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白衣の天使  作者: レムス
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第2話 能力

彼女の笑顔に癒され、カトレア目当てでやってくる患者も多い。


畑仕事で足をすりむいただの、突き指しただの・・・。


何かと理由をつけてはカトレアに会いに来る。


そんな患者達の間ではカトレアは『白衣の天使』と呼ばれ愛されていた。


更に彼女が白衣の天使と呼ばれるようになったのは、それ以外にもある。


出産を迎えた妊婦が運ばれてくると、そのお腹に優しく手を触れ



 「元気な男の子ですね。早く出たがってますよ。一緒にがんばりましょうね。」


と、安心させる。そして無事出産を終えると、赤ちゃんを抱き



「この子は頭の良い子ですよ。優しくて、将来、親孝行な子になりますよ。」



そう、カトレアには子供の未来が見えるというのだ。



その能力に気が付いたのは7年前・・・15歳だった。




いつも「お姉ちゃん、お姉ちゃん」と慕っていた近所のアリスが子供を出産。カトレアはその子を抱き



「この子、人の痛みの分かる子になるわ。でもパパとママがもっと仲良くならないと、この子不幸になる。」


そう言ってアリスを驚かせた。


アリスは当時、仕事で遅くなる旦那のロバートとすれ違いの生活が続き、離婚を考えていた。


その事はアリスの両親は勿論、親しい友人、ましてや近所のカトレアが知るはずなく


アリスはロバートと目を合わし、苦虫を潰した様に二人で笑った。



その時からであろうか、カトレアが看護婦を目指すようになったのは・・・



念願の看護婦になったカトレアは、幾度となく出産に立ち合い、幾度となくこれから母になる人達を安心させてきた。


けれども、そんなカトレアには一つだけ気がかりがあった。



それは自分の出産である。我が子を抱く喜びよりも、我が子の将来が見える不安の方が勝っていたのだ。



すると彼のロイドは見透かしたように



「大丈夫。君は何人もの人を安心させてきたんだろ?僕にだって一人位なら安心させられるよ。」


と。そんな優しいロイドにカトレアは惹かれ


結婚、そして出産を決意する。

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