作者から一言
「聖贄女のユニコーン 〈かくて聖獣は乙女と謳う〉」完結いたしました。
足掛け二年、文字数120万字という大作になってしまい、もう趣味の領域ではこれ以上のものは書くことはないでしょう。
文庫本でいうと、10~11冊ぐらいですしね。
自分で言うのもなんですが、たいしたものですw
さて、これだけ書きまくってみると自分の苦手な描写や設定のというものが、かなりはっきりとしてきます。
すぐに思い浮かぶものだけでも、ネーミングセンスの微妙さ、世界観(舞台以外の他国)の設定の曖昧さ、大規模なシーンを説得力ある描写ができるか、若い(十代)の読者を取り入れにくい作風を変えられない、などまあ色々です。
まあ、そのあたりはあとに書いた別の作品で色々と試行錯誤しているので肥しにはなっているみたいです。
おかげで又右衛門と忌怨はうまく作れましたから。
ただ、ユニコーンは私にとって書籍化もできた、とても思い入れの強い作品であると同時に自信を与えてくれた作品でもあります。
今風のラノベ的作品はあまり書いたことがないのでかなりの難産でしたが、やりたいこと、書きたいことはわりと詰め込めたので満足といえば満足です。
もし、私が別のジャンルで大成功をおさめたのならば無理を言ってリテイクして再刊行したいぐらいには気に入っていますw
もっとも、実のところ終わったばかりでまだ喪失感はないのでむしろほっとしているぐらいです。
同じ世界観での作品ならばともかく、続きも外伝も書く気はまったくありません。
セスシスとオオタネアの十年前の冒険だけはプロットがあるので書ける気はしますが、完成してしまったキャラクターの若い頃というのは難しいのでおそらく書くことはないでしょうね。
騎士たちの別の冒険というのもピンときませんし。
ただ、私の書くステレオタイプ的キャラクターがこの作品でかなり出揃ったこともあり、以後の作品にはタナ型とかキルコ型みたいななのが出てきてくれるとは思います。
いつか確認してみてください。
そういうわけでもう「聖贄女のユニコーン」はなにか展開することはありません。
ご期待に沿えず申し訳ありません。
「小説家になろう」の他作を見ると、意外とエタる(完結させずに終わらせる)ことが多いらしく、それを考えると当初の予定通りに完結させただけでも私はだいぶ偉いと思うのですが(笑)
さて、どうせなのでつらつらとユニコーンについての裏話などを。
最後のオチはほとんど最初の頃には考えてありました。
だから、そこから逆算する形で内容を作っていきました。
その際に、面白そうなネタを考えたら多少無理があっても導入していき、ライブ感を出していきました。
最後の連戦についてだと、ナオミ周りとマイアンたちの戦いは書いている最中に浮かんだアイデアをぶちこんだ形ですね。
全体を見回しても、わりとアドリブな話は多いです。
ただ、最初から用意していたものも多く、それは物語と自然と馴染んでいるとは思います。
使い勝手が良いというか、スムーズに行けたのは〈墓の騎士〉あたりです。
本来は使う予定がなかったのですが、あとあとうまい具合に舞台装置としてはまりました。
戦闘シーンも結構アドリブが多いです。
そのぶん勢いがあって好きなシーンが多いんですが。
完結させてしまったこともあり、裏話なんかTwitterなんかでフォローしてもいいなとは思っています。
色々と書きたいことはあったのですが、いざとなると書けないものですね。
おかげで一日ダラダラしてしまったぐらいで。
あ、これが喪失感か!
などと考えながら、ではこのあたりで失礼します。
マイページから連載中の文字が消えてしまったので、なるべく早く次回作を始めたいと思います。
それでは、二年間、「聖贄女のユニコーン 〈かくて聖獣は乙女と謳う〉」を応援していただきありがとうございました。
セスシスと聖士女騎士団の冒険を楽しんでいただけたのなら幸いです。
また、いつか、彼らを書くことがあればいいなと思いながら〆させていただきます。
ありがとう、そしてさようなら。




