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さきどり・スクェア(田中オフィス・スピンオフ)  作者: 和子


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№3_涼風(すずかぜ)の号

お久しぶりである。


我輩は神託の霊鳥――文鳥の文一である。


皆の衆、受験勉強は順調であるか? 日々の睡眠と暗記カードの往復に、すでに頭がぐるぐるしておらぬか? だが安心せよ。我輩は草薙三姉妹のみならず、全ての受験生に福音を授ける、いわば合格祈願のお守りのような者じゃ。崇め、称えよ……そして時に笑え。受験に笑いの余白は必要なのじゃ。


さて、今回は冒頭より、我輩の知己を一人紹介しよう。


異国の地より来たりし男、その名は――


「Mr.ウリッキー!」

挿絵(By みてみん)

ひゅるりと涼風のように現れたのは、背広に身を包んだ背の高い外国人ビジネスマンである。金縁の眼鏡をかけ、手にはいつも分厚い自著の英会話本を持ち歩いている。だがその表情は真剣さとおどけが入り混じり、初対面の者には「この人はジョークなのか、それとも本気なのか」と首をかしげさせる、不思議な風格を放っていた。


「ヘロー! エブリバディ!」


彼は朗らかに両手を広げた。「I’m ウリッキー! ラッキーとウリふたつだからウリッキー! 受験は戦い、でも戦いの中にスマイルを忘れないでほしいデス!」


突然の熱弁に、通勤途中のサラリーマンや通学途中の学生たちはぽかんと口を開ける。文一は翼を広げ、誇らしげに宣言した。


「そう、彼こそが新たな福音の伝道者。勉強に疲れたら、Mr.ウリッキーの笑顔を思い出すがよい。さすれば、君らの鉛筆はもう一歩軽やかに進むであろう!」


文一とウリッキーの声が重なり、会場に妙に爽やかな風が吹いた。


こうして「涼風の号」は幕を開けたのであった。



ーー朝の情報バラエティーー

我輩・文一は、翼をパタパタさせながら声を張り上げた。

「諸君、安心せよ!ウリッキーの英語は難解に聞こえるやもしれぬが、そこは我輩が同時通訳してお見せするので安心して欲しい!」


ウリッキーが胸を張って発声した。

「ウリッキーです。ワタシに電話してください、ドウゾよろしく!」

ウリッキーはさらに声を張る。

「実はワタシ、テレビレギュラーの仕事持ってマース!」


彼はおどけて手を振る。

「朝の情報番組『クローズアップ・モーニング』デス! 司会は舟木券一さん、通称フナケンさんですね。スタジオのフナケンさん、グッモーニーン!」


(**場面は、テレビ局のスタジオに切り替わる。**)


