表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

459/617

388話:異世界召喚の力


「ふーん……トーヤは2回目の異世界転移なんだ? あーしには、良く解らないけど」


 佐藤誠(さとうまこと)小鳥遊優里亜(たかなしゆりあ)水原七瀬(みずはらななせ)が加わって、一気に騒がしくなる。

 3人は『自由迷宮(フリーダンジョン)』から帰って来たところらしい。


他の客たちがこっちをも見ているけど、気にしているのは誠くらいで。藤崎冬也(ふじさきとうや)は優里亜の勢いに完全に押されている感じだ。


「良く解らないって……アリウス先輩、こいつらの相手をするのって疲れませんか?」


「もしかしてトーヤは、あーしたちをディスってる? ところでトーヤは何でアリウスを先輩って呼んでんの?」


 優里亜の言葉に、誠と七瀬が冬也に注目する。俺の個人情報だからか、冬也は応えるのを躊躇(ためら)っているけど。


「前世の俺――おまえたちの世界で俺が卒業した大学と、冬也が通っている大学が同じなんだよ」


「そうなんですね。お2人の大学って、どこなんですか?」


「○○大だけど」


 冬也がボソリと言う。


「え! ○○大って……凄いじゃないですか!」


 優里亜と七瀬も驚いている。まあ、それなりに有名な大学だからな。


「へー……トーヤって頭良いんだ! アリウスはそんな感じだけど」


「なあ、おまえさ……さっきから聞いていれば、俺のことを馬鹿にしているのか? 俺の方がどう見ても年上だろう。少しは言葉の使い方を気をつけろ」


 冬也は彼を先輩と呼ぶくらいだから、上下関係を気にするんだな。だけど相手が優里亜だと、そんな感覚が通用する筈もなく。


「言葉の使い方って? 別に馬鹿になんてしてないし、トーヤは細かいんだね。あーしは他の喋り方なんて知らないから、別に構わないっしょ!」


「優里亜さん! それは自分で言うことじゃないでしょう!」


 誠が見かねて2人の間に入ろうとする。


「マコっちも細かいよね? ふーん……あーしじゃなくて、トーヤの味方をするんだ?」


 優里亜が悪戯っぽく笑う。


「いや、僕はそういうつもりじゃ……今回、悪いのは優里亜さんだから」


 これじゃ、埒が明かないな。


「冬也、優里亜は悪気がある訳じゃないからな。結構良い奴だから、大目に見てやってくれよ。優里亜も、おまえの喋り方を気にする奴はいるからな。止めろとは言わないけど、相手次第じゃトラブルになるから、反応を見ながら喋れよ」


「えー……人の反応を見ながら喋るって面倒じゃない?」


「仲間内なら、その必要はないかも知れないけど。この世界には、おまえたちがいた世界より固い奴や手が早い奴が多いから、余計なトラブルに巻き込まれるぞ」


 俺が言うなって話だけど。俺だって相手や状況次第で、態度や言葉遣いを変える。


「そこは大丈夫っしょ。あーしがトラブルに巻き込まれたら、マコっちが助けてくれるから!」


 優里亜がニヤリと笑って、誠の腕に抱きつく。


「ちょ、ちょっと、優里亜さん! 僕に丸投げしないでくださいよ!」


 優里亜にとっては普通のスキンシップでも、誠には刺激が強過ぎるのか顔が赤い。まあ、優里亜も解った上でやっているみたいだけど。


 誠と優里亜のやり取りに、冬也は馬鹿らしくなったのか顔を背ける。


「冬也さん。優里亜も誠もホント、根は悪くないんで。許してあげてください!」


 七瀬が両手を合わせて、お願いのポーズをする。


「……俺も大人げなかったよ。年下が相手なんだから、俺の方が大人にならないとな」


 美少女の七瀬にお願いされて、冬也も満更じゃないみたいだな。


※ ※ ※ ※


「勇者のように『神』のような存在から、誰がが『異世界召喚の力』を与えられた可能性な……うちも考えなかった訳やないけど」


 その日のうちに、俺は冬也から聞いた話の概要をエリクとアリサに『伝言メッセージ』で伝えて。翌日、アリサと詳しい話をすることにした。


「これだけ大量の異世界転移者が出現してるんやし。異世界召喚ができる奴がおったら、噂になっとる筈やけど。そういう話は一切聞かへんからな」


「異世界転移させている黒幕が『神たちのルール』に基づいて行動しているなら、十分考えられる話なんだ」


 ルールによって『神たち』は、この世界に直接干渉ではない。勇者のスキルも『与えられる』という点では、この世界のスキルの常識と異なるけど。勇者のスキル自体が、この世界のスキルや魔王の法則から外れている訳じゃない。


 例えば『勇者の心(ブレイブハート)』は狂戦士(バーサーカー)させることで、ステータスを大幅に向上させるスキルだけど。狂戦士(バーサーカー)させたり、ステータスを向上させるスキルや魔法は他にも存在する。


 それに対して異世界転生や異世界言転移は、この世界に存在しないモノを呼び出すことになる。

 この世界にも召喚魔法は存在して悪魔や天使、精霊などを召喚することもできるけど。魔界と天界、精霊界もこの世界の一部だ。


 『神たち』は『神たちのルール』云々の前に、異世界転生させる力も異世界転移させる力ないって話だけど。


「まあ、アリウスはんが正体すら掴めん『神』みたいな存在が、異世界転移させているならお手上げやから。『異世界召喚の力』を与えられた奴を探す方が、まだ可能性があるか。解ったわ。少しやり方を変えて、探ってみるで」


 その後、エリクにも直接会って話をしたけど。反応はアリサと同じようなモノで。

 『異世界召喚の力』を与えられた奴が存在したしても、相当用心深いか。組織ぐるみで隠蔽しているってところだろう。


書籍版『恋愛魔法学院』2巻発売!コミカライズ企画も進行中です!

各種情報はX(旧Twitter) で公開しています!

https://twitter.com/TOYOZO_OKAMURA


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