Imaginal World(仮)(イマセカ)
設定
主人公:男、山田惇生(由来:たくましく生きてほしい)
ゲーム名:アーツ(名前)黒髪、友達少ない
趣味:漫画、アニメ、ゲーム
大学3回生、就活の時期、平凡でどこにでもいる大学生
妄想が好き・得意(想像力が活きる世界)
1.序章
えー、本日の講義はここまでとします。来週火曜日の4限に、中ホールで就活セミナーがあるので皆さん参加するようにしてください。ではまた次回の講義で――。
大学三回の1月、あと少しで春休みだ。まあ休みといってもそろそろ就活をしなければならない。成績も平凡、特にこれといった才能もないどこにでもいる普通の大学生だ。もう既に内定が決まっている早期先行組もいるがそろそろ始めないといけない。特に将来の夢もなく、これといった仕事がしたいというのもない。両親からつけてもらったこの山田惇生という名はたくましく生きてほしいといった意味があるというのをいつしか聞いたことがあったが。――と、ここまでにしよう。僕は大学から帰宅した後、自室で就活のことを考えながら今までの自分を振り返っていたのだ。何になりたいだとか、好きなことを仕事にするだとか、考えてもなんかピンとこない。好きなことは漫画、ゲーム、アニメくらいだがこれに関連した仕事といっても、こういうのは作る側じゃなくてやる側が良いんだよな。まあ取り敢えずこの前のオンデマンドのセミナーでもみるかな。コンコンコンッ。
「惇生―、卵買い忘れたからコンビニで買ってきてくれない?」
母親からのお使いの頼み事だ。まあ気分転換にでも買いに行くか。
そうして食事を済ませ風呂に入った後、自室のベッドに寝転がる。両親がいて、自室があって、食事もあってと普通と思っている生活でもそれが普通の生活ではない人たちだっているんだよな。そんなことを考えながら今日はいつもより早めに眠りにつく。
何をしたいんだろうな。世の中のために、社会のためにこういったことをしていくだとか。目を閉じながらもまだそんなことを考えながら明日も頑張ろうと。
ようやく眠気が来たときだった。
「-けて。」
小さな声が聞こえたような気がした。ぼんやりと目を開けても見知らぬ天井でもないし、と確認しながらも眠気が来、眠りにつく。
「-けて」
夢の中だろうか。聞いたことのあるセリフだなと思いながら、さっき眠りについたはずなのにやけにまぶしい。夢は見なかったがまあもう朝っぽいし起きるか。
「おー、、知らない天井だ」
全く意味が分からない。知らない天井というか、青い空が広がっていた。うん、夢か。ともう一度目を閉じる。サァーと風に揺られる草の音色を聴きながら、あーなんて最高の夢なんだ!こんな自然の中で温かい太陽の下で寝ている夢なんて。現実の世界と比べながら、あーこのままこんな夢の中で就活とかそんなことを考えることのなく、一生ここで眠っていたい!少し草の青っぽい匂いもして―。
「ん。」
匂い。ん。匂いがする夢?まあ、いっかーなんてことを思いながらもこの最高の夢の中で寝ようと少し眠ったあとだった。
「―すけて」
また聞き覚えのあるセリフが少し鮮明に聞こえた。
まあいい気分で眠れたしそろそろ起きるか。そんなことを考えながら目を開けた。
目が覚めもう起床したはずなのに先ほどの夢の中の景色だった。
訳が分からないし、まだ夢の中っぽいけど。
「少し喉が渇いたな」
そう思った瞬間、手が輝きだし水が出てきたのだった。
「うわっっ」
「どういうことだー!」
頭の中が混乱した。手から溢れ出てきた水は冷たいし、服もびしょ濡れだ。そこでまた疑問に感じた。さっき匂いもしたし、今は冷たいと感じた。本当に夢なのか?でもそんなラノベみたいな漫画みたいな異世界転生みたいな話があるわけもないし。と混乱した頭の中を整理しながらも立ち上がろうとしたとき、手元に手紙のようなものが落ちていた。なんとなくその手紙を拾い中身を覗いてみた。
「――――
―――――」
うん、全く何が書いてあるかさっぱり分からなかった。何が分からなかったというのは僕が馬鹿でなんの変哲もないただの大学生だから分からなかった、とかそういったことではない。どういうことかというと、そこに書かれていたものが見たこともない文字で書かれていたからである。携帯さえあればなにか翻訳できたかもしれないだろうにと思いながら、取り敢えず仕舞おうとしたとき辺りが急に白くなった。暫くして、目を開け先ほどの光の衝撃で落とした手紙を拾うと何故か手紙の内容が分かるようになっていたのだ。
「さっきは読めなかったんだけど、どういうことだ」
そんなことを思いながらも取り敢えずその読めるようになった手紙を読んだ。
「惇生殿へ
まず初めに謝らせてほしい、大変申し訳ない。
わたしはこの世界の創造主のゼウスンというものだ。
すこし前にワシは「召喚」という魔術を創り出したのだ。
久々に新しい魔術が創り出せたので張り切ってその魔術を試してみたら
暴走してしまったのだ。
その結果、ほかの世界の人間をこの世界に召喚してしまったのだ。
お主を元の世界に戻す方法を模索しておる途中なのだがどうも上手くいかん。
だがどういう訳かお主の世界とワシの世界で動いてる時間が別のようなのだ。
分かりやすく説明すると、お主の世界の1時間がこちらの世界の半年という訳だ。
お主がこちらの世界に来たのがお主の世界の1時で、大体7時くらいに起床していたようだから、3年の間こちらの世界で過ごしてもらうことになる。
3年の間でどうにか戻す方法は創ってみる。
詫びとして加護を付与しておく。
ステータスと想像すれば目の前にステータス画面が開くから、そこからいろいろ確認してほしい。
