなかったからあれはシャレだと思ってた。
本物始めて見た。
っていうか
珠洲先生の家どんだけ凄いんだよ!!
口に出ない代わりに心の中で突っ込みをした。




