第一章 いつもの。
作者はゾンビモノが好きです。
作者は血生臭いことが好きです。
作者はヒャッハーすることが好きです。
そんな作者が書いた物語。
『ザー・・・・全班姿勢を低くして待機せよ。』
無線機から若い男の緊張を感じさせる声が発せられる。
放置されている車体から顔を少し出して前方を覗く。
"ヤツら”だ。 数は30人弱。
この数を気付かれずに一斉に叩くのは難しいだろう。
しかしそれは並みの兵士によってだ。
私たちにかかれば、それは容易いことであった。
『ザー・・・・総員、 消音器と弾倉 (マガジン)を確認せよ。』
すぐに首に掛けてある銃を馴れた手付きで素早くチェックをする。
八十九式小銃、総重量は大体4kgそこらだろう。
総弾数は20発、弾倉を替えれば30発は装填可能だ。弾は八十九式5.56ミリ普通弾を使用。
かつて存在した自衛隊が使用していたものでその銃身はしっかりと整備が施されており、その性能は今も健在だ。
射程は500m。しかし目の前の敵は約50mにも満たない距離にいる。
楽勝だ。
『総員、ハチキュウの安全装置を解除。 目標に標準を合わせろ。』
僕は標準を覗いて感染者の頭部に狙いを定めた。アイアンサイトはやはりつかいずらい。
が、光学標準器は十分な数が確保されていないのが現状だ。そしてその光学標準器自体にもバッテリーが必要だったり使うと劣化してしまったりで、アイアンサイトが常だ。
・・・静寂が続く。 聞こえるのはヤツらの呻き声と 風の吹く音。そして自分達の息遣いだけだった。
寒い。まだ冬が過ぎたばかりでそこらに雪が残っている。
しかしそれでもしっかりとその目と銃口は”感染者”に向けられており僕は次の指示を待った。
『ザー・・第一班、準備完了、そちらの指示を待つ。
『ザー・・・・こちら第二も準備完了。』
『ザー・・・We are ready......準備完了ダヨ !』
再度静寂が続く。
『ザー・・・・・・・・各班射撃開始。』
指示が来た。やっとだやっと撃てる。
僕は引き金に指を掛けた。
悪く思うなよ。
(プシュンッ、 プシュンップシュンップシュンップシュンッ
消音器をつけていても完全には射撃音を消すことは出来ない。だから消音器を付けているからといって油断大敵である。
しかしこの距離ならば話は違ってくる。
ヤツらは何が起こったか分からずにバタバタと倒れていった。ヤツらが振り返ったときには眉間に弾痕が刻まれており、そいつらの生命活動(生きているかのか、死んでいるのか分からないが)を次々に停止していく。
わずか数秒間の一斉射撃のあと、そこに残るのは無数の死体と薬莢だけであった。
「エネミーダウン!エネミーダウン!」
「敵は沈黙。敵は全て排除されたし。」
「了解。 周囲を警戒しつつ、作業を開始せよ。」
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この物語はフィクションです。