表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

スキルを検証してみよう

 一瞬の浮遊感の後、目を開くとそこは深い森の中だった。元の世界でいうと富士山の樹海みたいなカンジ。少し薄暗いけど、気持ちいい。


 と、まずは自分の状態を確認しますか。女神様がくれた〈解析(アナライズ)〉を使ってみよう。とは言っても、使い方がわからない。


「えーと、小説では対象を見て鑑定してたけど……。〈解析(アナライズ)〉!」


 私はとりあえず自分の腕を見てそう呟いてみた。


 すると、


「うわっ」


 いきなり頭の中に情報が流れ込んできた。


―――――――――――――――――


名称:二条麗華

種族:人族(ヒューマ)(異世界人)

レベル:1

状態:健康

魔素値(エネルギー):15650

筋力:5

防御力:5

敏捷:8

知力:10


スキル:〈解析(アナライズ):Lv1〉〈アイテムボックス:Lv1〉〈最適化(オプティム):Lv-〉〈感情分離(ドッペル):Lv-〉


称号・加護:異世界からの来訪者 生命神の加護


―――――――――――――――――


 ビックリした……。鑑定ってこんなんなるんだ。ゲームみたいに筋力や防御力っていう表示はあるけど体力の表示は無い。MPに当たるのは魔素値(エネルギー)だろう。てか、私魔素値高すぎでしょ。一つだけ桁がおかしいことになってる。


 まあそれはいいとして、一つ気になる点がある……

  

感情分離(ドッペル)


 字面から考えて恐らく女神様が新しく創るって言ってたスキルだろうけど……。


 とりあえず説明プリーズ!


―――――――――――――――――

感謝分離(ドッペル)〉階級:ユニーク

 本来は存在しないはずのスキル。女神セレナーゼが心を込めて創ったオーダーメイド。 感情を分離させ、また戻すことが出来る。

―――――――――――――――――


 説明アバウトだなー。まあなんとなく分かるからいいけど。


 ていうか、心を込めて創ったって……。取り敢えずありがとうございます女神様。


 さっそく試してみたいけど、どう試せばいいのか分からない。まあ考えてても仕方ない。とりあえず他のスキルを鑑定してみてそれから考えよう。


 まずは解析(アナライズ)から


―――――――――――――――――

解析(アナライズ)〉階級:レア

 対象の情報を読み取る

 Lv1では、対象の名前と種族、状態を読み取ることができる。

自分のステータスは全て解析可能。

―――――――――――――――――


 うん、これは考えてた通りのスキルみたい。Lv1ではあまり使い道がないような気がするけど、それは仕方ないだろう。


 お次はアイテムボックス


―――――――――――――――――

〈アイテムボックス〉階級:ユニーク


 対象を作り出した空間に仕舞うことが出来る。内部の時間は止まっており、生きているものは入れることができない。


 内容量限界はLv × 1000kg


―――――――――――――――――


 うん、便利!これも読んだラノベと、ほぼ同じようなスキルのようだ。さっそく試してみよう。私は適当に近くに落ちていた枝を拾い、頭の中で「アイテムボックス」と唱えながら空間に枝を仕舞うイメージをした。

 

「わあ」


 私の手から枝が消えて、頭に


(アイテムボックス容量残り999.9kg)


 と言葉が響いた。取り出すのも仕舞うのと同じ要領で出来た。


 さあ、次はいよいよ私が女神様に提案したスキル〈最適化(オプティム)〉だ! ふふふ、テンションが上がるわ!


 さあ試そう。そう思ったところで私は気がついた。


「どうやって試そう……」


 最適化しようにも現在最適化したいことがない。

 

 うーむ……そうだ!


 周囲の木をなんとなく見ていたらひらめいた。私は昔から木登りというものをしたことがない。やってみても落ちるのが関の山だろうから。


 実際私はお世辞にも運動が出来るタイプではない。跳び箱は三段が限界だし、持久走も後ろから数えて4番目か5番目ぐらいがせいぜいだった。体だけは柔らかかったけど。

 

 まあそんなことは今はどうでもいい。


 レッツ トライ!


