約束
レイきゅんは目に涙を浮かべながら、私の顔を見つめている…
どうすれば良いのだろう?
どう答えれば良いのだろう?
勿論、ずっとローランの事は忘れられない。
きっとこの先も、彼を忘却する事はないと思う。
今のレイきゅんに対する意識は恋愛のそれではない。
母が子を、姉が弟を想う気持ち。
それに近いだろうとは認識している。
でも、こんな年端もいかない小さな彼に、それを伝えて良いのだろうか?
正直、私には解らない。
だけど、こんな小さな彼が好意を寄せてくれている。
恥ずかしくて堪らない筈なのに、私の事を好きだと言ってくれている。
だからこそ!
ちゃんと、伝えておこう。
やっと考えが纏まった。
「レイきゅん、聞いて? 私…大人になった貴方やローランの事を知っているの」
「大人になった…ボク…?」
「そうだよ。 そして、私は貴方じゃなくて…ローランの事が好きになったの」
「ボクは…セーラお姉ちゃんと…恋人に…なれなかった?」
レイきゅんの瞳からは堪えきれず、涙が溢れ始めた。
思わず手を伸ばし、私はその頭を胸で抱いていた。
「うん…ごめんね。でも…」
「嫌だ…。ボクは…セーラお姉ちゃんが…」
私の顔を見上げるレイきゅん。
その瞳からは諦めない想いが伝わる。
女冥利に尽きるって、これなのかもしれない。
「でもね…? 今のレイきゅんが大人になった時、もしローランより素敵な人になっていたら…その時は貴方の事を好きになる。 きっと貴方と恋人になる」
「…ホント?」
「うん、本当。 約束!」
まだ小さな彼の指に、私は自分の指を絡めた。
その温かい掌が心地良い。
「これは『指きり』って言って、私の国では大切な約束をする時にこうするの。 だから、絶対に素敵になってくれる?」
「…うん。約束…する! セーラお姉ちゃんが…ボクを好きになる様…頑張る」
そこまで言うと泣き声は薄れ、いつしか寝息に変わる。
(もし…その時は…許してね、ローラン。)
私は心の中だけでそっと呟いた。
「セーラっち…ありがと」
レイきゅんの身体の向こうから、デューレが笑みを見せる。
そして、彼女も背中から彼を抱きしめたのだった。
「良かったね…レイきゅん。2人目の恋人ゲットだし、みんなで3Pが出来るよ!」
ん?
んん?
って…え?ええーッ?
イイ感じに締めて終わらせたつもりが、残念エルフは全てをぶち壊してくれました。
何ですかコレ…やだも〜ッ!!




