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屍の聲-A VOICE OF THE SILENT DEAD  作者: ゾンビーノ・ヨシタケ
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第一章 異国の女騎士 

ゾンビ映画あるある。


高いとこにいればだいたいなんとかなる。


 僕は相模さんのいる部屋を離れると基地内の訓練の行われているグラウンドへ向かった。

 

グラウンドを見ると既に訓練は始まっていた。

 

 (終わった・・・・・)

 

 僕は絶望しながらもグラウンドに到着後、すぐに教官である彼女に駆け寄った。

 

 「お、遅れてすいませんでした。今回はちゃんとした理由があって」

 

 「Don't just keep making excuses !」

 (言い訳しないで)

 

 「Act quickly!」

 (さっさと訓練を始めなさい)

 

 彼女はリンダ・F・アーグナー

 

元米軍の兵士である。元々観光目的で日本へ来たのだが、その時ちょうどあの惨事が起こったのだ。 

 

アメリカ軍はあの惨事が起きたとき、すぐに日本を見捨てた。日本各地にあるアメリカ軍基地はもぬけの殻となっており、全ての部隊はアメリカへ帰投した。 無理もない。他国と自国を天秤に掛ければ必ず自国側に傾くに決まっている。 しかしそれだけではない。アメリカに核が落とされたのだ。 それは中国かロシアからか分からないがアメリカも事実上国という機能が崩壊したこと意味していた。 しかし核の核による報復は避けられないだろう。 アメリカ以外の国にも落とされたらしいが、繊細は不明だ。日本も沖縄のアメリカ軍基地に落とされたらしいが本当かどうかこれも不明だ。

しかしそれでもリンダさんは僕達日本人の為にこうして力を貸してくれている。 


 しかも彼女の戦闘能力は軍を抜いており、射撃においても相模さんと互角なのではないかとみんなから恐れられる存在として知られている。

僕も以前彼女が感染者を一度に8人相手していたのを見たことがある。


腰にある拳銃嚢{ヒップホルスター}から9㎜拳銃{P9}とよばれる自動拳銃を取り出すと素早く、そして正確な射撃で感染者の頭を撃ち抜いた。


「お↑前は、もう死ん↓で↑イル!」


これが彼女の気に入っている捨て台詞らしい。


 

 

 まあ、別の意味で恐ろしいのは、彼女のワガママボディだろうと僕は思う。髪はショートボブの金髪。 腕は筋肉質過ぎず、胸は大きすぎず小さすぎずちょうどいいサイズで、男性なら誰もが二度見してしまうぐらいの美人系であった。訓練中も男たちから違う意味での熱い視線を浴びていた。

 

 「相模さんの所に報告へ行っていたんです。相模さんに!」


 すると彼女は相模さんの名前を出した途端、急に体をもじもじさせて、頬を赤らめた。 

 

「・・・・・・・そうデスカ。キャプテンサガ~ミが理由ならしかたないデスネ。」


「それで・・・キャプテンサガ~ミは何かワタシに言ってイマシタカ?」

 

両手の人差し指をツンツンさせてこちらをチラチラ見てくる。 

 

 「え?何も??」


自分でも恐ろしいくらい察しが悪かった。

僕は彼女の気持ちを察すること無く正直に答えていた。 

 

 何も言ってなかったことを話すと急に彼女の機嫌が悪くなった。

 

 何だろう、最近忙しいから疲れてるのかな。

 でも僕に当たるのは本当にやめてほしい。。

 

 

 「ムラサメ、アナタは腕立て伏せ100回追加デス」。

 

 まさしく鬼の教官リンダさんであった

 

 (理不尽過ぎる

 

 祐雨はその後もリンダにへとへとになるまでしごかれたのだった。

 


訓練は体力作りであったり、武装した人間を想定して行われる武力制圧、あるいはCQC{近接格闘}である。 

対人格闘の訓練についてはアメリカ陸軍格闘術に採用されていた《Modern Army Combatives》が用いられている。。

 

 略してMACと呼ばれる格闘術においてそれぞれ4つのレベルに班員は分けられており、僕はその内の上から二番目のレベルに属している。 

リンダさんはアメリカ軍において高段位の教官であったので、訓練は一切手抜きをすることは無かった。 

寧ろ厳しすぎた指導故に訓練に参加しない者も出てきた。

 

 それでも厳しい訓練を僕がしているのにはちゃんとした理由がある。


 大切な人を守ってやれる絶対的な力。

 

 もう二度と”あの出来事”を繰り返させない。

 

 その強い意志が僕自身を強くする。

 

僕はその日の訓練も音を上げることなく続けた。

この物語はフィクションです。

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