表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

お兄ちゃんを変える


「ん……あれ?」

気がつくとリビングのソファーの上に寝ていた。


「夢……?」

そっか、さっきまでのは悪い夢だったのか。きっと疲れて寝ちゃったんだ。

「起きた?」

すぐ傍で兄が心配そうに顔を覗き込んでいた。


「頭、痛くない? かなり強く打っちゃったみたいだけど……」

兄の言葉で夢じゃなかったことを実感させられる。


「うん、大丈夫」

別の意味で頭が痛くなりそうだけど。


「ごめんな、助けてあげられなくて」

「いいよ、私の不注意なんだし」

「本当に何ともないか?」

兄はまだ心配そうに私の顔を覗き込む。


「平気だってば。もう、お兄ちゃんは心配性なんだから……」

そう言うと、兄は何度も優しく私の頭を撫でながら笑った。


「あのさ、お兄ちゃん。あの本のことなんだけど……」

「ん? どうした?」

少し悩んでから、兄を見つめる。


「もし……私があの本を全部捨てろって言ったら、どうする?」

「うーん……もし本当に美羽が嫌って言うなら捨てるよ? 嫌?」

その言葉を聞いて、私は少しほっとした。

少なくとも兄はまだ私を優先してくれている。本よりも妹を大事にしてくれていることが堪らなく嬉しかった。


「ううん、いいや。お兄ちゃんの趣味にとやかく言う権利、私にはないもん」

そう言いながらも、私は脳内である計画を組み立て始めていた。



翌日、私は近所の本屋さんを訪れていた。目的はもちろん先日見た『兄の生態』を購入するためである。あれならきっと、兄との接し方が詳しく書かれているはずだ。

私が知りたいのは、兄に今まで以上に好かれる方法。そしてあの趣味をなくすこと。

昨日、本を捨てろと言ったら? の問いかけに兄は少し悩んだ。


「このままじゃ……薄い本にお兄ちゃんを取られる……!」


思わずそんなことを呟いてしまった。もっと、兄に好かれる妹になるのだ。

その為になにをすべきか……そう、手っ取り早いのはあの趣味をなくすことだ。


「お兄ちゃん改造計画開始っ!」


叫んでから店内だったということに気付く。反省。


とりあえず本を手に取ったはいいけどこのままレジに持っていくのは少々抵抗がある。

手近にあった棚の本で『兄の生態』をサンドイッチしてレジに持っていく。


お兄ちゃん改造計画の記念すべき最初の行動。かっこ良く決めるのだ!




ちょっと間があいちゃいましたが2話です!

妹のキャラが完全に迷子です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