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白衣の天使  作者: レムス
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第6話 先輩ママ④

「ちょっと待ってくださいね。すぐに先生を呼んできますから。」


・・・


「もう頭が出てきている。すぐに分娩室へ!」



おそらくさっきすれ違った男の人がこの子のパパであろう。


病院を出る瞬間、タバコに火をつけ、一段落終えたかの様に煙を吐いた姿を思い出した。


あんなのがパパでなくて良かったのではないか。と思ったのである。


そんなカトレアは旦那さんの代わりにアニーの手を握り、励まし続けた。


十分に生まれる体制になっていたおかげで、出産の苦しみも少しですんだ。


けれど早産だった為に、ようやくできたアニーの唯一の家族ともしばらく過ごせない日が続くこととなる。


アニーは先生から受け取った我が子に


「またあとでね」


と、おでこにキスをした。その顔には将来の不安は一切ない。そんな表情であった。

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