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神「賢者が魔法を使えるなんて、誰が決めた?」  作者: 源泉
第三章:関連ワード「光」「影」——結果が揺らいでいます

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11 むらびとたちは かんしゃしている!



夜の祭りの余韻がまだほんのり残る村に、朝の静けさが降りていた。


ケンサク、リテナ、ホタルは――

昨日助けた子どもの家の朝食の席にいた。

母親が湯気の立つスープを置きながら言う。



「ゼド様なら、夜明け前には村を出られましたよ」


「そうなんですね。朝早いんだな……」



ケンサクは頷きつつ、内心で眉を寄せる。



(勇者に報告を…って言ってたのが気になるが……。

考えても仕方ないか。今は俺たちのやることをやろう)



食事を終え、三人は祭りの片付けを手伝うことにした。

村人の一人が、柱の装飾を外しながら深く頭を下げる。



「昨日は本当に助かりました。

あのまま争いだと思われていたら……どうなっていたか」



別の村人も言葉を続ける。



「勇者様には感謝してるんです。光の化身を授けてくださったおかげで、こんな森の中でも安心して暮らせて……

でも前に、一度だけ“平和を乱した”と判断されて……」



リテナが心配そうに身をすくめる。



「そんなことが……」



ケンサクは独り言のように呟く。



「……判断が厳しいとは思う。

怖がられてるけど、そのおかげで秩序が守られてるところもあるようだし、難しいな」



昨日の争いの発端になった箇所をケンサクは見に行く。

傾いた柱の根元にしゃがみ込み、ケンサクが軽く土を押す。



「やっぱり根っこが膨らんでたんだな。

この場所は湿気が溜まりやすいんだ。また柱が押されるかもしれない。

支柱を足すか、場所を変えたほうがいい」


「祭りの準備に追われ、土の状態まで気を配れておりませんでした。

あの場ではゼド様の言葉に気圧されて何も言えず、情けない……

あなたがいてくれて本当によかった」



村人はしきりに感心し、何度も礼を述べた。



その横で、ホタルが神妙な顔で光の化身、もとい自分の以前の体を見つめていた。



「……むぅ、勝手にプレゼントされたのはムカつくけど……

役に立ってるなら……まぁ、いっか……」



リテナがくすっと笑い、ホタルの背を指でつつく。



「ホタル様の光、昨日すっごく喜ばれてたよ?

“安心して眠れる”ってみんな言ってた!」


「えっ……そ、そう?

ま、まあ……そういうの嫌いじゃないけど……!」



ホタルの光が、誇らしげにふわっと膨らんだ。



片付けが終わり、門へ向かうと、村人たちがぞろぞろとついてきた。



「本当にお世話になりました!」


「また来てくださいね!」



昨日の子どもたちが手を振りながら駆け寄ってくる。



「またあそびにきてねー!」



リテナも笑顔で手を振った。



「うん、また来るね!」



ケンサクは小さく息を吸い、森へと続く道へ歩き出す。

朝の光の中、しんと湿った森が静かに待っていた。



「さて。森の調査を再開しないとな」



三人の影が、ゆっくりと森の奥へ消えていった。


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