明るい照明、朝のさわやかなBGM。しかし中央に立つ司会者・舟木券一は、直立したまま目を閉じている。まるで瞑想の行かんとする仙人のように。


横に立つ女子アナが、慌てて彼の腕を掴んでいつもどおり大きく揺さぶった。

「舟木さん、本番ですよ! 起きてください!」


舟木は微かに眉を動かし、うつらうつらとした声をもらした。

「……え、天気予報は午後から曇り……?」


女子アナは苦笑しつつ観客に向き直った。

「皆さま、『クローズアップ・モーニング』ただいま生放送でお届けしております!」


その瞬間、スタジオのカメラは舟木の半開きの目と、遠い夢を見ているような表情をしっかりと全国に届けてしまったのであった。舟木は叫ぶ

「それでは――国鉄有楽町駅のウリッキーさんにクローズアーップ!」



ーー狩猟(ハンティング)の時間デース!ーー

「それでは――国鉄有楽町駅のウリッキーさんにクローズアーップ!」


台本に目を通していたウリッキーさんが慌ててマイクを持ち直し、笑顔を作る。

「もう投げ返したの? 少しはボールキープしようよ!……まあ、いいわ。早速英語でお話してみましょう。レッツゴー!」


カメラは切り替わり、朝のラッシュでごった返す有楽町駅前。そこに颯爽と立っていたのは、例の外国人ビジネスマン――ウリッキーである。


「オーケー! エブリバディ、カモーン!」


彼は自慢の瞬発力で、人波をすり抜けながらサラリーマンを次々と追いかけ始めた。


「ちょっとインタビュー! ワンミニッツ、オーケー?」


「すいません! 遅刻しちゃうんで!」

「アイキャントスピークイングリッシュ!」


ネクタイを翻しながら逃げ惑う人々。捕まえられても、謎の言葉を残して風のように去っていく。


ウリッキーはなおも全力疾走だ。カメラマンが必死で追いかける。文一は画面の片隅で同時通訳しながら、あきれ顔でつぶやいた。


「ふむ……諸君、わかるであろう。これはもはや街頭インタビューではなく、狩猟である」


この時代――学生たちの間で遅刻の言い訳として流行した言葉があった。


「先生すみません。途中でウリッキーさんにつかまっちゃって……」


教師もまた苦笑しつつ、「それは仕方ないな」と許してしまうほど、国民的な口実となっていったという。



ーー今日の犠牲者ーー

「……あそこにバンビちゃんがいまーす。ハーイ、ちょっとお時間よろしいですか!」


ウリッキーが声をかける先にいたのは、草薙姉妹の長女、いちき(市杵)であった。


文一とともに、ネクタイを揺らし突進してくるウリッキー。これを避けるようにサラリーマン、学生たちが左右に離れていく――その中に草薙いちきの姿がロックオンされた。


いちきはややあきらめ顔で立ち止まった。

「またなんか変なこと企んでるのね……」


文一は翼を羽ばたかせ、少し誇らしげに説明する。

「諸君、見よ! 本日、我輩は草薙姉妹の長女も巻き込み、英語スキルと瞬発力を試す任務に赴くのである!」


いちきの目には微かな警戒が光る。だがそれと同時に、日ごろの学習成果を試せる絶好のチャンスだと感じていた。

「……よし、やるわよ」


こうして、今日もまた有楽町駅前では、追いかけっこと語学試練の奇妙なコラボレーションが始まったのであった。



ーー朝の英会話勝負!--

ゴングが鳴った(ような気がした)

ウリッキー:Good morning. It's a beautiful day today. Please give me a moment.

いちき:Good morning. I'm on my way to school and in a hurry. I don't have time to deal with a man carrying a strange bird. Can I go now?


「ストレンジバードだと?!」


文一は翼を大きく広げ、勢いよく叫んだ。

「ウリッキーさん、この女は手ごわいぞ! もっと難しい質問を出してやれ!」


その声に、ウリッキーはニヤリと笑う。

「オーケー、チャレンジ! グッドラック!」


文一は諸君に向かってさらに宣言する。

「いちきよ、困っている外国人旅行客に失礼なことを言ってはいかんぞ! 我輩が見守る!」


いちきは深く息をつき、やれやれという表情で肩をすくめた。

いちきは小さくため息をついた。

「……もう、しょうがないわね」


彼女は相手の出方を冷静に待つことにした。街のざわめき、逃げ惑うサラリーマン、カメラのフラッシュ、そしてウリッキーの奇妙な笑顔。


いちきはここで、自分の学習成果と判断力を試す絶好の瞬間が来たのだと悟った。

「……負けないわよ!」


文一の声が遠くから響く。

「よし、いざ勝負の時じゃ!」


こうして、有楽町駅前の小さな戦場には、冷静な草薙姉妹の長女と、怪しい外国人ビジネスマン、そして守護者(ジャッジ)文一の三者が揃ったのであった。



ーーストリートファイトーー

いちきが挑発する

Well, feel free to come anytime.


少し遊びすぎたか、とウリッキーは高速パンチを繰り出す。

I'm a poor foreign tourist. I lost my wallet and got lost. I want to go to Asakusa Kaminarimon. But before that, I want to go to the police station.


いちきは状況を把握し答える。

First, the police station is located right next to Yurakucho Station. Please report your lost wallet there. Then, borrow some money from the police and buy a train ticket at the station. From Yurakucho, take the Yamanote Line to Ueno, then take the Ginza Line subway from Ueno to Asakusa. Kaminarimon is nearby.


