コント「スーパー銭湯」
マイクを持ったリポーターとスーツ姿の男。
ツッコミ「はい!今週の『ぶらり街角リポート』は、明日オープンするスーパー銭湯『極上の湯』に来ております。こちら、支配人の東上さんです。こんにちは」
ボケ「どうも、お湯は極上、ボク東上でおなじみ、支配人の東上です!」
ツッコミ「おなじみかはわかりませんけれども……。では、早速中へ入らせていただいて……おっ、これは広いですね、ゲタ箱がたくさんあります!」
ボケ「当店はゲタ箱の数が1000個あるんですよ」
ツッコミ「なんと1000個!」
ボケ「そして、ゲタ箱の横にはブタ箱も完備しております」
ツッコミ「物騒!」
ボケ「至れり尽くせりのおもてなしということでね」
ツッコミ「意味があってるかはわかりませんが……。まぁ、それだけ設備が充実しているということですね。で、受付を抜けますと、いきなり通路の両脇に流れる水路!足をひたせるコーナーなんかもありまして、東上さん、これはもちろん足湯……」
ボケ「いえ、下水です」
ツッコミ「え?」
ボケ「下水……まぁ、汚水といいますか」
ツッコミ「言い換えなくて結構です……なんでわざわざ!」
ボケ「安心してください、ドクターフィッシュ放し飼いしてますから」
ツッコミ「そこまで万能じゃないでしょ、ドクターフィッシュは……。えー、そんなこんなでいよいよ大浴場!ここはなんと天然温泉なんですよね!」
ボケ「そうです、源泉垂れ流し」
ツッコミ「源泉かけ流しですね……温泉の効能は?」
ボケ「効能はいくつかありまして」
ツッコミ「はい」
ボケ「まず、体があったまる。次に、さっぱりする」
ツッコミ「温泉というか入浴全般ですよね、それは」
ボケ「指がふやける」
ツッコミ「効能?」
ボケ「いつまでも裸でいると湯冷めする」
ツッコミ「もはや注意事項だ」
ボケ「なんというか……ほっこりする」
ツッコミ「ざっくりしてんな!本当に温泉なんですか?」
ボケ「温泉ですよ!地下の水道管から出てますから」
ツッコミ「水道水だよ、それは!もういいです……あの、露天風呂もあるんですよね」
ボケ「そうです、ウチの自慢の露天風呂!」
ツッコミ「こちらの扉をくぐると……わー!」
ボケ「開放感あるでしょう?ガラス張りの向こうは見渡す限りの大通り」
ツッコミ「通行人から丸見え!もはや露天風呂というより露出風呂ですよ」
ボケ「いやぁこれは絶対に気持ちいいですよ……考えただけでゾクゾクしてくる」
ツッコミ「あの……それ、お風呂の気持ちよさじゃないですよね?」
ボケ「もういっそ、今脱いじゃっていいすか?」
ツッコミ「誰かこいつを捕まえろ!……あ、すいません、つい……。えー、気を取り直して!こちら、サウナもあると聞いてますが」
ボケ「そうなんです、今流行りの塩サウナ!こちらです」
ツッコミ「おー、これは広い……この横倒しの棒はなんですか?鉄棒?」
ボケ「これはですね、こうやって体全体で棒に抱きつきまして」
ツッコミ「ほう」
ボケ「そうすると、棒がゆっくり回るんですね、それに合わせて体もこう回って」
ツッコミ「……肉の丸焼きのやり方!」
ボケ「いいですよ、余分なアブラも落ちてヘルシーで」
ツッコミ「食う前提になってる!」
ボケ「で、必要に応じてこちらの塩を体にすり込んでいただいて」
ツッコミ「塩サウナってそういうこと?味つけ?」
ボケ「どうです?なかなかレアでしょう?」
ツッコミ「焼き加減にしか聞こえないよ!」
ボケ「でね、塩サウナのほかにウチには砂風呂もあるんです」
ツッコミ「唐突に話題を振ってきた……ほうほう、砂風呂、いいですね」
ボケ「ウチの特色としまして、砂風呂に入ったままお食事が楽しめるんです!」
ツッコミ「え?」
ボケ「お客様は砂から頭だけ出した状態で、あとは従業員が口まで料理を運びます」
ツッコミ「……ブロイラーの飼育方法!なにがしたいんだよ!」
ボケ「そっちこそなんですかさっきから!まったく、人を食ったような言い方して!」
ツッコミ「食おうとしてるんだよ、あんたが!……もういいです、シメましょう。最後はやっぱり、銭湯といえば……」
ボケ「風呂上がりのコーヒー牛乳」
ツッコミ「ですよね~!渇いた体に染み渡る……」
ボケ「はい、コーヒー牛乳味の飴」
ツッコミ「もっとパッサパサになるわ!さらに水分奪ってどうすんだ!」
ボケ「フルーツ牛乳味もありますよ」
ツッコミ「味っていう時点で飴だろ!もういいよ!なんなんだよ、この銭湯!」
ボケ「そっちこそ取材に来といてなんなんだ!おい!こいつをゲタ箱の横のブタ箱にぶちこめ!」
ツッコミ「至れり尽くせりだな!」
どうも、ありがとうございました~。