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クズ野郎を成敗でち!

俺が必死に回し車を走っている夜に八代ミツキは鈴木の家から帰る事もなく朝を迎えた。


ハムスターの耳が良いせいで鈴木と八代の盛大な夜の運動会を聞きくはめになっても、悲しい事に俺は気持ちを落ち着ける手段として何度も毛づくろいをし、ケージを噛んでは朝を迎えた。


確か、今日は大事な会議があるはずだ。あるはずだって......俺はハムスターじゃないか!


水ボトルのノズルを4本の小さな両手でしっかり押さえて、水をガシガシ飲みながら2人の様子をうかがう俺。家政婦か。


それにしてもガサツな鈴木がケージにとりつけた水ボトルは高すぎて、俺は短い足をぷるぷるいわせながら苦労して水を毎回飲む。


「サムちゃん、かわいいでちね~」

そのたびに、鈴木に猫なで声で褒められるので、ハムスターは水を飲むだけで称賛されるのかと悪い気持ちにはならない。


.......しまった。転生したハムスターライフをエンジョイし始めてるじゃないか俺は!


「私達、付き合って...るんでいいんだよね」

2人でバタバタと出社の支度を始めている途中で、鈴木が八代に恐る恐る聞いている。


おい、鈴木ルカ、俺の前でのジャージの強気女子はどこにいった。元上司として情けないぞ!


俺はぷりぷり怒りながら、床材を掘り進める。なるほど、ストレス発散になる。違うだろ。


「は?一晩で付き合うって、俺達、大人同士の関係だろ?だいたい俺、彼女いるし。佐々木が死んで課長になった俺との結婚が目的だったり?」

昨日とはうってかわり、営業中のいつもの八代だった。


化粧をしだした鈴木の手が止まり、スーツを着た八代をフリーズして見ている、と思う。


なにせ、ハムスターは近眼なのだ。ぼんやりとしか外は見えない。赤色が見えにくいのか、鈴木の顔なんて下半分は、真っ白だ。


「えっ、だって昨日レストランで、結婚するならこんな小さい場所もいいねって.....」

少し震えた鈴木の声が聞こえる。八代が振り向き見下ろしていた。


仕事中も仕事が出来ない人間によく凍えるような視線を向けるのがクズ八代だ。鈴木は知らないのか。


「は?理想も語っちゃいけないわけ?鈴木ととは言ってないだろ」

何度、「歯」を言うつもりだ。相変わらず語彙力のない奴だ。


突然、鈴木が静かに泣き出した。いや、すでに泣いていたのか.....。


「勘弁してくれよ、重い女をが嫌いなんだよ!会社で関係を話さなければ、また来てやるよ。は?このネズミ、何で俺を見てるんだ?」

営業も女性関係のクズっぷりは知っていたが、ここまでクズだとは。


そして俺は横向きで両手足でふんばり、ケージを何でガジガジかんでるんだ。


八代が突然、人差し指をゲージに突っ込んできたので反射的に俺は思いきりかんでいた。


「いってぇ!なにすんだよ!このネズミがよ!」

口の中に八代の血の鉄の味が広がると同時に、ケージごと床にひっくり返された俺の意識はそこで途切れた。


最後に「サム!」と鈴木が叫ぶ声が聞こえたような気がした。



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