第2話
ドアを開けると靴が3つ揃っていた。
どうやら俺が最後だったらしい。リビングに行くとテーブルを囲むように3人が座っていた。
「早くしなさいよ、またくたびれたわ」
ちょっと目つきは悪いが可愛らしいショートカットの女性が言った。
集合時間には遅れていないはずであるがやはり東京の人は怖い。
「すいません」
と謝っておいた。
「まぁまぁ時間に遅れてるわけじゃないし、これから一緒に暮らすんだから仲良くしましょう。」
髪の長いとても綺麗な顔の女性がそう言ってくれた。
あまり女子に免疫のない俺は早速惚れそうになってしまった。先が不安だ。
「とりあえず自己紹介を済ませましょう」
いかにも東京にいそうな顔の整ったかっこいい男性がそう言った。
くそ、悔しいが本当にカッコいい。だがまだ諦めない男は中身だと自分に言い聞かせた。
「じゃあ私から行くわね。一回しか言わないからよく覚えたきなさい。仮屋かな、よ。歳は18もし私に変なことしたらただじゃおかないから覚えておきなさい。」
また睨まれてしまった、どうやら第一印象で変態と認識されていたらしい。まぁ間違ってはいないのだがとても悲しくなる。
「じゃ次は私かな。私の名前は水野カエデ歳は20歳。
見た感じだと1番年上かな。みんなに頼られるよう頑張らなきゃだね。よろしく」
といい微笑んだ、やはり天使である。ほんとになぜ仮屋かなとこんなにも違うのか、、、
「じゃあ次は僕ですね。僕は丸井カナト、19歳です。
みんなと家族のように仲良くなりたいです。これからよろしくお願いします。」
彼が自己紹介をしている間目つきが悪かったはずの仮屋がとろんとした目で見ていた。結局世の中は顔であった。
そして最後に俺の自己紹介の番が回ってきた。
「え、えっと大石りんたろうです。歳は18です。みんなと仲良くなれたら嬉しいです。よろしくお願いします。」
こうやって人前に立つことが苦手な俺にとって自己紹介は生き地獄である。それに加えて仮屋も睨んでいる。
あぁ地獄だ。ほんとにうまくやっていけるのだろうか。と本当に心配になる自己紹介であった。