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神「賢者が魔法を使えるなんて、誰が決めた?」  作者: 源泉
第三章:関連ワード「光」「影」——結果が揺らいでいます

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32/43

8 警告:勇者関連データが接近しています

夜の帳が降りる頃、村は昼間よりいっそう賑やかになっていた。


笛の音、太鼓の音、歌う声、笑い声――

森の奥にあるとは思えないほどの明るさが広場に満ちていた。



光の化身は祭壇に据えられたまま、

布をいくつか外され、普段より強い光を放っている。


その光に照らされて、村人たちが思い思いに踊るように歩き、

好きなタイミングで輪に入り、好きなタイミングで抜けていく。


リテナは思わず胸の前で手を組む。

その横でケンサクも、悔しいながら素直に感嘆せざるをえなかった。



(……綺麗だな、この光)



本来はホタルの“元の身体”なのに。


そのホタルはというと、村人にもらった果実酒をちびちび舐め、ご機嫌な様子でふよふよ浮いていた。



「私のボディ、こうして役に立ってるなら……まぁ、いっか〜……!」



さっきまで不満げにしていたのが嘘のように、光をふよふよ揺らしながら浮かんでいる。


村人たちはケンサクとリテナにも料理や果実酒を振る舞い、

少しほろ酔いになりながら二人は談笑していた。


そんなとき――



「ケンサクお兄ちゃん!一緒に回ろうよ!」


「お姉ちゃんも!こっちこっち!」



すっかりと村の子どもに覚えられたケンサクたち。

子どもたちが両手を引っ張り、二人を輪の中へと連れていく。


光の化身の周囲は温かい光で満ち、

足元には灯された小さな火や花びらが散りばめられていた。


リテナは隣でそっと笑う。



「ねぇケンサク、すごく綺麗だね……」



リテナの横顔が光に照らされていて、ケンサクは一瞬言葉を失う。



「……ああ。本当に」



だがその瞬間――



「ねぇねぇ!二人って恋人なの!?」


「えっ!?ち、ちがっ……!」


「ちがうよ!? ケンサクとはその……!」



顔を真っ赤にしてあたふたする二人を見て、子どもたちはキャッキャと笑った。


そこへ、空中でぐるんと回転しながら酔っ払いホタルが乱入する。



「は〜いは〜い!恋人じゃないならさぁ〜……

ケンサクはだれとくっつくのかなぁ〜?えぇ〜〜?」


「おい!! 酔ってるだろ、お前!!」


「のんでないもん〜〜ちょっと気分が光ってるだけ〜〜」


「意味が分からん!!」



ホタルを捕まえようとケンサクが輪の外へ飛び出し、

その慌てた背中を見て、リテナは思わず吹き出した。



「ふふっ……ケンサク、またホタル様に振り回されてる……」



光の輪の中で、リテナだけがそっと笑っていた。



――そのとき。

村の入口のほうからざわめきが起きた。



「勇者様のお連れの魔法使い様がいらっしゃったぞ!!」


「本物だって……!」



歓声混じりのざわめきがどんどん広場へ押し寄せてくる。


ケンサクはホタルを追いかけるのをやめると、その方向に視線を向ける。



(……勇者がこの村に与えたあれの様子を見に来たのか?歓迎されているようだし)



リテナも光の波の向こうで振り向き、不安そうに呟いた。



「……魔法使い様って、あの……勇者様のお仲間、だよね……?」



祭りの温かな空気が、ほんの少しだけ揺らいだ。

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