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白衣の天使  作者: レムス
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最終話 天使なの?悪魔なの?

カトレアとニックは、応援にかけつけた警察に連れられ、警察署向かう事なる。


マリアを失ったショックからか、取り調べに対し、終始カトレアはうつ向き、口を開く事は無かった。


けれどニックが全てを自供し、何一つ罪を犯していないカトレアは、状況からすぐに釈放される事になる。




一人、自分の机でミリアムの日記を読んでいるトッド。



「大変な事件だったみたいですね。それにしても予言なんて本当にあるんですかねぇ?」


そんなトッドに新米刑事が話しかけてきた。


「さぁな。俺には良く分からないけど、未来なんて見るのもじゃないな。」


そう言いながら、パラパラっと日記をめくってみせる。


「あれっ?最後のページに何か書いてありますよ。」


新米刑事の言葉に、トッドは再び日記をパラパラっとめくる。


「本当だ!こんなの書いてあったかなぁ?」





《私には『悪魔』を止める事ができなかった。・・・ごめんなさい》




「馬鹿馬鹿しい。」


そう言ってトッドは日記をクルクルっと丸め、ゴミ箱に投げ入れた。




丁度その頃、取り調べが終わったカトレアの姿があった。



「お世話になりました。」


トッドにお礼を言いにカトレアが近づいてきた。けれど


「この度は・・・」


何て言葉をかけて良いのか分からなかったトッドは、言葉につまってしまう。


「何かあったら連絡ください。すぐに駆けつけますから・・・」


家族を失ったカトレアに対して、トッドはそう答えるのが精一杯だったのだ。




警察署を出ると、暗い表情のカトレアを照らすかの様に、太陽が眩しく降り注いだ。


人と違う、この能力のせいで、全てを失ったカトレアの足取りは重く、心は闇に包まれている。




・・・と、誰もがそう思った。


けれど、決してそんな訳ではなく、逆にすっきりした表情をしていたのである。


そしてカトレアはその場に立ち止まり、右手をソッとお腹に当てて、こう呟いた。






「あなたは『天使』なの?『悪魔』なの?」










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