レイモンド・チャンドラー/清水俊二訳「長いお別れ」
この小説も祖母の家から持ってきた本の一つです。有名な小説なのでそのうち読もうと思っていて、今回やっと挑戦してみることにしました。
皮肉屋の私立探偵フィリップ・マーロウが、バーで酔っぱらっている男を自宅に連れ帰って介抱する場面から物語は始まります。その男とはそれがきっかけで良好な関係を築いていきますが、ある日玄関の前に拳銃を手にした彼が訪ねてきて、国境の町まで連れていってくれと頼んでくるところから、物語が大きく動いていきます。
自分は推理小説をほとんど読んだことがないので、ハードボイルドとその他の推理小説の違いというのはよく分からないのですが、謎を追いかけていくというよりも、成り行きで事件に巻き込まれていく物語のように感じました。もちろんそれぞれのエピソードには意味があり、物語全体はラストに向かって構成されているのですが、一人称の小説だからか主人公の生活風景にも焦点があてられることも多くて、ただ事件に一直線に向かっていく推理小説ではないような気がしました。登場人物たちに皮肉な会話を仕掛けていく主人公の言動なども、見どころの一つのように感じます。
五百ページ近くある長い小説で、十ページごとに区切られてはいるのですが、さすがに読み終わった後はどっと疲れが出てきました。長編小説を読むのは体力を使います。
あんまり感想という感想も書けず、もやもやしますが、とりあえず継続していこうと思います。