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はじまりは、T-28

ゴールデンウィーク。特に何も予定がないので気になったゲームを適当に買ってみた。その一つが「多砲塔神教」だ。買った理由は単純。あなたのおすすめに出てきた……それだけ。ネットで調べたらところ攻略wikiがあり私の別ゲームにおける愛車、P40やセモヴェンテ(共にイタリアの車両)はいないのかとがっかりしつつもタイトルが気になり買ってしまった。今回はこのゲームをやった感想を適当に綴ってみる。またこれ以降はプレイ後まで一切の攻略情報は調べていない。


まずSteamでゲームを購入してライブラリを確認する。ロゴは旧ソ連の誇る多砲塔戦車T-35。世の中戦車は数あれどこれをロゴにするゲームはそうないだろう。起動するとUnityのロゴと制作グループと思われる簡体字が出てきた。開発は中国のようだ。


そして画面は暗転しゲームは開始。ブルグミュラーのアラベスクを彷彿させる曲と共にゲームのアイコンにもなっているキャラクターがチュートリアルを進めるようだ。名前は政委さん……政治委員の略だろう……赤い。ストーリー?としては戦車サークルとして模擬戦車戦を戦い抜くものらしい。なお主人公(プレイヤー)は同志車長である。M18 ヘルキャット(車長の頭丸出し)には乗りたくない名前だ。カッターマットの敷かれた机の上には鉛筆やノートがバリケードのように散乱しておりあれこれ指示が書かれている。そこにソ連の戦車T-28がおもちゃのように鎮座している。もちろん多砲塔だ。てっきりT-35が来るのかと思っていたがそこは史実でもまだ使える方だったものが選ばれたらしい。どうやら文字通り机上演習のようだ。

挿絵(By みてみん)


移動はPCゲームではあるあるのWASDキー。プレイ後にネットで調べてみるとゲームパッドにも対応はしていたようだが私は基本使わない派なのでよく分からない。視点はプレイヤーたる戦車を空から眺めるTPS。マウスで照準、クリックで主砲射撃、スペースは副砲の強制射撃となっている。強制と書いたのはこのゲームの副砲は勝手に敵目掛けて発砲するからだ。便利な仕様だが状況によっては裏目にでることもある。それについては後ほど。


少し進むと赤い☆が見える。スタート地点にはこの模様が入るらしい。赤い。更に進むとシフトキーでエンジンブーストが出来ると書かれている。レースゲームか?そう思い押してみるとみるみる加速する。履帯なのに……中の乗員が大丈夫なのか気になるほどに。そして加速中はゲージが減っていき0になると普通の速度に戻る。なるほど。ちゃんと考えて使えば強そうだ。だが今回は何も考えずに使ったのが問題だった。ブーストが止まったのは戦車……III号戦車とII号戦車の目前だったのだ。もちろん敵だ。こちらを視認すると敵とT-28の副砲は攻撃を始めた。私は驚いて動きが止まってしまう。製作者の洗礼(わな)だ。


車体前面にある副砲は健気にも射撃を続けるが武装はDP28軽機関銃。7mmクラスの弾が戦車に通じるはずはなかった。だがそのまま直進してIII号戦車の側面をとり主砲の一撃を入れる。主砲の76-мм танковая пушка образца 1927/32 годов……M1927 76mm歩兵砲を戦車用にしたものは短砲身ゆえに貫徹力は低いが威力は野砲譲りで絶大だった。もっともこのゲームの装甲と貫徹力の関係性は未だに知らないが実際にIII号は移動以外の全能力を喪失、続いてII号は一撃で撃破した。敵戦車を撃破するとパイナップルが入手できる。このゲーム内の通貨だ。なぜ果物なのかは分からない。


敵戦車を倒して進むと木箱に入った戦車の砲塔がフワフワ浮いている。絵面が首桶に入った生首のダンスだがこれを拾うことが出来る……というか拾って砲塔を()()()()()と書かれている。どういうことだ?言われた通りBボタンで砲塔倉庫、マウスホイールで切り替えとあるが……変わらない。どうも近くに敵がいると駄目なようだ。そこで動くだけのIII号にとどめを刺し、ホイールで変えた。本当に変わった。緑一色のソ連戦車に灰色のドイツ戦車の砲塔をポン着けした雑コラ状態だ。当然武装も変わりII号戦車の砲塔だったので機関砲に変わった。敵戦車を鹵獲というのは史実でもあるが砲塔だけ引っこ抜いてくっつけるのはないだろう(そもそもリングのサイズが合わない、武装だけならあったはず)がそんな常識?はこのゲームでは通用しない。そして機関砲は一発づつ装填が入る戦車砲と違い弾倉が空になるまで連射してやや長めの装填という仕様のようだ。ではもう一つの落ちてたIII号の砲塔を拾って砲塔倉庫に飛んでみる。こちらではゲーム内の時間は止まり数値を確認しながらじっくり変えることが出来るようだ。機関砲では心もとないのでIII号J型の砲塔に変えた。そうなるとT-28とII号の砲塔が余る。ここである考えが思いついた。このゲームは明らかにバカゲーだ。なら機銃しかない()()と余った()()を変えることができるのでは?と。


結果出来た。III号の主砲を持ちT-28とII号の主砲を副砲とするキメラT-28が。ただ予想と違い砲塔は換装先の砲塔サイズに大きさが変わるようで副砲の二つは小さくなった。また塗装は変わらないため凄く浮いている。あとゲーム内の威力が据え置きなのか不変なのかは分からなかった。

挿絵(By みてみん)


さあ机上演習(チュートリアル)も最後。このキメラT-28で進んだ先の敵を倒すのみ。相手はIII号とIV号x2の合計3両。III号は主砲を側面から二発当てて撃破。先ほどと違い不意打ちではないので余裕だ。そしてIV号は側面をとり一発、瀕死となったのでとどめを撃とうと思った矢先、副砲のT-28砲塔が勝手に発砲し撃破した。どうも威力は据え置きのようだ。ゲームバランスという概念も解き放っている。まあこのゲームタイトルは多砲塔神教。多砲塔は神なのだ。なら史実同様使い物にならないのはダメ。数は正義を行くためにこの仕様なのだろう……あれ?単砲塔の軽戦車は大丈夫?まあ先のことを気にしてもしょうがない。残った二台目のIV号も撃破して机上演習は終わった。

ゲームプレイをエッセイ形式で書くという初めての試みでした。気に入っていただけたら評価やブックマークをしていただけると幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 多砲塔神教面白そうですね。 [一言] 陸上戦艦という呼称→陸上艦というのは海軍が戦車を提案したWW1のみの物なので、陸上戦艦として作られた多砲塔戦車はありません。 そもそも多砲塔戦車という…
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