探索
次の日の朝、俺は身支度を済ませて“アルヘル”をするためにVR機器を取った。
今、俺の学校は絶賛夏休み中だ。おかげさまでこうして朝から“アルヘル”をすることができる。
「今日はとりあえず違うエリアまで行ってみるか!それに今日こそはあの不遇スキルを使いこなしてやるぞ!!」
今日の目標立て、意気揚々となった瞬介は今日も“アルヘル”をプレイする。
『 アルティメット・ヘルト・オンラインへようこそ』
いつもの機械音が流れ、目の前には中世の街並みが広がっている。昨日と比べると人数少し少なそうだ。さすがに朝からやるのはキツい人もいるのだろう。
そして俺は街中を歩いて街門へと向かう。
その途中、色んな人に見られているような気がしたが気のせいだろっと思い、そのまま歩いて街門に到着する。
すると後ろから俺の名前が呼ばれてくるのが聞こえる。
「あ、ハヤミ姉さんおはようっス!昨日ぶりっスね!」
昨日知り合ったトーマであった。トーマは見た目こそヤンチャな少年だが、中身はすごく良い奴だ。昨日知り合ったばかりなのにまるでずっと友達だったかのように気軽に話せるのでトーマのコミュ力は相当高いんだろう。
「トーマおはよう!朝から元気だな!」
と俺は笑顔で言う。すると、トーマの頬が少し赤くなったような気がした。まあ、気のせいだろ。そういえば、何でトーマがここにいるんだろ?俺と一緒でスキルの練習するためかな?いや、それともモンスターを倒してレベリングか?聞いてみた方が早いな
「トーマは何でここにいるんだ?」
「俺はっスね!ある人と一緒にダンジョンに行くんでここで待ってるんすよ!」
トーマは友人を待っているだけだったようだ。いや、それよりも!
「ダンジョン何かあるのか!?」
「あれ?ハヤミ姉さん、ジークさんから聞いてないんスか?昨日ジークさんと一緒に草原エリアの奥にある森林エリアを探索してたら運がいいことに見つけたんスよ!!」
「ああ、初耳だな。たぶん、ジークのことだろうから今日俺に言おうと思ってたんじゃないか?」
「マジっスか!それは悪いことしたっス!後でジークさんに謝っておきますっス!」
「気にしなくていいと思うぞ!ジークはそう言うの気にしないと思うし、それにあいつならトーマの役に立てて良かったとか笑顔でいいそうだからな!」
「マジっスか!ジークさんマジ神っスね!」
「いや、カッコつけたいだけだろ」
それにジークはたしかに良い奴だが調子に乗るとかなりウザイからな。昨日だってあのまま逃げられたし、とりあえず今日あったら1発殴ろう!
「あ!ハヤミ姉さん、エリアに行こうとしてたんスよね!足止めして申し訳ないっス!」
「え!ああ、全然大丈夫だぞ!トーマがダンジョンのこと話してくれたから寧ろ俺がお礼を言いたいぐらいだよ!ありがとな!」
俺は感謝の気持ちを込めて笑顔でトーマにお礼を言うと草原エリアに向かっていく。
「ハヤミ姉さん!昨日フレンド申請しておいたんで何か困ったことあったら連絡よろしくっス!」
「わかった!そんときはよろしく頼むな!」
そういいながら俺は街門を出ていった
そして残された茶髪の少年は
「ハヤミ姉さん、可愛すぎっしょ」
と呟き、ほんのりと頬を赤に染めていた
そして、俺は草原エリアで軽くイージーラビット3匹くらい倒してから
奥にある森林エリアに来ていた。そこは草木が生い茂っているジャングルみたいな場所だった。辺りを見回すと草原エリアでは見つけられなかった採取ポイントがある。
「採取ポイントがあるってことは薬草とか取れんのかな?」
そう言って俺は気づいてしまう。初心者でも分かるようなことをしていないことに。一応ボックスを確認してみたがなかった。それは
「どうしよう!回復アイテムがない!」
回復アイテムを持ち物に入れていないことだ。しかし、今まで気づかなかったのも無理もない話である。何故なら、このゲームでは街でログアウトするとキャラが自動回復するのである。すぐに全回復するわけじゃないが
お金の節約になるので大抵のプレイヤーはこのシステムを利用している。これを知らずに利用していたので仕方ないのである。
「初めて来たエリアだからどんなモンスターがいるか分からないし慎重に行こ。それから安全そうだったら採取ポイントを漁っていくか」
そう言って周りを見ると茂みや木の葉っぱなどがガサガサっと動いている。俺は息を飲んで目を凝らして見ると黄色のサル型モンスター『イエローモンキー』と表示されているモンスターがいた。
俺は手に持っている短剣を構えてスキル発動し、イエローモンキーに近づいていく
「スキル《気配遮断》」
そして、ゆっくりと忍び足で相手の背後に歩いていく。背後を取ると短剣をイエローモンキーに刺し1発で仕留める。イエローモンキーは驚いたような鳴き声してから光になって消えていった。
「ふぅー」
俺は安心して息を吐いた。初めてエリアで急にモンスターを発見したためいつもより、緊張し、強ばっていたようだ。
「よし!次に行くか!」
そう言って森林エリアの探索を始めた。
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