VSヒュージスライム・アークァードール
TSロリっていいよね
TSロリっていいよね
TSロリっていいよね
どうもです。
なんと、この小説にレビューが書かれました。昨日のアレ、本当に冗談だったのに……。
でもまぁ、滅茶苦茶嬉しいですね。書いてくださった方、本当にありがとうございます。
それでは本編の方、どうぞ。
間に合って……ねぇなぁ! くそっ、遅かったか……。
悲鳴が聞こえた場所に駆け付けた時には、すでに戦闘が開始されていた。
ローザネーラは不意打ちを喰らったのか、無数の触手に捕らえられ、空中に吊り上げられている。
……絵面が完全に犯罪なんだが? あのヒュージスライム・アークァードール……ええい、長ったらしいからスライム入道でいいか。アイツのAI作った奴、絶対に変態だろ。
・ふぉおおおおお!! 触手プレイ! 触手プレイ!!
・あーだめだめ、エッチすぎます
・ふーん、エッチじゃん
・ズボン脱いだお
・ロリ×触手……ふふっ
・薄い本が厚くなるな……
このコメント共みてぇになぁ! ちょっとくらい心配してやれよ! ローザネーラが可哀そうだろ!
そうしている間にも、スライム入道は止まらない。拘束したローザネーラへと無数の触手の先端を向けていた。
くそっ、まだ距離があるし、位置も高い。攻撃が届かな……いや、《大鎌》スキルで覚えていた、あのアーツを使えば、行けるか?
と、接近しながら戦い方を組み立てていた俺の視界に、ローザネーラの表情が見えた。
――――恐怖で引き攣り、今にも泣きそうな青ざめた顔。
思考が止まる。すでに身体は動き出していた。
インベントリから首切り君を取り出し、片手で石突のあたりを持つ。
そして、思いっきり腕を引いて――――――ぶん投げるゥ!!!
「させるかァ!! 【ブーメラン・サイズ】ゥ!!!!」
俺の手から放たれた首切り君は、ぐるぐると凄い勢いで回転し、スライム入道に向かってすっ飛んでいく。
そして、俺自身も飛んでいく首切り君を追うように疾駆。
『ぎゅぅううううううう!!?』
回転する首切り君がスライム入道にぶち当たり、その身体を大きく切り裂いた。
スライム入道が悲鳴を上げる。横っ面を切り裂かれたのは効いたみたいだな。けど、まだまだ行くぞぉ!
「ローザネーラ! 怖いかもしれないけど、ちょっと我慢してくれっ」
「……っ、う、うんっ!」
「いい子だ……っと!」
空中を旋回し、手元に返ってきた首切り君をキャッチする。
これぞ《大鎌》の新アーツ【ブーメラン・サイズ】! その名の如く、大鎌をブーメランのように扱うアーツだ。
でも、数秒程度とはいえ手元から武器が無くなるから、十分に距離を取った状態か、不意打ちくらいにしか使えない! 悲しいなぁ……新アーツなのに……。
まぁ、性能の微妙さを嘆くのは後にしよう。
背中の翼に意識を集め、跳躍と同時に《飛行》を発動!
ローザネーラが囚われている高さまで飛び上がり、首切り君を振るって触手を切断した。
「きゃっ!」
「ローザネーラ!」
空中で拘束を解かれたローザネーラの小さな身体がふわり、と宙に浮かぶ。
首切り君を急いでインベントリへと放り込み、俺はローザネーラを両腕で受け止めた。
ふぅ、良かった……助けたのに、そのまま地面にGOとか洒落にならんし。
後はこのまま、安全圏に行くんだが……ローザネーラがあんなことをされたんだ。スライム入道に一発くらい叩きこんでやりたい。
【ブーメラン・サイズ】? あれはただの挨拶だよ、挨拶。
「あ、な、なぁ……!」
「ちょっと待っててくれよ」
なんか目を見開て口をパクパクさせていたローザネーラにそれだけを告げ、体勢を整えてこちらへ腕を振り上げているスライム入道に向けて手を翳す。
そして発動するは、《闇術》の第二魔法……!
