ヘミングウェイ/大久保康雄訳「ヘミングウェイ短編集(二)」
ヘミングウェイは「老人と海」に挑戦したことがあるのですが、途中で挫折してしまって、まだちゃんと読んだことのある作品がありませんでした。今回祖母の家から持ってきた本を消化する作業をしていて、その中にこの「ヘミングウェイ短編集(二)」があったので読んでみることにしました。
外国の本を読んでいて思うことなのですが、自分は翻訳された文章というのは無機質な感じがして苦手です。「老人と海」を挫折したのも同じ理由で、読んでいて何となく文章のリズムに単調なものを感じて飽きてしまった記憶があります。外国の小説をあまり読みなれていないせいもあると思いますが、やはり日本の小説を読んでいると文章に血が通っているような安心感を覚えます。
ヘミングウェイの文章というのは独特なものらしく、解説にもその点は触れられていたのですが、自分自身外国の小説を読んだ経験が少ないので、その辺のことは比べるのが難しく感じました。ネットで調べてみると、ヘミングウェイの文体は客観的で簡潔な文章で、ハードボイルドに入るらしいのですが、確かに緊迫しているシーンでは主観的な視点が少ない分スピード感が出ているような気がしました。この辺は小説を書く上でも勉強になるなと、読みながら感じました。
最後に載っていた「フランシス・マコーマーの短い幸福な生涯」はけっこう勢いよく読むことができたのですが、全体的に読んでいてテーマが分かりにくい作品が多いような気がしました。ただ今回は途中で挫折せずに最後まで読めたので、とりあえずよかったです。
「ヘミングウェイ短編集(一)」のほうも機会があったら挑戦してみたいです。