後考
飛竜の大群を駆逐したリタ。
いったいどうすれば…ここまで凄まじい事が出来るのか?
私やデューレの様に、直接に攻撃をしていた訳ではないと思う。
仮に魔法などを使っていたとしても、遠く離れた位置にいた飛竜までがダメージを受けしたりはしない筈だ。
まさか、リタが飛竜に施したのは呪い…な訳でもあるまいし。
「あれは闇の属性を持つ儂だけが使える『死の感染』という禁呪じゃよ」
私のモヤモヤした顔を見て悟ったのか、先程の飛竜との戦闘について語り始めてくれるリタ。
「解り易く説明すると、飛竜だけに効果がある伝染病を放ったのじゃ。儂らには何の害もないが、彼奴等が感染すれば即死するウィルスを」
あ、鳥インフルエンザとかの凄いやつ…みたいな?
だいたい解ったかも!
「それは良いけどリタ婆!あれだけの数の死骸を放っておいて、腐乱しちゃうとエライ事にならない?」
先の事まで考えているデューレに感心する。
せっかく安全な地域にしようと出向いたのに、これで終わりにしちゃ駄目だよね…
「あのウィルスは死骸を土に還す上、人畜無害なモノでの。数年もすれば草木も生えるじゃろうて」
デューレの質問への答えにも驚きだ。
そこまで考えて戦っていたんだ…!
ただ敵を倒すだけではなく、その先も見据える。
私も水の力を得たからといって、浮かれてるだけではいけないな…
仲間って、いろんな事を教えてくれる。
2人に巡り逢わせてくれた運命に感謝!
…なんて思いながら、私は広がる青空を見上げた。
「おい、まだ終わっとらんぞ…?大魔獣の討伐こそが本当の目的じゃ!」
そうでした…
飛竜は前菜。
メインディッシュはこれからなんですよね…
でも、もうお腹一杯です。
そんな中。
レイきゅんが私のスカートをくいくいと引っ張っている。
どうしたのかな?
セーラお姉ちゃんのおパンツが気になるのかな?
ちょっとだけなら見せてあげても…
「お風呂…入りたい…」
「お、お風呂?」
言われてみたら、私達の身体は飛竜の血液や体液を浴びまくってグチャグチャに汚い。
鼻が麻痺してるから慣れてしまったけど、かなり臭い。
「リタ婆、一度戻って仕切り直さない?私達も消耗しているし。」
デューレの提案に賛成!
お風呂!お風呂!
仕方ないとばかりに、リタは転移魔法を唱え始めたのだった。




