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白衣の天使  作者: レムス
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第43話 予想外な一言

ニックの育ての親であるセシルに結婚の報告を終えた4人は、セシルに別れを告げ孤児院をあとにする。


やはり真っ先に車に戻ったのはマリアであった。



前回同様、子供達にカトレアがつかまっていると、背後からセシルが話しかけてきた。


「実は少し気になる事が・・・。見てもらいたいものがあるから、空いてる時にでもまた来てもらえないかしら・・・」


と、小声で言うセシルにさっきまでの笑顔はなかったのである。



遅れて車に戻ったカトレアは、マリアと同じ様に終始黙って考え事をしていた。


マリアの様子と別れ際のセシルの様子・・・。


一体セシルはカトレアに何を伝えたかったのか?


「空いた時間にでも・・・」


その言葉が妙に気になったカトレアは今すぐにでも聞きに行きたいくらいであった。


けれどもカトレアだけが別行動するわけにもいかず、ロイドの運転する車でまっすぐにニックの部屋を目指すことになったのであった。



ニックの部屋の駐車場に着き、ニックはもちろん、やはり一緒にマリアは車を降りた。


様子の違うマリアに対し、対照的なのはニックである。


今までにないくらいの笑顔でロイドとカトレアを最後まで見送っていたのだった。



久しぶりの長い運転に疲れたのか、自宅に着くなり、すぐにソファーに横になるロイド。

「運転お疲れ様。何か冷たい飲み物でも入れるわね。」


そう言いながらカトレアはまっすぐにキッチンへ向かった。


ロイドに遅れること10分くらいであろうか。


アイスコーヒーを入れてようやくソファーに腰をおろしたカトレア。


「どぅぞ!」と、アイスコーヒーをテーブルに置くが、すでにロイドは眠りについた後であった。



洗い物を終えても一向に起きる気配がないロイドに


「ちゃんとベッドで寝ないと風邪ひくわよ。」


けれどもロイドはめんどくさそうに


「う~ん」と答えただけで寝返りをして、また眠ってしまった。


そんなロイドにシーツを掛けカトレアも眠る準備を始めていると、突然ロイドの携帯が鳴ったのである。


さっきまで全く起きる気配がなかったロイドが、携帯が鳴った途端に飛び起き、寝起きというのが嘘のように話をしている。


本当に仕事人間だなぁ。


とカトレアは感心してその姿を見ていると、ロイドの顔がみるみる険しく変わっていくのが分かった。


電話を切り、慌てて家を出たロイドがカトレアに言った一言は


「君の言う通り、ニックは信じてはいけなかったのかもな・・・」



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