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白衣の天使  作者: レムス
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第6話 先輩ママ②

今日もまた仕事が一段落つき、アニーの病室に向かって歩いていると、アニーの病室から見慣れない男の人が出てきた。


その男の人がカトレアとすれ違い、軽くカトレアは会釈をしたが、男は無言で去って行った。


男が病室を出ていくのを横目で見ながら、カトレアはアニーの病室の前に立った。


扉を少し開けたとき、アニーのすすり泣く声が聞こえたが、途中まで開けた扉を戻すことはできずに中に入った。


「今日もお腹の子は元気に動いていますか?」


アニーは気付かれないように涙を拭き取っている。


なるべくカトレアもアニーと目を合わさずに、独り言のように話し続けた。


「最近、良い天気が続きますね。早く出産を終えて、外に出たいでしょう?その時は、アニーさんのお子さんと私とマリア4人で公園にでも行きましょうね。」


ようやく落ち着いたのか、アニーは軽く咳払いをして


「そうですね。みんなで行けたら楽しいでしょうね。・・・気にかけてくれてありがとう。」


アニーはお腹に手をあてて更に続けた。


「もう気付いていると思いますけど、この子にパパは・・・」


少しづつアニーの表情が曇っていく。


「この子にはおじいちゃんもおばあちゃん居ないのです。それなのに私のわがままでこの子に辛い想いをさせると思うと・・・」



「生まれて来なければ良かった。なんて思わさないように、この子と楽しい家庭を作れば良いじゃないですか。」



「パパが居ないと、きっといつか生まれて来なければ・・・って。・・・私もそうでしたから・・・」

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