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白衣の天使  作者: レムス
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第64話 神=母=?

差し出されたノートを受け取り、カトレアは一枚ページをめくってみた。




明らかに子供が書いたような字体の文字である。


読みづらい日記であったが、なぜかカトレアには懐かしさを感じたのであった。


そしてその日記に目を通していたカトレアは目を疑ったのである。



そこにはジェフが言っていた通り、アンナの死の事が書いてあった。


けれど、続きを読むにつれ、カトレアの顔はだんだんと険しくなっていったのだ。



ニックとの出会い、ニックの両親の死、セシルの死・・・


そしてカトレアが何より驚いたのは『父』の死の文字。



・・・『父』。


そう、カトレアが目を疑ったのはその部分であった。


更に続きを読むと『母』が体調を崩す事や病院を訪れる事まで書いてあったのである。


それはまさにカトレアの身の回りに起きた出来事と酷似していたのだ。


カトレアは持っていたノートを置き、バッグから家族で写っている写真を取り出しジェフに見せた。


「この中にミリアムはいる?」


ジェフはカトレアから写真を受け取ると、一人一人指を指しながら確認をしている。


そして指がカトレアの部分に差し掛かり、ジェフは指を止め、カトレアの方を振り返った。


写真を持つ手がゆっくりと震え始めた瞬間、ジェフの顔色が青ざめて行くのが分かった。


そしてジェフは


「あなたが・・・か・・・神!?」


そう言って頭を抱え、悲鳴をあげたのである。


その瞬間、悲鳴を聞きつけたトッドと看護師がこの病室に入ってきた。


「どうした!?」


トッドの言葉と同時に


「ジェフさんに何をしたのですか!?」


と、すごい剣幕で詰め寄る看護師に、カトレアは何一つ言葉を発する事ができないまま、病室を追い出されてしまったのであった。



自宅に向かう車内で、カトレアは再び日記を開き、トッドの


「何か分かりました?」


と言う問いかけにも応えず、必死の形相で日記に目を通していた。


しかし何度読んでもカトレアには一つの答えしか出てこなかったのである。


そう・・・ミリアムの正体が・・・。


そして最後の日記にはこう記されていた。




  ○月○日

私はこの日『神』に殺されるでしょう。運命は変わらない・・・いや、変えてはいけない。けれど私には変える力がある。『神』を殺し、そして私が新しい『神』になるの。




あなたがこのノートを読んでいるって事は、ようやくこの日が来るって事なのね。この時の為に、私がどれほど苦労したことか・・・。やっと報われるのね・・・ママ・・・







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