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ひびわれ

作者: 桜木 彩音


 また、だ。

 隠されたメビウスの10ミリ、わたしが気づかないと思ったのかな。

 わたしが最後来た時はそのままだったクッションの場所も動いていた。

 彼がここに座らないことも知ってる。

 いつも無意識に饒舌に動く口が、閉じられていることに自分で気づく。

 何を話せばいいか考えるほど。

 頭の中に出てくるのは、ねぇこの女の子はさ、と彼の秘密を暴こうとするような言葉ばかりだった。

 

 いつの間に自分の感情に蓋をすることに慣れたのだろう。

 そんなに彼が大事だと思っている自分が嫌になってくる。

 ガラスなんかよりもっと薄くて繊細で落とさなくても割れるような関係だ。

 彼の誤算は、わたしが彼以外の男には会わないほど彼に執着しているということ。

 

 わたしの愛をあまりにも軽く考えていること。


 嫌いになりたい。


 いつものようにベッドで真顔でテレビを見る彼を横目で眺める。

 何も変わらない。

 わたしの異変になんてこれっぽっちも気づいてない。

 


 知らないでいい、気づかないでいい、先週されたキスの意味なんて大したことなかったんだ。


 

 もうおしまいにしよう

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