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神「賢者が魔法を使えるなんて、誰が決めた?」  作者: 源泉
第三章:関連ワード「光」「影」——結果が揺らいでいます

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13 ホタル砲!着弾



「……この森の狼に、こんな大きい個体がいるなんて……おかしい!」



息が荒く、喉が焼けるほど乾いている。

白いローブを土ぼこりに汚し、ゼドは乱れる呼吸を整えようと、必死に魔力を巡らせていた。


敵の脚を絡め取るような光が走り、次の瞬間には自分の体を軽くする魔法式が淡く浮かんでは消える。

それでも追いつかれる。


そして、時折かすれるように回復魔法で自分を保つ。



だが――



(……僕の体じゃ……もう限界だ……)



魔法を使いながら逃げるという行為が、体力をさらに削っていく。

足が地面を捉えられず、耳鳴りがひどい。

もう魔力の操作さえ手からこぼれ落ちそうだった。



「勇者様との集合場所からも……だいぶ遠い……まずい……」



焦りが胸を締めつける。

その瞬間、背後の魔物が地面を抉る音がした。



「……っ!」



狼の魔物が飛びかかってきた。

ゼドは咄嗟に体を丸め、腕で顔をかばおうとする。



次の瞬間―――



ピシィンッ!!



空を切り裂くような光が走った。



「……流れ星……?」



信じられないものを見るように、ゼドの瞳が揺れる。

同時に、爆ぜるような眩しさが視界を覆い、柔らかな何かが全身を包んだ。


狼の爪が光に触れた瞬間、わずかに軌道が逸れ、

ゼドの身体は地面へ投げ出されたものの――



(……痛くない……?)



光が守ってくれたような、不思議な感覚だけが残っていた。


そして、矢にしがみついたまま、光の粒となった何かが

ゼドの目の前に落ちてきた。



「ケンサク〜〜!! 次の作戦は〜〜〜!?!?」



小さな光の虫――ホタルが、涙目で叫んでいる。



「今考えてる! とりあえず時間を稼げ!!」



遠くからケンサクの声が飛ぶ。



「稼げって言うけど!!

今ので充電ほぼゼロなんだけど!?!?」



ゼドはその光景をただ見つめるしかなかった。



「……なに?これ」



さらに、弓を放ったと思われる少女――リテナの声が聞こえる。



「ケンサク、次どうするの!? あたしも動けるよ!」


「……ああ、助かる」



ケンサクが短く返す。

その声に迷いは少しもなかった。


ゼドは、ただ呆然と二人と一匹を見つめる。



(この人たちは、あの村で会った……)



息が荒いまま、胸の奥に奇妙な感覚が芽生えた。

助けられた安堵なのか、理解できない光景への困惑か――



どちらかすら、今の彼には分からなかった。

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