「食らいやがれスライム入道! 【闇球撃】!」
手のひらから、バスケットボール大の闇が放たれ、スライム入道の身体にぶち当たる。
闇色の球体は接触と同時に膨張し、炸裂。スライム入道の体表をえぐり取った。
【闇矢】と違って、着弾地点からある程度の範囲に闇をまき散らすこの魔法。的がでかいお前にはよく効くんじゃないか?
『ぎゅぅうう……』
おうおう、痛そうだな? ざまあみろってんだ。
スライム入道がひるんだ隙に、翼を動かして距離を取った。そのまますぐには攻撃されない場所に飛んで、地面に降り立つ。
さてと、ローザネーラは……。
「………………」
「……あの、ローザネーラ? なんでそんなに全力で顔を背けてるの?」
「な、なんでもないわ!」
「何でもないなら顔を見せてくれても……」
「こ、こっちをみるんじゃないわよ! へんたい!」
「えぇ……」
なんでこんなにお怒りなんでしょうか……? 助けるのが遅かったからかなぁ。
とりあえず、両腕で抱えていたローザネーラを地面に下ろす。その時にちらり、と見えた彼女の頬は、何故か赤く染まっていた。
……そこまで怒ってるの? ううん、何処でコミュニケーションに失敗したんだか……。
「うぅ……な、なんでこんなに……はやくおさまれっ」
草の上にぺたん、と女の子座りしているローザネーラは、頬を抑えながら小声で何かつぶやいてるけど……俺への文句かな? やだ傷つく。
・おやおやまあまあ
・あらあらまあまあ
・あぁ~可愛いんじゃ~
・まぁさっきのはねぇ
・シチュエーション完璧すぎで草
・やだこのメスガキイケメン……
コメント共は何を言ってるんですかね……ちょっと良く分かんないです。
しかし、このままだとローザネーラが戦うのは少し厳しいか?
視線をスライム入道に向ける。すでに怯みからは回復し、こちらに剣呑な気配をビシバシとぶつけていた。
「ローザネーラ」
「……か、かんちがいよ、かんちが……わっ! な、なによぅ……?」
「そんなに驚かんでも……それよりお前……戦えるか?」
「え、ええ! もちろん……って、あれ?」
ローザネーラは威勢よく声を上げながら立ち上がろうとして……上手くいっていない。
彼女のステータスを確認してみると、『萎縮』? という、なんか見慣れぬ状態異常が付いていた。
ふむ、精神系のバッドステータスで、一定時間戦闘行為を行えなくなる、か。……つまり、戦えないってことだな?
てか、あのスライム入道にされたことがよっぽど怖かったんだな、ローザネーラ……。いやまぁ、触手プレイなんて悍ましい目に遭ったんだから、当然か?
「あれ? えいっ! ……え? な、なんでぇ!」
「落ち着け、ローザネーラ。お前はそこで状態異常の回復を待っているんだ」
「で、でもっ……! あんた、ひとりでたたかうつもり!? そ、そんなのむちゃよ!」
「おっ、心配してくれるのか? 嬉しいねぇ」
おっと、そろそろスライム入道が襲い掛かってきてもおかしくない。
話の時間は、終わりだ。
「大丈夫、俺は負けねぇよ。というかさ――」
不安そうな表情で、ようやくこちらを向いてくれたローザネーラに、俺は笑みを浮かべて見せた。
少しだけ、悪戯っぽい笑みを。
「お前に勝った俺が、あんなのに負けると思ってんのか?」
「なぁ! ……あ、あんたねぇ」
「ははっ、んじゃまぁ、行ってくるよ」
ひらり、と手を振ってローザネーラの元から離れる。
さぁて、スライム入道さんよ。お前さ、よくも――。
『ぎゅうぉおおおおおおおおおお!!』
「てめぇ、よくもうちの子をあんな目に遭わせてくれやがったな? 覚悟しろよ」
さぁ、二度目のボスバトルを始めようかっ!
読んでくれてありがとうございます。
感想、評価、ブックマ、誤字方向。そしてレビューもありがとうございます!
感想がすごく優しくて暖かい気持ちになります。ほっこりするぅ……。
明日も頑張りますね。ではでは。