衝撃
そう考えながらも、もう売っている場所は目の前にある。
そのドリンクを売っているのはコンビニでも薬局でもなく、路上で売られていた。
ニッコリと笑って頭に包帯を巻いている結構、背が高い男が商売していた。普通はこの場所では商売をしてはいけないのだが、事件に巻き込まれたくないからか誰も注意しなかった。少年もその一人だ。
ニッコリと笑みを浮かべて少々気持ち悪かったが少年はそのドリンクを買ったのだ。
そして家に帰って早速飲んでみようかと思ったが、やはり怪しいと確信していたのか最初は家族に飲ませることにした。
「ねぇ、ちょっとこれ飲んでみてよ。」
「・・・・・・・」
「これ変なの入ってるんじゃないでしょうね・・・・」
「入ってないよ。凄い美味しいらしいから飲んでみてよ。」
「らしい?」
「ああ・・いや間違えた美味しいんだ。」
「・・・・まあ、広志が言うなら信じるよ」そして瓶の中に入っているドリンクをグビグビと家族が飲んだ。「・・・・・・・」飲んだ直後は何も異変はなかったがこの先何が起きるかは予知能力がない限り誰も分からない。
そしてこのドリンクを飲んでいたのはこの家族だけじゃなかった。
全国の人々がこのドリンクを飲んでいたのだ。
「どう?美味しいでしょ」
「味がしないわよ」「え・・・・」
「ただの水じゃんコレ。」
「おかしいなあ俺のは美味しかったけどなあ・・・汗」
「演技が下手よ。広志」
家族はクスクスと笑いながらそう言った。
「さ、そろそろご飯のしたくしなくちゃ。」
広志は複雑な気持ちで二階へ行った。
「ふーん味はしないのか、何も害はなさそうだな。でも引っかかりそうだからやめとこ」と、自分は飲むのをやめた。卑怯な奴だ。
そう考えているとそろそろご飯の時間だ。広志の家では毎日6時30分に夕飯を食べる。
「広志、ご飯よ降りてきなさい」
「いらない」
「まーた格好つけちゃって」
「いらないよ。食べてて」
「広志ももう年頃だ。スルーしてやれ。」「そうねほっときましょう。」
「そうだパソコンであのドリンクのことを調べてみよう。」
「カタカタカタ・・・・・・・・」そこで広志はドリンクの公式ホームページを見つけた
「あった!これだ!」
しばらくそのドリンクの情報を読んでみると広志は驚きの事実を知ってしまった。
「本日は我が社のエナジードリンクをお買い上げいただき誠に有り難う御座います。唐突なのですがこのエナジードリンクには身体に刺激を与える強化ホルモンが入っております。これを飲んだ方は身体のどこかにドリンクの影響が出ます。薬の効果で無敵になっても必ず一週間以内には腐って死にます。万一その様なことがあっても我が社は一切責任を取りません。」
「な・・何だコレ・・・・・・・」広志はこの記事を嘘くさいと思っていたが、それと同時にドリンクを飲んだ家族が心配になった。一体この情報は本当なのか・・嘘なのか・・
その答えは夜に分かった。
近所の住民が寝静まる中、家族が眠る部屋から謎のうめき声が聞こえる。広志は起きていたので恐る恐る、部屋を覗き込んだ。
「うわああああああああ!!!」
広志の前に立っていたのは!