別れ
「私達、別れよう?」
彼が真顔でそう言う。
彼は私が女の子になりきらせてる。
私がそういうの大好きだから。
話が逸れた。
「え?なんで?」
私が少し驚きながらそう言う。
だって私は彼にできる限り尽くしてきたし、愛してきたし、彼のことが大好きだし。彼も多分私を愛してる。
「僕はもうこんな格好するの嫌なんです。」
「え?待って私の事嫌いなの?」
彼がおどおどしながら言うと直ぐに私は彼に尋ねる。
だって私の事好きなら私に尽くしてくれるはずだし、私は彼が大好きだから女の子の格好させてるんだから、それの方が彼は可愛いから私のためになるからそれを嫌がるのは絶対におかしいはずだよね。
「い、いや、そういう事じゃ…」
彼が目を逸らしてボソボソと言う。
その様子も凄く可愛いけど、もう少し反抗してくれて良いのに。そんな彼も最初の方は見れたのに少し私が怒ったらこんなにおとなしくなっちゃた。反抗する彼も可愛いしね。
「じゃあどう言う事なの?」
だけど、今日は彼の泣きそうな顔を見たいから少し厳しめに言ってみよっかな。
「その…やっぱりなんでもないです…」
彼は俯いてそう言う。あら、今日はやけに大人しいな…
ていうか、そんなだったら最初っから言わないで欲しいけどね。
まあそんな彼も可愛いからいっか…
「まあ良いや。コーヒー淹れて?」
少し眠くなってきたけど、まだやりたい事あるからコーヒー飲もっと。
「はい。わかりました。」
彼が暗い表情のままコーヒーを持ってくる。
それを飲むけど、あまり良い味はしない
直ぐに急な眠気に襲われる。カフェインに耐性でもついちゃったのかな…
最後に見たのは、彼の悲しそうな顔だった。その顔はあんま可愛いくないな…
次の日住宅の中で女性が遺体で見つかった。