いやー、本当に申し訳ない。またステータス画面からワシと連絡できるから分からないことがあれば何か連絡してくれ。健闘を祈る。
創造好きなゼウスンより
PS.ほんとごめんね
」
取り敢えず異世界に召喚されて、詫びに加護を付与しておくから3年くらいこの世界で過ごしてねってことか。
ていうかこの創造主様、初めはものすごく丁寧だったのに最後らへん、なんかめちゃくちゃだったな。
「…」
「まあ、いっか!」
まあ戻れるか戻れないかは分からないけど漫画みたいな展開が起きてしまったらしいが、元の世界の6時間分で3年もこんな楽しそうな世界で過ごせるならラッキーだから、取り敢えず新しい世界で生きていこうか。
「えーっと、手紙にはステータスと想像すれば目の前にステータス画面が開くといっていたが」
想像?取り敢えずそうしてみるか。
ステータスっと。
次の瞬間、目の前にどこかで見たことのあるような画面が目の前に広がったのだ。
「うわっ」
「と、えーっとステータスは、名前はアーツって僕の大体のゲームの名前じゃん」
「えーほかにはレベルが1、体力が1000、魔力が100、特性が想像?」
これが創造主様が言っていた加護っていうやつか。
「加護の内容は、想像するだけで魔術を行使できる。よって全属性が使用可能か」
チート級の加護ではあるけれど、体力も魔力も9999みたいなチート能力はなさそうだな。まあそんなのがないほうがなんか反則すぎて楽しくなくなるよりいいか。
「ほかには、属性には火属性、水属性、地属性、風属性、光属性、闇属性に無属性か」
属性の他にも色々確認して大体のことが理解できた。
「取り敢えず初めに喉が渇いたときに水が手から出てきたな。だからもう一度想像してみるか。喉が渇いて水を想像したから、水を想像すればいいのか」
すると手から水が出てきた。
「おっと、なるほどねそういうことか。ということは今のが魔術ということだから、ステータスを出してと。魔力が98になっているな」
魔力を消費して魔術が使えるようになるということか。大体のことはわかってきたから取り敢えずは寝床の確保だな。
「よし、まずはこの森みたいなところを抜けて街を探そう」
そうして惇生もとい、アーツは新たな世界を歩み始めるのだった。
2.出会い
森から歩き始めて数分程度歩いたとき、前方から男の声がした。
「あのガキをどこにやった!」
「すいやせん兄貴、少しばかり目を離した隙に逃げられちまって」
「早くあのガキを探し出せ、そう遠くは行ってないだろ!」
三人の人間らしき男たちの会話が聞こえてきたのだった。
「あいつはここらじゃ見たことも種族だったからぜってー高値で売れるますぜ兄貴」
「そんなことはいいからさっさと探しやがれ!」
「すいやせん!!」
あの3人の会話を見る限り何か良からぬことをしているらしいが、今関わったらすぐにでもぼこぼこにされそうだからここは一旦別の道を行ってみるか。そう思い、歩き始めようとした瞬間だった。
「たすけて」
この世界に来る前だったかに聞いたことがあるような声が頭の中に呼びかける。その声は今までよりも鮮明に聞こえた。そんなことを思っていた次の瞬間、後ろの草むらからササッと音がした。そこから今まで聞き覚えのあった声が聞こえた。
「たすけて」
前方の男たちにバレない様に静かに動きそこの草むらに手を伸ばした。するとそこには白い髪に蒼く透き通った右目をした小さな女の子がいた。
「だいじょうぶか?」
小さな声で話しかけるが女の子は弱り果てているのか返事がなかった。呼吸はまだあるようなので大事ではなさそうだ。男たちの様子を伺おうと振り向こうとした瞬間、うしろにあった枝を踏んでしまった。
「誰だっ!」
男たちがこちらに向かってくる。この女の子はたぶんこいつらに捕まっていたんだろう。しかし、あと数秒で男たちが僕の方に来てしまう。魔術でどうにかこの子を隠すことはできないだろうかと思った瞬間女の子は消え、ステータスが開き「隠蔽」という魔術を使用しましたと出た。魔力は60使用されていた。今は100しかないから自分は隠れられないのかなどと考えているうちに男たちが来てしまった。
「おい、そこのお前!あんたこの辺で白髪のガキは見なかったか」
少し緊張を隠せないままこう答えた。
「い、いえ見ていません!」
「ちっ、そうか。それにしても兄ちゃんここらじゃ見ない顔だな、どこの国のもんだ?」
「わ、わたしは旅人でして異国のものであります!」
「そうか。まあ、兄ちゃん見慣れない顔に弱そうだから今回だけは見逃してやるからとっとと消えな」
演技はそこそこにできた感じだったのか男たちにはバレそうではなかった。
「おいお前ら、さっさとあのガキを探し出せ!見つからなかったらわかってんだろうな!」
「すいやせん兄貴!すぐに探し出します!!」
そうして男たちは森の奥に去っていった。
もし読んでくださった方がいたなら、誠にありがとうございます。
わたし自身もアニメ、漫画、ラノベ、ゲーム等が好きでして、今まで読んできた転移・転生系でなにか自分でもいいものをつくってみたいなと思い「Imaginal World(仮)」というものを書いてみました。
小説を書くのは初めてで、書き方や構想など全然できていないと思いますが、時間があればまた、続きを書いていこうと思います。読んでくださり本当にありがとうございます。
PS.わたしも大学生の頃、就職活動やらでいろいろと悩んでた時期がありまして、主人公にもそういった情景を設定しました。あとジャンル設定に関しましては、異世界(恋愛)となっておりますが、あてはまるものがなかったので取り敢えずこれにしました。それと、略称として「イマセカ」と名付けてみました。