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ストレート  作者: 業平アキラ
第二章
17/63

17:二度目で反省

「あと何分だ?」

「三分弱かな」

「なんとか間に合ったねぇ」

昇降口で靴を履き替えながらグラウンドの時計を眺めた。

これから体育の授業で、あれから慌てて更衣室で着替えてここに居る。

「うぅー、体に日焼け止め塗れなかったぁ。紫外線嫌ぁ…」

「顔面は塗ってんだから大丈夫だっての。花は気にし過ぎじゃん?」

「女子力低いカオに言われても何も響かないしぃ」

「む。伊奈実!花に言ってやってくれ」

「え?まぁ…足下ニーハイで隠れてるし、上は長袖だし脱がなければ大丈夫じゃない?」

「そっかぁ☆」

「女子力って何だよ?わけわかんねー!」

カオが叫びながらグラウンドへ走り出して行った。

「カオ…」

「いじり甲斐があるよねぇー」

花、また黒いキラキラが見えるよ…。




 *




「はい、じゃぁー始めて!」

 ピーーーッ!

先生の試合開始の号令と笛の音で白黒のボールが地面を駆け回り出す。

授業は内容別に選択制で、今回私たちはサッカーを選んだ。

私もそれに合わせて動き出したとたん、サッカー担当の千葉先生に呼び止められた。

「九谷さん、あなた朝倒れてたけど見学じゃなくて大丈夫?」

「はい、大丈夫です」

「朝ビックリしたんだから!しかも九谷さん運んだの珠洲先生だったでしょ?

あなた綺麗だし珠洲先生もイケメンでしょ?すっごい絵になる感じだったわよ!私的に!!」

「はぁ…」

今の話、普通の人が聞いていれば単なる会話なんだけど、

千葉先生は少女マンガが大好きで、なんでも好きなキャラクターに私が似ているらしい。

要するに私を通してキャラクターを見てるってことで。

そう言えば、珠洲先生も何かに似てるって前に言ってたな。

だからこういったキャラクターの妄想ネタで先生にはよく呼び止められる。

「あーそんなそっけないトコもコモルちゃんそっくりー!!!」

「千葉先生…アクセル全開ですね。試合、戻ってもいいですか?」

「うん!良いもの見せてもらったから全開よ!

くれぐれも無茶しないように!」

「はい。失礼します」




「お、伊奈実待ってたぜ!パス!」

戻って早々、カオからのパスが飛んで来た。

このまま二人でゴール狙えそう、カオを見たらうなずいたからそう思ってるみたい。

これは行くしか無いでしょ。

走っていると敵チーム二人に囲まれた。

「カオ!」

なんとかカオにパスしてボールは守ったけど弁慶を蹴られた。

けど痛がってる暇なんて無くてまた前へ、そしてゴール前へ足を進めた。

カオがなんとかゴールを狙ったけど、ボールはバーに阻まれて中に浮いた。


今だ!


ピピーーーーッ!!

「はい、ゴール!」

千葉先生の声が響いた。


「ははっ!伊奈実、ヘディングとかやるじゃん!」

「この前テレビで見てさ、やってみたくて」

「伊奈実んやるぅー!」

「花、ありが…」

「伊奈実!」

「伊奈実ん!」

「九谷さん?!」


しまった。ヘディングは無茶のうちに入るんだ。

今日二度目の消える視界の中で反省した。

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