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野営
橋本が所属する部隊は広東のとある村に着いた。空が曇り雨がポツポツと降りだした。
地面は泥だらけになってきた。
村人達の表情は暗い。厭戦ムードが漂っていた。
部隊は野営し食事の準備が始まった。
炊き出しし村人にも食糧を分け与えた。
橋本は食事が済むと銃の手入れをしタバコを吸い体を休めた。
静かな夜だった。
橋本は改めて故郷に思いを寄せた。
優しい父と母の姿が目に浮かぶ。
特に戦地に赴く時の母の涙が印象的だった。
やはり、生きて日本に帰りたい。
その思いは変わらなかった。