訓練
「ハヤミ、朝食はいるか?昨日は夕食を食べずに寝たから腹もすい……」
「ん?どうした?」
「…ハヤミ、上着を着てくれ。目のやり場の困る」
顔を真っ赤にしてそういうのでよほど怒っていたのだろう。俺はすぐさま上着を着てきた。
「朝食はいるけどどこで食べるんだ?」
「一応ハヤミは客人だしな。ちゃんとした部屋が用意されてるぞ」
そうして俺は右を見ても左を見ても宝石などによってキラキラしている廊下を歩き、食事をする部屋へとたどり着いた。
入るとそこには豪勢なテーブルとイスがいくも用意されていてテーブルの上には美味しそうな料理がたくさん並んでいた。そして、俺以外にも客人がいたのか先に金髪の美丈夫と金髪の美女が座っていた。
「まあ、あなたがハヤミさんね!よろしくね!
私はそこのバカ息子のお母様だからハヤミさんもお母様って呼んでくださいね」
どうゆう意味だ?とりあえずお母様って呼べばいいのかな?
「ちょっ…母上、何言ってるんですか!」
「まあまあ、アレンよりはぶっ飛んだこと言ってないから大丈夫だぞ」
アレンは「俺、そんなこと言ったか?」って顔で俺を見てくる。いや、散々人のことひょろひょろ女って言ってたこともう忘れてんのか。
「それでハヤミさん、呼んでくれるのですか?」
「はい、お母様」
金髪の美女が笑みを浮かべながら頬に手を添える。
「まあ、何て可愛いのでしょう!ダーリンもそう思いません?」
金髪の美丈夫も頷きながら納得する。
「ああ、バカ息子には勿体ないくらいいい子だな。ハヤミさん、ワタシのことはお父様と呼んでくれないか?」
「はい、いいですよ。お父様」
「アレン、ハヤミさんのこと大切にするんだぞ!」
「…はい」
アレンは項垂れながら返事をした。
それにしてもアレンの両親はお父様とお母様って呼ばれるのが好きなんだな。まあ、アレンがそう呼んでくれないから他に人にでもいいから呼んで欲しいと思っているのかもしれない。
こうしている間に食事を終え俺とアレンは訓練場へと向かった。
◇
「今日は人数多いな!どうしてだ?」
「今日は騎士団が訓練をする日だからな」
アレン、お前も騎士だろ。何平然と俺の隣にいるんだよ。
まさかサボろうとしてたのか。
俺はアレンにチョップをかます。
「痛いな!何するんだよ!」
「アレンは馬鹿なのか!訓練をサボるやつと俺が勝負すると思うのか?」
「っ!けど昨日の約束は嘘になるじゃないか!」
アレンは狼狽えながらも反論してくる。
「そんなもん、訓練の後にやればいいだろ
ほらほら、さっさと行くぞ。他の人に迷惑かけてんだから」
アレンの腕を掴みながら集団の方へと歩いていった。
「えっと…騎士団の皆さますみません。アレンはお返ししますのでどうぞ訓練を始めてください」
騎士団の方達はポカーンとした表情で俺たちを見ている。
「アレン、何か言うことあるんじゃないか?」
「…訓練をサボろうとしてすみませんでした」
騎士団の方達は聞き間違いかと思って周りで確認しあったり、夢だと思って周りで頬をつねりあったりと凄い光景だった。
懲らしめてやらねばいけないほどのヤンチャな子が謝ったのだから当然かもしれない。
「アレン、普段からどんな振る舞いしてたんだよ!みんな凄く驚いているぞ」
「もう反省したんだからいいだろ!」
文句を垂れ流してきた。
まあ、反省してるんだったらいっか。
そういえば、俺も訓練に参加していいのかな?まだまだ強くなりたいからいろんな経験を積んでおきたいし。
「すみません。俺も訓練に参加してもいいですか?」
その瞬間、全員が俺の方へと視線を向ける。
ん?俺、悪いことでもいったかな?
すると1人の騎士が優しく言ってきた。
「お嬢ちゃんはちょっと戦闘に向かないからあっちで休憩してもらえるかな?」
うーん、やっぱり無理なのかー。残念だな。
うん?お嬢ちゃんって言われて怒らないのかって?いやいや俺のことを思って言ってくれている人に怒るわけないだろ。アレンとジークは例外だけどな。
「いや、ハヤミは俺より強いぞ」
アレンがそう言うと騎士団の人全員が驚愕の顔をして俺の方を向いてきた。
「昨日なんてボコボコにされたぜ」
何言ってんだよ、アレン。言うほどボコボコにしてないだろ。たぶん
先程優しく言ってきた騎士が生まれたての子鹿のように足をガクガクと揺らしながら謝ってくる。
「先程はすみませんでした!。訓練の方はどうぞご自由に入ってください!」
腰を90度にしてお辞儀をしてきた。
いや、そこまでしなくて良いと思うぞ。
けど訓練に参加できるのは嬉しいな。
俺は頬を指でポリポリとかいて照れながらもお礼を言う。
「ありがとな!」
すると、何人かの騎士が頬を真っ赤に染めたのでもしかしたら気に入らなくて怒っているのかもしれないな。訓練の時は気をつけよう。
こうして俺は訓練に参加することが出来たのだった。
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