うまく答えられたので、ウリッキーは発音を攻める

「ファースト、Fの発音ね。エ・フ――」下唇を前歯で噛んで顔をいちきの方へ突き出す。


いちきは思わずのけぞるが、さらに前に出て発音の口を見せ付ける・

「ルックルック!エ・フ(F)ね!OK、サンキュー、これボクが書いた本プレゼントします」

そう言って、「ウリッキーのワンポイント英会話」というタイトルの本をいちきに渡した。


ウリッキーは「ハバナイスデー!」と叫んで去っていく。文一はボヤキともいえる言葉を発する。

「こういうときは、こういうんだろうな『覚えてろよー!』」そして何処ともなく姿を消した。



ーー追いついた二人ーー

その時、遅れてやってきた二人の姿があった。


草薙三姉妹の次女・たきり(田心)と三女・たぎつ(湍津)である。


二人は仲良く手をつなぎ、駅前の雑踏をゆっくりと抜けてくる。だが、その歩き方はどこか奇妙だった。


たきりは、目を落として分厚い青尾の豆単を読みふけっている。片手で豆単を持ち、空いている指で器用にページをめくるたび、眉間にしわを寄せ、小声で単語をつぶやく。


一方のたぎつは、耳にウォークマンのヘッドホンをはめ、リズムを刻みながら夢中で音楽の世界に浸っている。まるで現実など存在しないかのように。


彼女たちは、互いに「注意力の不足」を補い合っていた。

――たきりは周囲を見ずに歩く。だから、たぎつが手を引いて人混みをよける。

――たぎつは音に耳をふさぎ、呼びかけにも気づかない。だから、たきりが強く握って方向を修正する。


二人が並んで歩く姿は、まるで一人の完全な人間のようであった。学問と音楽、集中と無頓着――相反する要素が手をつなぎ、駅前の風景に独特のリズムを刻んでいた。


そして、その先には――先ほどまで、文一とウリッキー、この二人との壮絶な英語バトルを制したいちきが待っていたのである。

挿絵(By みてみん)




ーーいちきのガチ英語ーー

駅前で立ち止まるいちきの姿を見て、遅れてきた二人が顔を見合わせた。


たきりが、豆単を閉じながらぼそりと言う。

「……なんか、いちきだけリラックスコーナーじゃないわね」


たぎつはヘッドホンをずらし、口元に笑みを浮かべた。

「そりゃそうよ。いちきは英語ガチ勢だからね。ペーパーバックなんて擦り切れるほど読んでるんだから」

そしておどけた調子で、片手と顎を突き出し、舞台俳優のように声を張った。

「この――アントニオ・イチキ!」

まるで異国の英雄にするような呼びかけに対して、英語で応じる。


「1・2・3、How are you?!(元気ですか)」


その場にいた人々の視線が、一斉にいちきに集まった。


***

英語レッスンの極意は、明確な目標設定、基礎的な単語と文法の習得、インプットとアウトプットのバランス、そして教材の繰り返し学習にあります。さらに、具体的なテーマで話題を準備して積極的に会話に参加し、学習を継続するための環境や計画を整えることが重要です。


1. 目標設定と基礎固め

具体的な目標を設定する:

「TOEICで〇〇点取る」「海外旅行で〇〇を話せるようになる」など、期限付きで具体的な目標を立てると、必要な単語や勉強法が明確になり、学習のモチベーションが維持されます。

基礎を徹底する:

単語と文法をしっかり身につけることが、効率的な学習の基盤となります。中学レベルの基礎をマスターすることが重要です。


2. 効果的なインプットとアウトプット

単語学習は「見る、聞く、動く」で:

単語を覚える際は、見るだけでなく、音を聞き、実際に声に出して使うことで定着率が高まります。

教材を絞り、繰り返し活用する:

複数の教材に手を出すのではなく、一つの教材を繰り返し学習し、内容を定着させることが大切です。

積極的にアウトプットする機会を作る:

レッスン中は、準備した単語やフレーズを積極的に使い、講師に質問したり意見を述べたりしましょう。

「ネタ」を仕込んでおく:

自分が好きな映画や趣味など、相手の興味を引く話題を事前に準備しておくと、会話が弾み、コミュニケーションが円滑になります。


3. 継続と楽しむ姿勢

・スキマ時間を活用する:

毎日少しずつでも学習を積み重ねることが、大きな成果につながります。

・学習計画を立て、無理のない範囲で継続する:

ストレスになるような過度な計画は避け、日常生活に組み込む形で継続することが大切です。

・レッスンを楽しむ:

オンライン英会話などは、学びの場だけでなく、相手との「会話」を楽しむ気持ちを持つことが重要です。

・興味のあるテーマで学ぶ:

自分の趣味や関心のあるテーマを設定し、フリートークで積極的に議論することで、語彙力も効率的に増やすことができます。



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