みんなのストーリー
夕暮れになると自分のねぐらへと森のうさぎ達は帰っていきます。
しかし変わっているうさぎはねぐらへ帰る前に袋包みを首に付け、森を駆け抜け初めました。
森をしばらく行くと夕焼け空から染みわたる光が森に差し込みはじめます。
その光にすい寄せられるようにうさぎは一気に森を抜けました。
森を抜けるとそこはとても広い小高い丘でした。
その丘は、広い草原で緑の草が揺れています
あるのはその草原を今まで見つめてきたかのような丘の先にたたずむ一本の大きな林檎の木とその横に小さく肩を寄せているような形に曲がってしまっている李の木だけ
やがてうさぎは草原を抜け、木に登り始めました。
その木には一羽の鳥が止まっていました。
その鳥に会いに行くのがうさぎの毎日の日課でした。
「やぁ、調子はどうだい?」と、うさぎさん
「いつも来てくださってありがとう」と一羽の鳥が返事を返す
その鳥はとてもきれいな鳥でした。
しかしこの鳥は飛ぶことができなかったのです。
うさぎと会う前の出来事、いつものように餌を探して空を飛んでいると、急にぴっとなにか鳥の羽をかすめたのです。
鳥は密猟者に撃たれてしまったのです。
その瞬間、視界はみるみるかわり、鳥は地面にたたきつけられてしまいました。
向こうから猟犬の吠える声
(あぁ・・・私は食べられてしまうのね・・・・)
猟犬につかまると思った瞬間、猟犬は鳥に言いました
「はやくにげるんだ、私にはお前が逃げるだけの時間稼ぎしかできないからな」と言いました。
びっくりした鳥はいいました。「なぜ私を殺さないの?」
ふと笑んで猟犬は答えました。「俺様はご主人が嫌いなのさ、だから日ごろの鬱憤を晴らしたいだけさ」といいそのあとに付け加えました。
「私の友を呼んでお前を助けに来させよう、それでは健闘を祈る」
そう言って猟犬は消えて行ってしまいました。
あっけにとられていた鳥は後ろから掴まれびっくりしていると、高く宙を跳んでいることに気がつきました。
振り向くとそこには一羽のうさぎが・・・・
猟犬の友とはその変わったうさぎでした。
それが飛びたいうさぎと飛べない美しい鳥との出会いでした。
うさぎはそれからというもの、毎日その鳥の元まで通いました。
うさぎは恋焦がれていたのです、その鳥のことを。
そしてうさぎの夢は空を飛ぶことから彼女と一緒に翼を広げ同じ世界を見て回ることになっていきました。
どんなに頑張ってもうさぎは鳥にはなれない。
ならばずっと君と同じ高さから君と同じ目線で空を見よう。
君が他の木に住みたいのなら連れて行ってあげる。
どんなに高い山でも、どんなに高い木でも
猛獣が襲ってくるならばこのいのちに変えても君を守ろう
僕は君のその左翼の代わりになろう
空を飛ぶことはできないけれど、僕の限界の高さは分かっているけれど、
跳ぶことはできるんだ。
一緒に行こう
どこまでもずっと一緒に。