初めての週末と富士見屋の盛況4
「で、何にする?」
「では、黒き力の秘められし定食を」
「Set meal the black power was hidden. じゃねえよ。普通にB定っていえ、B定って」
「お前、頭いいなぁ」
「これくらい普通だろ」
そう、井華土守就に言った。・・・・・・素じゃねぇか、中二病君。
B定の準備にかかる。B定は、黒き力ではなく焦げた醤油ダレがかかった焼き肉の定食だ。井華土は、AからD定をローテーションで食う常連だ。ちなみにどれも650円(税込)だ。
「はいよ」
B定を出す。
「美味いなぁ……。はっ!フフフ、やはりこの黒き雷には、黒の力が良いようだ」
「今まで、設定忘れてたのかよ…」
「セッテイ?何のことだ?」
「とぼけんな中二」
「中二じゃない。高一だ」
「そうゆーことじゃないよねぇ」
本網はそう言った。確かにそうだ。中二病だから中二と言ったんだ、アホンダラ。
「「デザートってあるの?」」
起き上がって、日替わりを食った夜祇沼と本網が聞いてきた。
「あるよ。そこに書いてあるだろ」
「デザートか…。たまには、いいかもな。じゃ、あんみつで」
「ふむ、なら我は、牛乳食道楽をいただこう」
「よく食道楽なんて知ってたな。ちなみに、中国語では牛奶布丁だぞ。メニューには、ミルクプリンで載ってるけどな」
「そっちのほうがよく知ってんじゃない……」
な、なぬぃ~!!夜祇沼に呆れられただと…。く、屈辱だ。
デザートは手作りじゃないと思うかもしれないが、手作りだ。凝ったのは作れないがな。
「餡子どっちがいい?」
「何がある?」
「小豆のこしと粒に、白、ずんだ、赤、うぐいすのこしがある」
「じゃあ、赤で」
「はいよ」
「食道楽には、カラメル多めで」
「はいはい」
ちなみに、餡子の種類が多いのは、俺が好きだからだ。特にうぐいすと赤、小豆のこしがいいよな!
「あーしは、おすすめの」
「私は、伊予ちゃんと同じので」
「土曜は、ミルクプリンとあんみつしかないぞ。だいたいメニュー表そこにあるんだから見ろよ」
「日替わりなん?」
「あぁ」
「じゃ、あんみつのこしあんで」
「私は、粒で」
「はいよ、少々お待ちください」
時刻は、11時45分。そろそろ混み始めるころだ。バイト早く来いよ。




