気晴らし
俺は意識が戻ると知らない天井ではなく、
綺麗な青空と見覚えのある顔がそこにはあった。
「あ、ハヤミさん。おはようございます」
シユは俺の顔を覗き込んで笑顔で言ってきた。
その圧倒的破壊力の笑顔に頬を淡く染めて
カワイイ!!
と心の中で呟いていた。
そして今、俺は現状を理解する。
何とシユに膝枕されていたのだ。
銀髪美少女に膝枕されるなんて他の男が見たら凄く羨ましがる光景だが、俺は男なので諦め名残惜しいが起き上がる。
周りを見回すとここは中央の噴水の近くにある大樹の下だった。
すると他の方からも声が聞こえてくる。
「ハヤミ、やっと起きたか」
今、1番顔を合わせたくない人物が歩いてきていた。
俺は目が合わないように俯く。
「それで体調どうだ?」
「…大丈夫だ」
「なら、よかった。報酬が配布されてるらしいからちゃんと見とけよ」
ジークは少し悲しそうに言って去ろうとする。
長い付き合いだからもしかしたら俺が気まずいと思っていることに気が付いているのかもしれない。だからなるべく早く去ろうとしているのだろう。ジークは俺を助けてくれただけなのに気を使わせるなんて最低だな。
俺は去ろうとするジークの服の袖を掴んで引き止めた。
「…えっと…その…助けてくれてありがとな。お礼になんかするから期待しといてくれよな」
「どういたまして、元気になったんなら良かったぜ!お礼期待しておくな!」
そして、そのまま去っていった。
うーんやっぱり気を使わせたよな。
後でお礼考えないと。
そうしてシユの方に視線を戻すと微笑ましいものを見るような顔していた。
何でだ?
「シユ、今日はありがとな。とりあえず今日はログアウトしておくな」
「どういたしまして、元気になったらいつでも顔を出してくださいね!」
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次の日
俺は気晴らしに初心者の町を散歩していた。
頭を整理するためでもあるが町を歩き回ってみたかったためでもある。
そういえば昨日報酬確認しとけって言ってたよな。
俺はそれを思い出しメニューから確認する。
疾風の短剣
STR 10 AGI 15
効果
装備者のAGIに応じてSTRがアップする。
ストームナイフとセットで装備すると
追加でDEX 10アップする。
ストームナイフ
STR 20 AGI 5
効果
装備者のレベルに応じてMPがアップする。
疾風の短剣とセットで装備すると
追加でDEX 10アップする。
強すぎじゃね!
俺が今装備してる短剣STR 10アップだぞ。
てか俺と相性が凄くいいなこれ。
とりあえず装備っと。
気になったのでステータスを確認してみると
名前︰ハヤミ Lv14
HP140/140 MP84/84
ジョブ︰暗殺者
STR 81 VIT 15 DEX 52 AGI 114
INT 14
-スキル-
ジョブスキル
投擲、不意打ち
ニュートラルスキル
気配遮断
ユニークスキル
武装 Lv3
ブースト Lv1
予想以上の結果にガッツポーズをして喜んだ。
AGI3桁代はかなり嬉しいな。
このままAGIに振っていくか。
そして、散歩の続き始める。
周りには中世の街並みや商売が盛んに行われている露店、そこを通る武器を持った人達などファンタジー世界でよくある光景だがだからこそワクワクする。
こうなんか路地裏とか行くと凄腕鍛冶師とか居そうだしな。
「そこのお嬢さん」
とりあえず路地裏から回ってみようかな。
「そこのお嬢ちゃん」
よしならあそこからだな。
近くの路地裏に向かって歩こうとしたが止められた。
「そこのお嬢ちゃん、そろそろ話を聞いてくれんかのう」
「ん?俺のことか?」
ローブ着た白髪のおじいさんに声をかけられた。
「そうじゃそうじゃお嬢ちゃんじゃちょっと頼まれごとをしてくれんかのう」
見たところNPCだからクエストに関係するかもしれないな。
「いいぞ、何をすればいいんだ」
「いいお嬢ちゃんじゃのう。頼みごとというのはのう、ある坊主を懲らしめて欲しいのじゃ。最近、自信過剰になってのう。手がつけられんのじゃ。場所は儂が転移させるから大丈夫じゃよ」
「わかった。早速行こうぜ!」
今、俺は弱い。
昨日の戦いの思い知らされた。
1つでも経験積んでおいた方が何倍も良くなるはずだ。
「それじゃあ行くかのう。次元魔術 《テレポート》」
こうして俺は見知らぬ土地へと向かったのだった。
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