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第3話 神界の案内やってみた①

第3話 神界の案内やってみた①


おままごとを終えたユーギ王子は天父神にお願いをした。

しっかりと神を称えるかのように両手を合わせ、手を顔の前に持ってきて祈った。

『どうか、僕に神界の案内役をやらせてください』と


「何の願いをしているのだ?」

「ん?何もしてなかったよ?」


天父神の頭からはてなが沢山浮かび上がってきた。

『えええ??なんでそこまで言い張るんだよ。さっき明らかに両手合わせてやってたよね!?!?』


「ゴホン、もう一度聞くぞ。何を──」

「何もやってない。まさか両手合わせてなんかやってた訳でも無い」


『やっぱやってんじゃねーかぁぁ!!!』

天父神の心の中は自分の声でいっぱいになっていた。

そんな天父神の顔を見て王子ははぁ、とため息を尽き、言った。


「わかった。教える。その代わりそれには何がなんでも答えてもらうよ?」

「わかった。内容によるができるだけ答えてやろう」


ふぅぅと息を吸い王子は言った。


「神界の案内役をやらせて欲しい」


天父神は目を大きく見開き驚いた顔をした。

『神界のことを何も知らない君が案内役だと……まさかまさか夢でも見ているんだろう』


「夢なんか見てない」

「ファッ??なぜ分かったのだ」

「額に書いてある」


そう言われた瞬間、鏡のある所に額を出し、見た。

『なん……で……書いて……あるのだ……』

天父神は額をゴシゴシとして消そうとしている。


「そんなことしても消えないよ。バカみたいクスクス」

「お主今笑ったのぉ!?」


王子は急に真顔に戻り何も言ってないよ?という顔をしている。


「神の父親が人に笑われるなど……」


天父神は膝から落ちて、倒れた。よほど人から言われたのがショックだったのだろう。

王子は天父神に近づき人差し指で頬をツンツンとつついている。まるで屍のようだ。


「倒れちゃった。よし案内役をするか」


と言うと天父神を放っておき、扉を開け、広がった場所へ進んだ。

ここは神界の入り口。空中都市に似ており、空中に浮かんでおり、次々と人が出入りしている。そしてとてもでかい。


「ここが入り口だ。よし案内するぞ」


王子は心の中でガッツポーズをした。王子は階段を登り進めていく。

王子は近くの神の所へ行こうとすると目の前に先程まで倒れていた天父神が現れた。息を切らしている。急いで王子を追いかけて来たのだろう。


「お主のやりたいことはわかった。だが1つだけ条件がある。儂も一緒に行動するからな」

「それでもいいよ」

「それなら交渉成立だな」


天父神は王子を人間だと思われないように神の使徒みたいな格好をさせた。黒目のコート?を着せ、外見では人ではないよーという格好をさせた。


「これなら少しは使徒らしくなったのではないか!」

「…………気に入らない」

「そんなこと言うなよ。おじさん悲しいだろう」


王子は天父神の袖を引っ張りこう言った。


「早く案内させて」

「わかったわかった」


そして王子による案内が始まった。

まずは老いた老人の案内から始まった。


「では点呼を始める。囚人番号36番、前へ」

「それ違ぁぁぁう」


王子は首を傾げはてなを浮かべる。

『なにか間違っていたのだろうか』


「なにか違った?」

「君の国では国民に対して番号でよぶのか!?!?」

「だって叔父さんがね、僕をある所へ連れていってくれたんだ。そこではね、人を『囚人番号〇〇』って呼んでいたんだよ?」


天父神はこう内心で思った。

『あれ?叔父さん。なんて場所に甥っ子を連れて行ってんだよ。そこ牢屋だよね!?危険な目に合わせたくないと思ってないのかな!?!?』

天父神は内心ではとても元気だ。


「あのな君。それは捕まった人達をそう言っておるのだよ。このおじさんは捕まってないよね」


王子はうんうんと首を振った。


「僕は間違ってないよ。だってこの人前に鉄の棒の向こう側にいた人だよ?」


天父神は内心こう思った。

『あれぇぇ!?この人捕まっていた人なのぉぉ!!??なんでそんなの覚えてるの!?まさかこのおじさんは……』


入り口の担当をしている神の耳もとでこう言った。


「このおじさんってどうして死んだんだ?」

「この人は10年前に城へ潜入し、お金を盗んで捕まった天下の大泥棒です。つい先日『こんな人生ではなかったはずなのじゃが』と言い、鉄格子と鉄格子の間に顔を通し、抜けなくなり、そのままショック死した方です」

「おおぉ……そうか……」


『あれぇえええ!!この人結構やばい人じゃん!!しかも鉄格子と鉄格子に顔を突っ込んで死ぬってどんだけ馬鹿なのだぁぁぁあ!!』


頭を抱え、膝を着き叫んでいる。天父神の内心はとてつもなくうるさそうだ。天父神は足元が不安定になり、フラフラとしている。叫び疲れたのだろう。


「もう……好きに案内……してやれ……」


天父神はバタ、と倒れた。頭に血が上りすぎたのだろう。


「ぼくが案内を担当をさせて頂くユーギ・アソーブ・サラワレールです。ではこちらへ」


王子は神界パンフレットを広げ、道を確認する。

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