 私はとりあえず近くに立っている高さ八メートル位の木の根元に足をかけた。うん、もうこの次にどうしたらいいのかわからない。

ていうかこの木、手足をかけるための出っぱりとかもほとんど無い。どうやって登れっていうのよ。


 モタモタしてても仕方ないし、ともかくやってみよう。

 

最適化(オプティム)!」


 気合いを入れるために、声に出して叫んでみた。


 しかしなにもおきなかった……。


 あれ? なんでだろ、もう最適化されたのかな? そう思い改めて木を見上げてみるが、とくに変化は感じない。相変わらず「登れるわけない」という感想しか出てこない。何が駄目だったんだろう?


 もしかしたら、イメージが足りなかったのかも?確かに私、「最適化!」って叫んだだけだもんね。そうと決まれば、もう一度!


 レッツ トライ!


 私はさっきみたいな漠然としたイメージではなく、私が目の前の木にするすると登っていく姿をイメージして叫んだ。


最適化(オプティム)!」


 すると、不思議な感覚が私をおそった。さっきまではただ登りにくそうな木にしか見えなかったのに、今は目の前の木のどこに手足を掛ければいいのかが手に取るように分かる。私は自分の感覚にしたがって、頭より少し上にある小さな出っぱりに右手の指をかけた。足で地面を蹴ると同時に腕をひいて、体を持ち上げる。

 

 体が重力に従って落ち始めるまえに今度は左手で近くの枝を掴む。腕の力で枝にぶら下がる(いきお)いを利用し、逆上がりの要領で枝の上に移動する。間髪(かんぱつ)入れずにジャンプ。


 今度は距離の近い枝から枝に飛び乗り、ぶら下がりを繰り返して登っていく。最後に全身を使ってジャンプ。


「はっ、はあ、はあ」


 気がついたら私は地上約八メートルの木のてっぺんにいた。


「す、すごい」


 息はまだ荒いが、私の心は感動と興奮で一杯だった。さっきの私の動きから考えると、元の世界でいうパルクールというスポーツの動きに近いと思う。ていうか私、逆上がり出来たのさっきのがはじめてかもしれない。


 運動音痴の私が五メートルの木にアクション映画のように一瞬で登れるようになるとか、〈最適化(オプティム)〉さんまじパネェ。


 これは文句なしに当たりスキルだ。イメージさえしっかりしていれば、あらゆることに応用できそうだし、戦闘でも大いに役に立つだろう。


 ちなみに、木から降りるときにも映画のような華麗なジャンプをイメージしたら、空中で三回転ぐらいして全く衝撃なく着地できた。フッ、決まったわ。


スキルはだいたい分かったし、次は称号と加護をみてみよう。ラノベでは称号によっては役に立つ効果とかあったし、少し楽しみだ。

 

 では〈解析(アナライズ)〉っと。

―――――――――――――――――

〈異世界からの来訪者〉


 異世界から転生、または召喚された者に与えられる。


 効果:成長速度100%Up 魔素値(エネルギー)に大幅補正

―――――――――――――――――


 すごい!成長速度100%UPってことは、普通のひとの二倍の速さでレベルが上がるってことよね。


 それに魔素値に大幅補正も嬉しい。女神様の説明によると魔法を使うのに必要なものらしいし、うまくいけば魔法で無双するのも夢じゃないかも!この様子だともう一つの加護のほうも期待出来そう。


解析(アナライズ)〉!


――――――――――――――――

〈生命神の加護〉


 生命の女神セレナーゼの加護。

 女神に愛されている証。


 効果:幸運 神との対話 治癒魔法に大幅補正

――――――――――――――――


 よかった。女神様本人があんなんだったから心配してたけど、ちゃんと役に立ちそう。



 神との対話ってことは女神様と話したり出来るのかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